フィリピン留学の効果を最大化するためのアウトプットとは?

「英語は実際に使わないとうまくならない。」そう考えている方は少なくないでしょう。多くのフィリピン語学学校がマンツーマンレッスンのコマ数を売りにしていますが、その意図するところは、「アウトプットをたくさんすると上達する」というものです。

さて、アウトプット(書く・話す)をたくさんすると、英語は本当に上達するのでしょうか?仮に上達するとして、具体的にはどのような効果が見込めるのでしょうか? 今回は、留学中のアウトプットから期待できる7つの効果を解説してみたいと思います。

フィリピン留学の効果1)自分の英語の足りない箇所に気づくことができる

英語で伝えたいことがうまく伝わらないという現実に直面することで、英単語が足りない、英文法を理解していない、発音が悪いなどといった、理想と現実のギャップに気づくことが可能です。この「気づきを得る」ということが、アウトプットの最大の効果なのです。

書く場合も同様です。単語を知らない、文の構造がわからないなど、自分に不足している点に気がつくことができるのです。

フィリピン留学の効果2)英語を使うことに慣れする

英語を話そうとするとどうも緊張してしまう。そんな人もたくさんいるでしょう。特に日本人は英語を話すということに慣れていません。しかし、フィリピン留学中にたくさんのアウトプットを強いられることで、英語を話すこと自体への抵抗感がなくなっていきます。

フィリピン留学の効果3)英文の構造・文法を知りたくなる。注意を払うようになる

当たり前のことですが、自分の英語が通じなければ通じるように言い直す、あるいは書き直す必要が生まれます。特に英作文は、会話と違ってその場で言い直したりジェスチャーを使ったりできないので、正確さを求められます。結果として、書く訓練は自分の文法の弱点に気がつくのに極めて有効な手段です。ネイティブに添削してもらえると、比較的短期間で文法の精度を大幅に上げることができます。

フィリピン留学の効果4)学習者が思い描いている言語構造や単語の使い方を試すことができる

どの時点の学習者も、その時々のレベルに応じて、「to 不定詞はこういう構造なのではないか?」「この単語はこういう状況で使ってもいいのだろうか?」「Lの発音はこれでいいのだろうか?」などと、様々な仮説を立てています。それらの仮説を実際に試すことができるのが、アウトプット学習の大きな効果の一つです。

フィリピン留学の効果5)知識として知っていることを、内在化することができる

すでに知識としては知っている文法や単語を、瞬時に引き出して運用できない……。そんな悩みを抱えている方は多いでしょう。アウトプットの数をこなすと、こうした「知識としては知っている」ことを自分の中に染み込ませ、瞬時に引き出せるようにする効果が期待できます。

また「引き出すのが遅すぎる」と実感するだけでも大きな効果です。「独り言学習」などを通じて、すぐに引き出せるようになるまで定着を図ることができるからです。

ただし、間違ったアウトプットを繰り返していると、それがそのまま内在化されてしまいますから、きちんとチェックして、修正をかけてくれる存在が欠かせません。

フィリピン留学の効果6)英語のアウトプット能力そのものを上げることができる

アウトプットの量をこなすことで、アウトプット能力そのものが向上します。日本語でも「1時間続けて話せ」「原稿用紙10枚分何か書け」などと言われても、アウトプットする内容さえない場合がほとんどです。

しかし、アウトプットをたくさんこなすことで、ネタを見つけてはそれをアウトプットすることに慣れていきます。ブライチャーへ留学に来る生徒さんたちも、最初は数行の作文を書くのがやっとの人が大半ですが、気がつくと250〜400ワードくらいの文章がかけるようになっています。また話す方も、途切れ途切れに数分話すのさえ苦しかったのが、話題で盛り上がって話し続ける、などといったことができるようになっていきます。

 フィリピン留学の効果7)「自分なりの意見」を持ち、会話の流れを自分の興味のある分野に振ることができるようになる

さらにアウトプットに慣れてくると、どこからか借りてきたネタではなく「こんなことを表現したい」といった、明確な欲求が現れてきます。やがて、グループで雑談をしているときなどに、自分の興味のある方向に話題を振れるようになっていきます。ここまでくれば「英語ペラペラ」言っても問題のないレベルです。

なぜ、フィリピン留学で効果が出ない人がいるのか?

前述の通り、フィリピン留学の最大の利点は、アウトプットの機会が大量に持てることです。しかし、数ヶ月間留学しても、ごく簡単な日常会話以上のことができるようにならない人が続出しています。いったいなぜこのようなことが起こるのでしょうか?

原因1)英語のインプットがそもそも足りていない

まず一つ目はそもそもインプットがまったく足りないことです。インプットをすっ飛ばしてアウトプットの量だけ増やしても、そもそも「出すもの」がないので期待するような効果が得られません。円滑にアウトプットできるものは、インプットしたもののせいぜい20パーセント程度です。英語がある程度口をついて出てくるには、最低限1000時間程度は英語に浸りきる必要があります。

フィリピンに来て1日8時間、週5日勉強したとしても月160時間にしかなりませんから、仮に3ヶ月みっちりやったとしても、中高と合わせてやっと1000時間に達するかどうかです。ましてや中高で英語が苦手だった方なら、この程度のインプットでは全く足りません。実際のところ、短期のフィリピン留学でしっかりと伸びる人は、日本でしっかりとインプット学習をしてきた人たちです。

原因2)フィリピン人講師の質の問題

二つ目は、フィリピン人講師の質の問題です。アウトプットが有効に機能するには、文法が破綻していたら通じない、発音が間違っていたら通じない、といった受け手側の「当たり前の反応」が必要です。

しかし、フィリピン人講師たちはあまりに日本人の壊れた英語に慣れてしまっているため、どんなに発音が悪かろうが、文法が壊れていようが通じてしまうのです。そのため生徒の方は、「本来ならこの発音や文法では通じない」という現実に気がつきません。そして「ブロークンでいいから単語を並べればなんとかなる」などという誤った認識を抱いてしまうのです。

また、講師の側の文法の知識が低いケースも多く、TOEICを受けさせてみると700〜800点がやっと、という人が普通なのです。フィリピン留学というと値段とマンツーマンのコマ数だけで決めてしまいがちですが、何が安さを成り立たせているのかを考えてみる必要があります。

原因3)英語を伸ばすためのカリキュラムの不在

3つ目は、実質的にカリキュラムがないことです。マンツーマンでただおしゃべりを繰り返しても、なかなか本質的な上達につながりません。たとえ初心者が留学する場合は満足でも、上級者にとっては得るものがありません。

そもそも何もわかっていない人には、基礎的な単語や文法を学んでもらう必要がありますし、インプットに取り組む必要があります。また、すでにある程度基礎的な会話ができる人には、自分の話題に引っ張る練習をしてもらったり、アウトプットの内容を深めてもらう必要などがあります。レベルに応じてきめ細かな指導をする。学校側にこうした仕組みが備わっていないと、効果的な指導はできないのです。

前述の通り、英作文をチェックするのは文法の理解や向上を図る上で非常に優れた方法ですが、残念ながら英作文に力を入れている学校はブライチャー以外にはありません。それどころか、上級者の作文に正しく赤入れをできるほどしっかりとした文法知識を持ち合わせたフィリピン人講師があまりいないのです。

ブライチャーではこれらの問題をどう解決したか?

ブライチャーではこれらの問題を至極まっとうな方法で解決しました。まずインプット不足の問題ですが、大量の宿題を出すことで、これを補うようにしています。

現在留学中の女性で、入学時には幼児向けの絵本からスタートしたのに、3ヶ月目で新聞記事を読み、まとめを書けるレベルにまで成長した女子大生がいます。この方も受講以外に毎日6時間ほど、合計1日12時間ほど勉強し、さらに週末も勉強していました。これを毎日やれば、月300時間、3ヶ月で900時間に達します。すると当初中1〜2程度の実力したなかった人でも、口をついて言葉が出てくるようになります。

講師の質については、他校よりも高い給与を出し、明確な採用基準を設けることでこれを克服しました。ブライチャーにはすでにTOEIC900点を突破している、欧米の大学にMBAを取りにいくといった方が相次いで入学しますが、教師の質には満足していただいています。初心者の方にいい加減な知識を教えてしまう、といった心配もありません。また採用後、最低2週間は研修を実施し、日本人の誤った発音をやり過ごさない、壊れた文法をそのまま放置しないといった部分も、しっかりと教え込みます。

カリキュラムも、インプットとアウトプットのバランスを考え、語学習得に必要な「覚える、浸る、使う」の要素をバランスよく網羅した「スパイラルラーニング」をカリキュラム化しました。米国企業で16年間勤務、在米18年の実績をすべてつぎ込んで作り上げたものです。他の追随を一切許していない自負があります。

せっかくのアウトプットの機会を有効に生かすためにも、ブライチャーで勉強してみませんか? 努力と時間に見合った成果をお約束します。

博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。