19 11月 【英文法解説】現在形は、本当のところ、どんなときに使うのだろうか?
「現在形」 は、中1で英語学習を始めて一番最初に習う文型です。僕らの世代だと、最初に触れる英文は、間違いなく “This is a pen.” でした。
僕が現在形を習ったときに抱いた最大の疑問、それは「いったいこの『現在形』っていう文型は、どんなときに使うんだろう?」というものでした。例文に出てくるような “Is this a pencil? No. It is not. This is a pen.” なんて会話、誰もするわけありません。“I go to school” なども、かなり不思議な文章でした。これは家を出るときに「行ってきます!」の代わりに言うんだろうか? それとも学校に行く途中に知り合いにあったら、”I go to school.” って言うんだろうか? でも制服を着て、通学の時間に会ったら学校に行くのなんて自明なはずです。それに、通学の最中なら “I am going to school.”のほうが適切な気もします。
実は、この辺りが曖昧なままアメリカ駐在になったりして、かなりトンチンカンな受け答えをしている日本人の方、たくさんいます。僕も渡米してしばらくの間は、かなりヘンな受け答えをしていました。「いま何してるの?」「日曜日には何してるの?」そんなふうに聞かれたときには、いったいどんな返事をすればいいんでしょうか? 進行形? 現在形?
この記事では、実際にはどんなときに現在形を使用するのか、紹介します。
現在形を使う4つのケース
現在形を使うケース、それは主に4つにまとめられるのです。それではひとつずつ見ていきましょう。
1.「日常的に繰り返すこと」を表現する
もっとも一般的な現在形の使用方法、それは趣味や習慣や癖などといった「繰り返し行うこと」を表現する場合です。「当たり前の日常」あるいは「変わることのない状態」を言い表すのが、現在形といってもいいかもしれません。ルーチンワークもそうですし、あいつは忘れ物が多い、怒りっぽいなどといった癖や性格なども、現在形で表現されます。
例えば、
I play chess.
チェスが趣味です。
I play tennis.
テニスが趣味です。
I go to school.
『学校に行く』というというより、「学生です」というニュアンスです。
She always forgets her purse.
彼女いっつもパースを忘れてる(癖、性癖など)。
Tom is a cry baby.
トムは泣き虫だ(すぐ泣く人のことを“Cry Baby” といって揶揄します)。
なお、これは否定形になっても同じことです。
She does not play tennis.
彼女の趣味はテニスではない
I don’t go to school.
僕は学校に行ってない(もはや学生でないか、引きこもりか、など)。
He never forgets his wallet.
彼は絶対にお財布は忘れたりしない。
話し相手の趣味や習慣などを尋ねる場合にも、現在形はとっても適しています。
Do you play golf?
ゴルフはなさるんですか?
What do you do on weekends?
週末には何にしてるの?
Do you go to school?
学生さんですか?
What do you do for a living?
お仕事は何をなさっているんですか?
「週末は(普段)何をしているんですか?」って、“What do you do on weekends? ” と言うのが決まり文句です。でも多くの日本人が難しく考えすぎて、“What are you usually doing on weekends?” なんて言ったりしちゃうんです。そんなに難しく考える必要はありません。“What do you do on weekends?” って、シンプルに現在形で聞けばバッチリです。
2. 自分が「事実だと信じていること」を言いたいとき
2番目のケースは、「事実」を言いたいときです。「陽は東から昇る」みたいな、客観的な事実を言う場合などに多用します。なお、これは真実である必要はありません。「日本語は世界一難しい言語だ」とか「原発は必要ない」とか「アメリカ人はハンバーガーの食べすぎだ!」など、自分が事実だと信じている思い込みや、かなり強引な一般化をするときなども現在形が使われます。要するに、何か「こうだ!」って言い切りたい場合に使いやすいのです。
例文を見てみましょう。
Cats like milk.
猫はミルクが好きだ。
Birds do not like milk.
鳥はミルクが好きではない。
California is one of the states in the U.S.
カリフォルニアはアメリカの一つの州だ。
The earth circles the sun every twelve months.
地球は太陽の周りを12ヶ月おきに1周する。
Windows are made of glass.
窓はガラスでできてる。
You are stupid!
お前はバカだ!
New York is a dangerous city.
ニューヨークはとても危険な都市だ。
この例文の中にはウソや思い込みも混じっていますが、それはそれです。単なる自分の意見を、さも当然の真実であるかのように言い切りたいときに、現在形はよく用いられます。このため、トランプ大統領が多用しています。
Illegal immigration affects the lives of all Americans. Illegal Immigration hurts American workers, burdens American taxpayers, undermines public safety, and places enormous strain on local schools, hospitals and communities…https://t.co/eN1IqPNBJY
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) November 1, 2018
[違法移民は全てのアメリカ人の生活に影響を及ぼしている。違法移民はアメリカの労働者に害を及ぼし、アメリカの納税者の重荷になり、公共の安全を脅かし、地元の学校や病院やコミュニティに負荷をかけてる。]
ここに書いてあること、ほぼ全て事実に反していますが、思い切り言い切っています。実に正しい現在形の使い方です。
3. 近未来に予定されたイベント
未来にあることは未来形。学校ではそう習います。でも、ごく近未来に確定的に起こるとわかっていることは、現在形で言うことが多いのです。例えば、列車の発車時刻とか、そういう類いのことです。なお、未来形を使うのが間違っているというわけではありません。
The train leaves tonight at 6 PM.
列車は午後6時に出発します。
The bus does not arrive at 11 AM, it arrives at 11 PM.
バスが着くのは朝の11時ではありません。夜の11時です。
The party starts at 8 o’clock.
パーティは8時にスタートします。
When does the class start tomorrow?
明日のクラスは何時に始まるの?
4. 「今」の状況を表す
なお、たまには現在形を使って「今」を言い表すこともあります。一番分かりやすい例が、“I love you.” といった感情の表現です。ただ、現在形で「今」を表すのは原則的に、Non-Continuous Verbs と呼ばれる「動詞の働きを目で見ることができない」動詞を使う場合だけです。love, want, need, hate, cost, care などが典型的です。
Non-Continuous Verbs には他にもこのようなものが含まれます。
be, seem, contain, owe, exist, possess, own, belong, like, dislike, fear, envy, mind
この他に、Non-Continuous Verb と同じ働きをする動詞がいくつか存在します。それらは Mixed Verbs と呼ばれ、普通の動詞としても使われるし、Non-Continuous Verbsとしても使われるます。いくつか例を挙げましょう。
appear, feel, have, hear, look, see, miss, weigh
そしてこちらが例文です。
He needs your help.
彼は助けが必要だ。
I love you.
愛してるよ。
Mike hates Laura.
マイクはローラを嫌っている。
You belong to me.
あなたは私のものだ。
Amy wants a drink.
エイミーは飲み物を欲しがってる。
I am here now.
僕はついたよ!
I feel your pain.
あなたの痛み、わかります。
Donna appears confused.
ドナは混乱してるようだ
I hear you.
聞いてるよ。(「わかるよ」と言うニュアンスで使われます)
I miss you.
あなたが恋しいよ。
Nancy looks tired.
ナンシーは疲れてるみたい
まとめ
それでは現在形のまとめです。
– 現在形は、習慣、習慣、癖、性格などといった、基本的に変わらない「当たり前の、いつもの日常」を表現する場合に使う。(例:I go to school. )
– 現在形は、何かを一般化したいとき、あるいは自分が「事実」と信じていることを言いたい時に使う。(例:You only live once. Tokyo is a big city. など)
– 現在形は、電車の発車時刻のような「近未来に確定されたイベント」を言い表す時に使う(例: The train leaves tonight at 8:00 PM. )
– 現在形は、ごくまれに「今」を言い表すのに使う。ただし、Non-Continuous Verbs か mixed verbを使う時だけ。(例:I love you. Nancy looks tired. など)
すぐに使って定着を図ろう!
この記事を参考に、ぜひ現在形を使ってみてください。どんな文型もそうですが、実際に応用して、会話の中で使ってみるのが、定着、自動化への最短距離です。考えたり日本語から訳しながら話したりしているうちはまだまだ身についていないのです。
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