フィリピン人講師の英語はレベルが高い?質が良い?残念ながら半分が嘘です。

2014年9月5日、TESDA(フィリピン労働雇用省技術教育技能教育庁) がセブ島のすべての英語学校を呼び出し、緊急のアナウンスを行いました。

その用件、一体なんだったと思いますか?

なんと、「語学学校のフィリピン人講師の質が低すぎる!」というものだったのです。

現在、セブ島の某語学学校で働くアメリカ人語学教師のT氏、同僚であるフィリピン人講師たちのあまりの英語力の低さに閉口し、学校に通う日本人、韓国人の生徒に対してアンケートを実施したのです。こちら、そのまんまTESDAからです。

※TESDAからのメッセージ TESDA requires all ESL institutions to send their teachers to training, which straightens out to the complaint of a native American who is currently teaching here in Cebu, Mr. T (仮名). Mr. T criticizes the quality of education the ESLs are providing. According to him, he had surveyed among his Korean and Japanese students who went to the academies he is currently affiliated with and result was to his surprise very troubling. The students just enjoy Cebu and learned nothing.
※翻訳文
「TESDAは今後、アメリカ人講師 T氏によって挙げられた、セブ島の英語学校によって提供される英語教育の質の問題を修正するため、全ての語学学校の先生に、トレーニングを受けることを義務付けることとします。T氏によると、氏が現在関係を持つ語学学校に通う日本人、および韓国人を対象にアンケートを実施したところ、非常に驚くべき結果が出たとのことす。生徒たちはただセブ滞在を楽しみ、何も学んでいない。

以上のようなメールが届きました。まったくひどい話ですが、あまり驚きはありませんでした。

なぜなら、多くの学校で本当にフィリピン人講師の質がヒドいからです。

フィリピン留学ではこんなことが起きています。

例えば、こんな冗談のような話を実際に聞いたことがあります。

  • 先生に発音を聞いたら、先生が電子辞書を出して調べ出した
  • 先生が文法を間違っていて、問いただしたら言いくるめられた。でも、授業後に調べたら自分が正しかった。
  • 先生の訛りが強く、何を言ってるのかよくわからなかった

これら、すべて事実です。このレベルの人たちが「先生」を名乗って多くの語学学校で働いています。前述のT氏がTESDAに直訴するのも無理ありません。もはや「先生」と呼ぶ気さえしません。

Brighture(ブライチャー)の採用面接に来る「経験者」たち

Brighture(ブライチャー)でフィリピン人講師を応募すると、たくさんの英語教師経験者のみなさんが応募してきます。ところが僕たちが採用に至るのは、せいぜい10人に1人なのです。もっと低いかもしれません。

では、Brighture(ブライチャー)ではどのような採用試験を課しているのか、そしてどのような人たちが応募してくるのか順を追って解説しましょう。

ステップ1〜履歴書提出

最初のステップはまずは履歴書の提出です。まずこの時点でかなり弾かれてしまいます。なぜなら、

履歴書の英語が間違っているからです。

冠詞が抜けている。スペルが間違っている。不可算名詞にSがついてる。そんなの日常茶飯事です。ところが履歴書を見てみると、5年以上も先生をやってきている方がざらにいます。もちろん、有名な日系の学校もたくさんあります。

う〜ん。他の語学学校は、いったいどのような基準で雇っていたのでしょう?

このレベルの先生は、一体何を教えていたのでしょう?

毎度毎度、首を傾げてしまいます。

ステップ2〜第1次面接

無事に履歴書の審査をくぐり抜けると、次は1次面接です。ここでのポイントは2つ。簡単な文法のチェックと、英語の訛りです。ここでは残った候補者のおよそ半分が弾かれてしまいます。

1.訛りが強すぎる
2.will と be going to の違いなどと言った、ごく簡単な文法が説明できない
3.約束の時間に来れない

はい。これ、すべて普通にいます。もちろん、大半は英語教師の経験者です。

他校が、一体どんな基準で採用してるのか、謎が深まるばかりです。

ステップ3〜TOEIC と作文テスト

無事に1次面接をくぐると、次はTOEICを受けてもらいます。ブライチャーでは900点が最低合格ラインです。ここではさらに3分の1から半分が落ちてしまいます。そう、900点が取れないのです。

それどころか700点取れない人さえいます。これじゃ日本人の生徒の方ができてしまいます。 しかも、このレベルで、TOEICを専門に教えてたという講師さえいます。

空いた口がふさがりません……

作文の方では、論理構成や文法をチェックします。Brighture(ブライチャー)ではライティング に力を入れていますから、このプロセスは欠かせません。ここでもまた落ちる人が出てきます。悲惨な作文を書いてしまう人が少なからずいるのです。

ステップ4〜模擬授業

無事にペーパーテストをクリアした人には、模擬授業を実施してもらいます。スタッフに被験者になってもらいます。生徒の注意をキチンと引けるか。明快な指導ができるか。そのあたりがポイントです。ここでさらにポロポロと落ちます。完了形と過去形の差がまともに説明できない、発音の際の口の中の動かし方が説明できない。生徒を惹きつけらえない、などなど、が理由です。

ステップ5〜最終面接

無事に模擬授業を突破したら、松井の最終面接を受けてもらいます。目的意識、協調性、ストレス耐性、コミットメント、そういったあたりを厳しく問います。ここでまた落ちる人がでます。

結果として、履歴書から数えたら20人に一人くらい、1次面接からでも10人に1人受かるかどうかという厳しさです。

採用した講師のレベルでも全然足りない。だからBrighture(ブライチャー)の講師はハイレベル

このように採用したフィリピン人講師は、基本何も教えなくても他の学校ではトップティーチャーになれる実力があります。ただこのレベルではまだまだ全然足りません。では何が足りないのか?

1.他校の経験があるため、今までのダメな教え方が染みついてる。
2.日本人の弱点をそもそも理解していない。
3.Brighture(ブライチャー)のカリキュラムが他校と全く違うため、教えることができない。

一つずつ見てみましょう!

1.他校の経験があるため、今までのダメな教え方が染みついてる。

例えば、発音のレッスン。生徒が正しく発音出来ていなくても、他校ではすぐに “Good Job!!” と褒めて、次の音へと進んでいきます。 Brighture(ブライチャー)で雇った先生も最初はこうです。ですから実践に投入する前に何度も模擬授業を行って、安易に褒めたり、「まあまあ」の出来でオッケーにしてしまう癖を徹底的に排除していきます。

他の例をあげましょう。経験が長ければ長い程、フィリピン人講師は、日本人の悲惨な発音や崩壊している英語を理解する能力が高くなります。これはもう超能力レベルと言ってもいいほどです。そして、フィリピン人講師たちは、この超能力を常に発動しています。すると、単語だけでも会話になりたってしまうため、生徒が話せた気になるのです。残念ながらこれでは英語力は伸びません。これもまた、模擬授業を通じて、超能力の発動を止めさせます。

2.日本人の弱点をそもそも理解していない

日本人がよくつまづくポイントとして、文法では時制や冠詞、発音では母音やシラブルなどがあります。ところが、フィリピン人の先生たち、この辺りがまったくよくわかっていません。なぜ日本人が時制や冠詞が苦手なのか、母音の発音やシラブルを間違えてしまうのか、原因も直し方もまったく理解できていません。ですから、ピントがずれた授業が延々と繰り返されてしまうのです。

日本人の弱点、そしてその原因や克服方法は本来日本人経営者たちがよく考え、理解し、フィリピン人講師たちに教えていくべきものです。それが出来てこそ初めて、効果的な英語学習が図れるのです。ところが残念ながら、その辺りが出来ている学校は、非常に少ないようです。他の学校に3ヶ月通い、ブライチャーに来て初めて真っ当な発音を知る。そんな生徒たちは少なくありません。

3.Brighture (ブライチャー)のカリキュラムが他校と全く違うため、教えることができない。

Brighture (ブライチャー)では、他校とは全く違い、それぞれのレッスンに明確な意図を持っています。これを提供するために、どのように教えなければならないか?を学ばなければいけません。これは漫然とおしゃべりマンツーマンで教えるよりも相当なレベルの高いものを要求します。そして、当校の厳しい採用試験に合格した優秀なフィリピン人講師でも最初はこれに対応できません。

先生のさらなる質の向上を目指して

ご覧の通り、Brighture (ブライチャー)では、質の高いフィリピン人講師を採用しても満足せず、Brighture(ブライチャー)が求めるレベルに近づけるための常に研修を行っています。また、このBrighture(ブライチャー)が求めるレベルそのものがレベルアップをしているので、フィリピン人講師は常にそのレベルに近づく努力を求められます。

フィリピン人講師たちは、大変ですが、講師たちが「勉強になる」と思わず呟くのがBrighture(ブライチャー)です。

先生の質は、そのまま英語の上達度に比例する

こうしたプロセスを経て粒選りのフィリピン人講師を揃えた結果、どの受講生にも、「すべての先生の質が本当に高い」と言っていただいています。

でも、高いお金を払ってわざわざ英語の勉強をしに来るんです。カリキュラムに対して想いのない学校、フィリピン人講師の質が低い学校で学ぶことで、後悔をしてほしくありません。

しかし、現実にはカリキュラムが事実上存在しない学校や、先生の質に全くこだわっていない学校の方がはるかに多いのです。だからこそ、TESDA(フィリピン労働雇用省技術教育技能教育庁)からの警告があったのです。

フィリピン留学の宣伝文句の一つに「フィリピン人講師は優秀」「ハイレベルな講師陣」が揃っているとありますが、果たしてそれは本当なのでしょうか?これらの現状を見れば、それが本当なのか?は、すぐ想像がつくはずです。

フィリピンで最も質の高い講師陣を揃えた学校、それがBrighture (ブライチャー)です。

そんなBrighture (ブライチャー)であなたも学習してみませんか?

博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。