海外の大学や大学院に行きたい人は、一体どんな準備をすればいいの?

Brightureには海外の大学や大学院への進学を控えた人が来ます。シンガポールの大学院に在籍中の方が何名か来たこともあります。みんな英語で非常に苦労して、Brightureに救いを求めてやってきました。

進学前にシッカリ勉強しておけばいいのに… と思うかも知れませんが、なかなかそうもいかないのです。進学後どこでつまずきやすいのか、具体的な情報が少ないため、何をどう準備していいのかよくわからないのが実情です。

そこでこの記事では、日本人が留学するとどんなところで困るのか、どうすると克服できるのか、そしてBrightureでは具体的にどのようなプログラムを利用して、留学準備ができるのかをお話しします。

日本人が苦労するポイント

苦労するポイントは大学と大学院で若干違いますが、主に次の5つに集約されます。

1. 発音が悪くて通じない
2. 読むのが遅く、課題図書が読み終わらない
3. 英語で論文を書くのに苦労する
4. クラス内で気後れして発言できない
5. プレゼンで四苦八苦する

発音はほぼすべての日本人に共通する課題です。そしてそれ以外は基本的に英文を脳内で処理するスピードに起因する問題です。

どの人もTOEFLなどでそれなりの得点を取っていますから語彙もありますし、英作文ができないわけでもありません。しかしそれでも、脳内で英文をプロセスするスピードがあまりに遅いため、タイムリーにディベートで反論したり、素早く資料を読み込んだり、小論文をサクッと書き上げるといったことができないのです。

また、学部と大学院とではかなり傾向が異なります。学部は必修の教科が多いため、さまざまなクラスを取らなければなりません。そのため、網羅すべき守備範囲がかなり広いのです。一方大学院は専門的なのでそれほど広い語彙は必要ありませんが、逆に深い専門知識が要求されます。

それでは、上に挙げたそれぞれの要素を考えてみましょう。

1. 発音が悪くて通じない

発音が悪くて通じないのはフラストレーションの元となります。これは大学の授業よりも、むしろ日常生活の方で大きな障害となります。レストランではいつも同じものを頼み、買い物は英語が通じやすいところでせざるを得ない時期もあります。

僕自身、プライドをへし折られる体験の連続でした。もちろん教室でも苦戦しますが、大学の教授陣は外国人のアクセントの強い英語に慣れており、意外となんとかなるのです。辛いのはその辺のレストランやスーパーマーケットで働く一般人とのやりとりなのですが、避けて通れませんから、丸っきりのアホのように扱われ、何度も悔しい思いをします。

2. 読むのが遅く、課題図書が読み終わらない

読むのが遅いと本当に苦労します。教科書や課題図書の読み込みが必要で、「明日までに100ページ読み、小論文を書き上げてこい」などといった課題が頻繁に出されます。僕もこれには散々苦労しました。とにかく読むのが遅く、読み終わる頃には午前1時を回っていることなどざらでした。そしてそこから小論文を書くのですから、書き終わる頃にはもう夜が白んで鳥が鳴いていたものです。最初の1年なんて、一体いつ寝ていたのかと思うほどです。

3. 英語で論文を書くのに苦労する

次に苦労するポイントが小論文です。日本の高校ではなぜか基本的な論文の書き方を教えてくれないので、日本人はほぼ例外なく苦労します。僕もそもそも論文の書き方がまったくわからず、ただひたすら辛酸を舐めました。ちなみにアメリカで育つ子は、論文形式の作文に小学校1年生から慣らされていきます。単純にいって9年分のブランクがあるようなものなのです。

また、英語を書くのも遅く、文法の間違いが多く、書いた英文もナチュラルからは程遠いものでした。結局、和文からの英訳をいくらたくさんやっても、自分の意見をナチュラルな英語で書くということが身につかないのです。大学在学中に一番苦労したのは、この論文執筆でした。

4. クラス内で気後れして発言できない

言いたいことはあるのに英語が口をついて出てこない。これはずっと付きまとう課題ですが、授業中発言できないと評価にも響くのでかなり重大です。僕自身も気後れせずに授業中に発言できるようになったのは、大学進学後2年目以降のことでした。ちなみに僕は高校も1年アメリカに行ったので、3年目にしてやっとなんとか発言できるようになったのです。英語で瞬間的に反応し、中身のあることを言えるようになるのはそのくらいハードルが高いです。

5. プレゼンで四苦八苦する

プレゼンテーションもなかなかしんどいものです。日本の学校ではあまりやる機会もないため、海外の大学に進学すると、生まれて初めてのプレゼンテーションが英語なんてことになってしまうのです。日本語だって緊張するのに、これが英語ですから本当にガチガチになります。

専攻によっては本当に毎週のようにプレゼンがあります。僕は数学と情報処理が専攻だったので数は少なかったのですが、それでも在学中に何度もありました。スライドを作るのに一苦労、喋るのに一苦労、そして最後の質疑応答で質問に応えるのにさらに四苦八苦です。

どんなふうに準備するか?

では次にどんなふうに準備するのが有効なのかを考えてみます。

1. 発音を習う

あえてお金を習って英語を学ぶのならば、発音の訓練をきちんと施してくれる教室に行って徹底的に訓練することを強くオススメします。発音の独習は可能ですが、自分の間違いにはなかなか気がつきにくいため、習ってしまった方が結局は効率がいいです。

Brightureでは発音に特化したレッスンを複数提供しており、海外進学希望者のみならず、非常に多くの方に好評を得ています。セブ島のクラスでも、オンラインでもレッスンを受講することが可能です。

カリキュラム紹介:Phonics & Pronunciation

カリキュラム紹介:Speech Fluency

2. 大量の英文を読む

留学前に、大量の英文をしっかりと読み込んである程度のスピードで読めるようになっておきましょう。読む時間が30分〜1時間程度削れるだけでも全然違います。これは自分でできますし、量をこなすことで徐々に早くなります。

また、読んだ内容をまとめる練習をすると、要点だけ拾って読むのが早くなります。こうした読み方をしっかり身につけておくと、学生生活が格段に楽になります。

Brightureでは読み書きに特化したクラスを複数用意しています。セブ島のクラスでも、オンラインでもレッスンを受講することが可能です。課題図書は幅が広く、簡単な児童書から学術論文に至るまで、レッスン受講者のレベルに合わせて異なった課題図書の読み込みを課しています。

カリキュラム紹介: Writing Review

3. 会話に割り込む練習をシッカリしておく

英会話というと大抵マンツーマンで練習しますが、実際にはグループ単位でディスカッションすることが大半です。また、食事などもグループ単位で行くことが多いですから、さまざまな人の意見が交錯する中で話すことに慣れていないと、まったく会話に割り込めません。

なので、グループの会話でゴリゴリと発言する練習をしっかりしておきましょう。ちょっと慣れておくだけでも全然違います。

Brightureではハイレベルな生徒さんに対して、グループでのフリーディスカッションを練習するクラスを用意しています。こちらはセブ島のクラスでのみ受講かのです。

カリキュラム紹介: Social Conversation

4. 英語で論文を書く練習をしておく

論文を書いて赤入れしてもらう練習をしておきましょう。タイプして5ページ、1200ワードくらいが手頃な長さです。最初は1ページ(250ワード)からで十分ですので、書いては直してもらうという作業をしっかりとこなしておきましょう。

小論文がサクサク書ければ、その分確実に睡眠時間が確保できます。結果として、学校での勉強が捗りますし、気持ちの余裕が出て現地の生活も楽しめます。

Brightureでは複数のライティングのクラスを用意しています。論文を書くことに特化したクラスもあります。こちらはセブ島でもオンラインでも受講可能です。

カリキュラム紹介:Academic Writing

5. プレゼンで四苦八苦する

プレゼンは、プレゼンの練習をしないと上手くなりません。実際に聴衆の前で話すことに慣れていきましょう。はっきり言って場数を踏むしかありません。わかりやすいスライドを作り、順序立ててはっきりとよく通る声で、みんなの前で話す訓練です。

Brighture のセブ校では毎週プレゼンテーションの発表会を実施しています。毎週必ずプレゼンをやる人も少なくありません。滞在期間中に相当上手になる人も少なからずいます。こちらのクラスは、セブ校でのみ受講可能です。

カリキュラム紹介;プレゼンテーション

 

以上、「海外の大学や大学院に行きたい人は、一体どんな準備をすればいいの?」をお送りしました。

海外留学を検討中の方は、渡航前に一度Brightureに留学し、自分の弱点をある程度強化しておくことを強くオススメします。こうしておくと、現地に実際に留学した時のハードルが大幅に下がります。

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博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。