03 11月 【英語勉強法】英語の文法学習ってどうすればいいの?
文法を勉強しないと英語力が伸びない…。 これ、あちらこちらで耳にします。そして、確かにその通りです。しかし文法だけをスピーキングや読み書きから独立させて、勉強しても効果が薄くなりがちです。
この記事では、どのように文法を勉強すればいいのか、簡単に解説します。
最初に文法からスタートしてはいけない
最初に文法を勉強した方がいいと考えている人が多いのですが、そんなことはありません。まずやるべきことは次の4つです。
1)使用頻度の高い文章を100〜200くらい丸暗記する
2)フォニックスを学習する
3)発音を習う
4)早速覚えたフレーズを使ってみる
文法の学習はこれらが一通り終わってからスタートすれば十分です。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
関連記事:【超初心者向け】英語を英語のまま学ぶ方法
文法学習はどのくらいの範囲をやればいいの?
必要な文法知識は下記の通りです。
– 中3までに習う文法
– 完了形と完了進行形ななどの時制
– 仮定法
必要な文法は中3まででおおよそ出揃っています。これに加えて完了形と完了進行形ななどの時制と仮定法を押さえておけば十分です。これ以上は特にやる必要はありません。
どうやって勉強すればいいの?
具体的な勉強方法ですが、原則が4つあります。
1)学習するルールが会話の中で具体的にどんなふうに使われるのかを把握する
2)すぐに会話練習に生かして体で覚える
3)文法と会話練習を並行させて学習し、どちらかを先走ってやらない
4)和訳、英訳は文法理解のための方便と割り切り、練習を重ねない
それではひとつずつ解説しましょう。
1)学習するルールが会話の中で具体的にどんなふうに使われるのかを把握する
大切なのは、具体的にどんな時にその文法が使われるのか、正確に把握することです。
ここでは現在形を例に説明します。
まず「主語+動詞の原形」といった基本的な文型を学習します。次にbe 動詞や人称に合わせた変化などを習います。また否定文や疑問文の作り方も習うのではないのかと思います。
肯定文:I go to a supermarket.
私はスーパーマーケットに行きます。
否定文: I do not go to a supermarket.
私はスーパーマーケットに行きません。
疑問文:Do you go to a supermarket?
あなたはスーパーマーケットに行きますか?
肯定文:Mike is American.
マイクはアメリカ人です。
否定文:Mike is not American.
マイクはアメリカ人ではありません。
疑問文:Is Mike American?
マイクはアメリカ人ですか?
なんかこんな感じですよね。そして英訳問題や和訳問題、あるいは肯定文→否定文→疑問文などといった文の書き換えを延々と繰り返します。
しかし、疑問が一つ残ります。一体いつどういう状況で『私はスーパーマーケットに行きます。』と言うのか、どうもしっくりこないのです。今まさにドアを出るときに言うのでしょうか? それともスーパーマーケットに向かって歩きながら呟くのでしょうか?
実はこの現在形を使う状況はだいたい次の4パターンのいずれかに収まります。ご覧の通り「現在形」というその名に反して、「現在」を言い表すのはたった1パターンしかないのです。
1. 日常的に繰り返される習慣、出来事を言い表すとき
2. 事実を言うとき
3. 近未来に予定されたイベント
4. 「現在」を言い表すとき。ただし、“I love you.” のように、「働きを目で見ることができない」動詞を使う場合のみ
詳しくはまた別の記事で紹介したいと思います。
関連記事:【英文法解説】現在形は、本当のところ、どんなときに使うのだろうか?
2)すぐに会話練習に生かして体に定着を図る
具体的にどんなときに使うのかがわかったら、今度はすぐさま会話に生かして練習し、定着を図ります。例えば現在形であれば自己紹介をしたり、日常のルーチンを説明したりするのに使います。あるいは次の日の予定などを表現してみてもいいでしょう。
Hi. My name is Yumi. I am 23 years old. I am a college student. I work part-time at Starbucks. I play tennis every weekend. Curry is my favorite food. I do not like Sushi very much. What is your favorite food?
あるいは事実を説明するのはいかがでしょうか?
Yokohama is Japan’s second largest city with a population of over three million. Yokohama is located less than half an hour south of Tokyo by train. It is the capital of Kanagawa Prefecture.
こちらは近未来の予定です。こちらも全部現在形ですが、まったく不自然なところはありません。
I have a tennis practice this weekend. It should end by noon. Do you want to get together in the afternoon? I am all for it.
あるいは今の気持ちを言い表してみます。
I love him so much. But I don’t know what to say to him. I wonder if he even notices me. What should I do?
このように現在形だけでもナチュラルに表現できることはいくらでもあります。書いてみて、読んでみて、スカイプレッスンなどでどんどん使ってみましょう。
3)文法と会話練習を並行させて学習し、どちらかを先走ってやらない
文法だけを先走って勉強すると、文法のことで頭が一杯になって言葉がなかなか出てこなくなる傾向があります。一方、文法を置き去りにして会話練習ばかりが先行すると、間違えた文法が定着して癖になり、あとで苦労します。
ですから習った文法はその都度すぐに会話や作文に落として練習し、定着を図るのが大切です。また、この際に自然な使い方にこだわることが大切です。
もしも英会話学校やスカイプレッスンが利用できる場合には、頻繁に直してもらいましょう。またその際には、「これは自然な表現の仕方か?」にこだわって修正してもらってください。
会話練習や多読などで知らない文法に遭遇したら、その部分だけ調べてクリアにしていきましょう。イメージとしては、ちょうど知らない単語に遭遇したときに、その単語だけ調べるのと同じような感じです。
また、ごく初心者のうちからでも、読書をスタートすることは可能です。ネイティブの幼児向けの絵本などからスタートすればよいのです。すると、無理なくナチュラルな言い回しを増やしながら、文法と重ねて学んでいくことができます。
4)和訳、英訳は文法理解のための方便と割り切り、練習を重ねない
文法の理解度を確認するために、何度か和訳、英訳をしてみるのは決して悪い勉強方法ではありません。しかし、これを何度も繰り返すとあっという間に日本語を嚙ます癖が付いてしまいますので、あまり何度も繰り返さないようにしましょう。
なお、中学生や高校生の場合には試験でどうしても翻訳本題が出るので、まったくやらないというわけにも行かないと思います。その場合には試験対策と割り切ってください。帰国子女ですらこうした問題を反復すると言葉で出るのが遅くなります。そのくらい弊害が大きいので、くれぐれもほどほどにしておきましょう。
なお、翻訳家を目指すのであれば、これは必ずしも悪い学習方法ではありません。本職の翻訳家として数年働いたことがありますが、翻訳家の同僚たちは誰も英語を流暢に話すことができませんでした。しかし、翻訳家としては誰も困っていませんでした。翻訳をするのと英語を喋るのとでは多少重なる部分もありますが、実はまったく個別の2つの能力です。流暢に話せることをゴールにするのなら、和訳、英訳はくれぐれもほどほどにしておきましょう。
Brightureでの取り組み
Brightrureでは特に「文法の授業」というのは行なっていません。その代わりに多読、英作文、そして会話練習を繰り返す中で、文法的に正しく、それでいてナチュラルな言い回しを反復して指導することで、正しい文法が実際の会話や作文の中で使えるよう指導しています。