最強の将棋AI開発者の提言「全プログラマーはいますぐBrightureへ」――AI Ponanzaの開発者 山本一成さん

HEROZの山本一成さんは、人工知能の開発者。日本では、名人に勝利した将棋プログラムPonanzaの作者として知られています。同時に、愛知学院大学特任准教授であり、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員でもあります。そんな人がなぜブライチャーで3回も英語学習をしようと思ったのでしょうか。

山本一成さん/将棋AI Ponanza開発者/ブライチャー 留学3回目

――なぜすでに成功されたプログラマーが、あえて英語学習を?

実はプログラミングと英語が両方出来ると、ものすっごいチャンスがあるんです。

ストレートに言えば、シリコンバレーに行くとお金がたくさんもらえるらしい(笑)。「プログラム」と「英語」といえば、今一番かけ算のパワーが強い分野なんです。

僕も以前、将棋ソフト「Ponanza」が名人を倒したことでいきなり有名になり、海外からも講演のオファーが来るようになりました。しかし、その時点での僕の英語力では、とても英語での講演を受けられる状況ではなかった。

プログラミングの分野って英語での情報発信が多く、読む能力がとても大事。特に新しい情報や論文はすべて英語ですね。日本には2年遅れて入ってくる印象です。実は、日本には英語ができるプログラマーが少ないです。読めるけど、それだけ。

――英語は機械翻訳で読めば良いように思うのですが。

Google翻訳、素敵ですよね。しかし、プログラマーには、「文化圏」が必要なんです。例えば、英語にはGithubやStack Overflowなどの巨大なプログラマー同士のコミュニティがある。英語圏のプログラマーはここに日々新しい情報が入ってきて、ソースコードを公開したり、議論・質問をして、コミュニティの中で生きている。

日本人も、みんな翻訳して読んでいます。しかし、「読むだけ」で終わってしまい、コミュニティで質問したり、回答して評価をあげるのは難しい。日本語のプログラマーの文化圏はあるけれど、規模が小さい上に日本国内で終わってしまう。

プログラマーが英語で情報を発信したり、文化圏を作れないと、情報の「おこぼれをもらうだけ」なんですよ。Googleなどが出す方向性に従っているだけで終わる。相当苦しく、トップにはなれない。

今、日本発のプロダクトは少ないです。日本の会社をみても、いまだに時価総額1位がトヨタだったりしますね。本来1位にいるべきはIT企業なんですよ。日本人は頑張ってるけど、米国や中国はさらに頑張っている。

英語力さえ身に着ければ、この巨大な文化圏を使えますから、できることが大幅に広がるなと思います。

――山本さんご自身は英語は得意なんですか?

これが困ったことに僕、全然ダメなんです。大学まで日本で、将棋プログラマとして有名になったけれど、少なくとも以前は、英語で話すということがまずあり得なくて、話せたらいいなと思ってた。

最初は韓国・ソウルのイベントで英語での講演依頼を受けて、大変名誉かつ光栄だった。しかしどうやって乗り切ろうかと。

それをきっかけにフィリピンかマレーシアに留学しようと考え始めた。

ネイティブスピーカーが普通に喋ってきた場合、何を言っているかほぼわかりません。もちろん今もわかりません。英語の先生には困ったらわかったフリすればなんとか乗り切れると励まされるくらいです。

――マレーシアにも行かれたのですか。

その頃、松井さんのcakesの連載を読み、学校づくりの経緯を見て、しっかり考えているんだなと。

けれど、初めての留学はマレーシアを選んだんです。1ヶ月くらい行ってきましたが、残念ながらまったくうまくならなかった……。先生とただ、おしゃべりする感じで、カリキュラムが全然なく、楽しいだけで終わってしまった。

――マレーシア留学とブライチャー留学を比べてどうですか?

圧倒的にブライチャーですね。生徒のレベルや進捗状況に合わせてしっかりとしたカリキュラムがあるというのは、とても大事なポイントだと思う。

発音だけは独習でいくらやっても自分では気がつけない


――特に力を入れたのはなんでしょうか。

発音だね。プログラマーって一人で勉強するのが得意な人たちが多いんだけど、発音だけは独習でいくらやっても自分では気がつけない。だから先生から学ぶことが大事だと思う。一度しっかり習った後なら、独習でも改善できるんじゃないかな。

指摘してくれて、どうしたらその音が出せるようになるか、教える人がいないと絶対に無理。YouTubeとかで動画をどんなに見て英語が分かるようになったとしても、発音を自分で直すことはできないからね。

――その後、結局3回もブライチャー に来ています。3回の留学を通してどうでしょうか。

まず、プレゼンが英語で出来るようになったから、これは間違いなくビジネスで実践していける。

話すことに関してはまだ苦労しているけど、英語に対する解像度が上がったかな。例えば、「しゃべれる」というのは、具体的にどういう状況か。いろいろなレベルがあることが理解できた。「ペラペラ」と「しゃべれない」の間には、グラデーションがある。語学学習というのは本当に時間が掛かるし、続けなければいけないだというのが、改めて実感できた。

この前、1時間くらい仕事の関係で英語を話す機会があったけど、ブライチャーから戻って久しぶりに英語を使ったから、すごく疲れました。

――一番やって良かったと思うレッスンを教えてください。

発音関連のPP(Phonics & Pronunciation)SF(Speech Fluency)です。この2つは圧倒的にやって良かった。松井さんが英語学習でお金をかけるべきところは、「発音とライティング」とよく発信しているんだけど、本当にそれには完全に同意。

―――発音で一番苦労したポイントはどこですか?

発音はねぇ……本当にできるようにならないね(笑)。ただ、発音は、みんなダメダメなんで、習うとそれっぽい英語が話せるというのは本当。でもみんなのせいではなくて、教科書から変えるべきて話になってしまうんだけど、今まで習っていたものは全然違うと自覚して、しっかり一からやるべきだと思う。

そもそも日本人って、nとngの音が違うとか知らないでしょう。発音記号的には違うのは知ってるけど、実際音がどう違うのか知る機会はなかったよね。ブライチャーで勉強する前は、nって文字を見たら全部nとしか考えてなかったよね。日本語にない音が本当にたくさんありすぎてやばい。

3回目だけど、前回から大分時間が空いてしまったから、知識としては頭にあっても全然出来ていないって最初の頃は先生達に良く言われてた。レッスンの中でめちゃめちゃ直されたけど、特に今でも課題として残っているのは、rとl、sとth、nとng、後は適切なリダクションかな。

――音の違いは分かるようになりましたか?

まだ咄嗟には難しいと感じるけど、少し前に日本人の人が「rest」と言って、どう考えても「lest」と発音していて、そこはrでしょ!と思った(笑)。先頭のrとlはすごく敏感になったと思う。

できる限りやろうと決めてました


――プレゼンテーションについて、少し聞かせてください。

プレゼンはほぼ毎回参加してました。楽しいからできる限りやろうと決めてました。 実際に英語を使う場を設けるのも絶対大事だと思ってた。 英語でプレゼンができるっていう自信は、間違いなくついたと思う。

テクノロジー関連の話が多かったけど、TEDのまねもよくやってました。「mimicking TED(TEDの物真似)」と呼んでいたけど、あれはすごくいい経験になった。特にリズム、音の塊というか出し方が全然違うからいい勉強になる。

――今回の留学を終えて、今の課題は?

今は、圧倒的に聞くことに苦労してます。 リスニングは最初から今までずっと課題です。 聞き取れなかった最初の頃から比べたら、大分改善してきたけどね。 根本的に語彙が足りてないです。単語を知らないとそもそも話が見えなくなってしまうことがあるし、スピードが早いと音が聴きとれない。

自分にとっては、リスニングがスピーキングの10倍くらい難しい。 難しいと感じている順にリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングかな。

ライティング、スピーキングは自分がアウトプットする側だから、コントロールできるんです。もちろん、しっかりとした文章を書こうと思ったらライティングはやっぱり難しいけど、難しい表現を回避しようと思えば、知っているボキャブラリーや言い回しなどを駆使して、簡単な言葉で文章を作り上げることができちゃうからね。

それと比べてリスニングとリーディングは、相手の言葉や表現で思いを読み取らないといけないし、自分がコントロールできる範囲外のことだから、事前に自分がどれだけ準備できているかに、大きく繋がってくるんだと思う。

――プログラマーは、どのくらいの英語力があると良いですか?

TOEIC700点とかで海外でなんとかやっている人たちもいるけど、みんな苦労してる。実際に挫折して帰ってくる人もいるし……。英語しゃべれるからって海外に住める訳じゃないって当たり前のことに最近気づきました。

職位が上がると、書く力、ドキュメントを読みこなす力は当然必要。でもそこまで英語力がなくて何とかやっている人達もいるから、出来るに越したことはないスキルだね。

エンジニアでお給料あげたいとか世界にチャレンジしたいとか、OSS(オープンソースソフトウェア)に貢献したい人とかはとても良いんじゃないかな。OSSに関しては基本的に英語でやり取りされてるから、入っていこうと思ったら必須ですね。

――最後にブライチャー留学を悩んでいる人たちに向けて、一言お願いします。

語学学習は大変です。思った以上に大変です。でもブライチャーに来ることによって、自分が何をするべきかがわかると思う。英語を学ぶにはたくさんの段階があって、自分が何を出来ていて何が出来ていないのかが明確になるのがすごく大きいと思う。

――ブライチャー 4回目の可能性は?

普通にあると思う。でも今はオンラインレッスンっていう選択肢もあるね。うーん、僕、オンラインをやるべきだね。毎週ちょっとでも触れておかないとな……。

ありがとうございました。

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