仮定法その2:「現実的な話」の4パターンを覚えよう!

前回は、仮定法で最もよく使われる4パターンを紹介しました。今回は、仮定法の「現実的な話」と「ファンタジー」の違いを説明。その後、「現実的な話」における、4つの使い方を詳しく解説します。

現実的な話とファンタジーの違い

まず、仮定法には現実的な話とファンタジーがあります。違いを見てみます。

現実的な話:

  1. 現実に起きること、あるいは起きる可能性があること。自然現象、取り決め、指示、計画、契約など。
  2. 過去の習慣
  3. 近い未来の行動が、異なった未来を生む場合

ファンタジー:

  1. 現実に起きる可能性がない願望や夢など
  2. すでに過去の起きたことで、今さら変えようがないこと
  3. 今の状況を知っていたなら、過去の行動を変えたであろう場合
  4. 未来の状況がわかるとしたら、過去や現在の行動を変えるであろう場合

表にすると、このような感じです。

こうして日本語で考えてみると、普通に言い分けていますよね。では現実的な話を見ていきましょう。

1. 100パーセント実現する if

「この条件が成立した場合には、100%こうなる」場合にIf 文を使います。「水を氷点下まで冷やすと氷になる」のような自然現象や、「5時までに電話がなかったら、すぐに連絡してください」といった指示などが、これに当てはまります。

この場合には、条件も結果(主節)も現在形を使います

条件=現在形
結果=現在形

早速いくつか例文を見てみましょう。まずは現象からです。

If you freeze water, it becomes ice.
水を凍らせれば氷になる。

If I eat peanuts, I get an allergic reaction.
ピーナッツを食べると、アレルギー反応が出ます。

ちなみにこれらは100%の確率で起きる現象なので、 if をwhenに置き換えても、特に問題ありません。

When you freeze water, it becomes ice.

When I eat peanuts, I get an allergic reaction.

指示や取り決め、習慣も現在形で表現

指示や計画、提案、あるいは取り決めなども、条件、結果ともに現在形で表現します。プログラミングのif文のように、条件が満たされると、100%実行される想定だからです。

いくつか例文を見てみましょう。

If you lose me, please wait for me at the gate.
私を見失ったときは、ゲートで待っていてください。

「100%なんてあり得ない!必ずしもゲートで会えるとは限らないじゃないか!」と思う人もいるかも知れません。確かに、ゲートでうまく落ち合える保証はありません。しかし、迷子になった場合の指示で、「もしお母さんを見失ったら、ゲートで待っているのよ。必ずしも会えるとは限らないけどね」などとは言いません。断定的に「ゲートで待っているのよ。必ず会えるから。知らない人についていっちゃダメよ」などと伝えるはずです。それと同じことです。必ず会えるかどうかが問題なのではなく、この言葉が交わされた時の、意図の問題です。

If John calls, tell him to call me back tonight.
もし、ジョンから電話があったら、今夜電話してくれと伝えてください。

無論、必ず伝えてくれるとは限りませんが、このような指示は原則として現在形です。

If it rains today, let’s watch movies on Netflix.
もし今日雨が降ったら、Netflixで映画を見よう。

こちらもまた、必ずNetflixを見るとは限りませんが、これもこの時の意図の問題です。

このほか、習慣は、条件も結果も現在形です。基本的に変更なく実行されるからです。プログラミングの if 文と同じです。

A: What do you do if it rains?
A:雨が降ったらどうするの?

B: I stay at home.
B: 家で過ごします。

If it is sunny, I walk to school.
晴れていれば、歩いて学校に行きます。

これらのケースもまた、when を使うことが多いです。

A: What do you do when it rains?

B: When it is sunny, I walk to school.

こちらは本物の契約書からの抜粋です。マニュアルなども同じです。条件と結果の両方とも現在形で書きます。

If the LESSEE violates any provision in this contract, the LESSOR shall have the right to pre-terminate this contract before its expiration date.
賃借人が本契約のいずれかの条項に違反した場合、賃貸人は本契約を期限前に解除することができるものとする。

まずここまでを一度まとめます。

2. 確実な未来を言い表す if

次は、「もし明日雨が降ったら、車で会社に行くだろう」とか、「春になったら、菜の花が咲くだろう」のような、確実性の高い未来を言い表すケースです。条件は現在形で、結果が未来形になります。

条件=現在形
結果=未来形

なお、未来形はwillで表現することが多いですが、be going toも使います。

いくつか例を見てみましょう。

If you keep eating fatty food, you will gain weight!
脂っこいものを食べ続けていると、体重が増えるよ!

What are you going to do if you miss the plane?
もし飛行機に乗り遅れたら、どうするの?

If it rains tomorrow, I will drive to work.
もし明日雨だったら、車で出勤します。

If Mary passes her entrance exam, we are going to throw a big party.
メアリーが入学試験に合格したら、盛大なパーティーを開こう。

なお、will の代わりに別の助動詞を使って、結果が起きる確率を表現することもあります。

If you drop that glass, it might break.
そのグラスを落とすと、割れるかもしれませんよ。

I may finish the report if I have time.
もし時間があれば、そのレポートを仕上げるかもしれない。

前回の記事でも紹介しましたが、頻繁に使うので、ぜひ慣れてください。

3. 過去の習慣を言い表す if

過去の習慣を言い表すときにIfを使うこともあります。条件、結果共に過去形で表現します

条件=過去形
結果=過去形

例文を見てみましょう。

If I went to a friend’s house for dinner, I usually took a bottle of wine or some flowers. I don’t do that anymore.

友人の家でご馳走になる場合には、ワインや花を持っていくのが普通でした。今はもうそんなことをしなくなってしまいました。

If I had a day off from work, I often went to the beach. I can never get time off now.
仕事が休みの日には、よく海に行いったものです。今では、休みが取れやしません。

なお、「必ずこうしていた」という場合には、if ではなくwhen を使った方が適切です。

A: When it rained, what did you usually do?
A: 雨が降ったとき、いつも何をしていましたか?

B: I usually stayed at home.
B:家にいることが多かったです。

また、「雨が降ると必ず、家で読書をしていた」などのように、「毎回こうしていた」と強調したい場合には、whenever を使うとその感じが出せます。

Whenever it rained, I stayed at home and read a book.
雨が降ると、家で本を読んでいました。

まとめです。

4. 未来の条件が、未来の結果を生むとき

もう一つのパターンは、未来の行動の結果が、別の未来をアクションを引き起こす場合です。図で表すと、このようなイメージです。

if 文で示す「ある未来」の条件が満たされれば未来Aが起き、満たさなれば未来Bが実現します。例えば、「もしもロスまで運転するのなら、僕も運転を手伝うよ」。友人が運転するのなら、運転を交代しながら、ロスまで移動する未来が拓けます。しかし、友人がロスまで運転しないのなら、飛行機で移動するか、移動そのものを取りやめる可能性もあります。
この場合には、条件、結果共に未来形で表しますが、結果の方は、can やshouldなどの助動詞がよく使われます。

条件=未来形
結果=未来形(ただし will だけでなく、can, should などもしばしば使う)

なおこの形は、会話・文章とも、あまり使われないので、そんなに必死になって覚える必要はありません。まあこんな言い方もあるんだな、くらいで大丈夫です。いくつか例文を見てみましょう。

If aspirin will ease my headache, I will take a couple tonight.
アスピリンが頭痛を和らげてくれるなら、今夜は2、3錠飲んでみよう。

If you are going to drive to LA, then I will drive with you.
LAまで車で行くのであれば、私も一緒にドライブします。

If you won’t arrive before six, I cannot meet you.
6時までに到着しないのであれば、お会いすることはできません。

Can は現在形じゃないか!という人もいるかと思いますが、そもそもwillだって助動詞です。英語には未来形がないと主張するネイティブや学者もいるくらいです。あまり難しく考えず、この「会う」という出来事はまだ起きていない、未来の出来事だというくらいに捉えてください。もちろん、”I will not be able to meet you.” と will を使っても問題ありません。

If we are going to lose anyway, why should we even bother to play?
どうせ負けるのなら、わざわざプレーする必要はないのでは?

こちらも同様です。Should は現在形だと思うかもしれませんが、まだ試合は行われていません。

それから、if 文に will を使うことで、丁寧になる効果もあります。むしろこちらの使い方の方が、頻繁に耳にするかも知れません。

I think I will warm some water for tea if you will excuse me.
お茶のためにお湯を沸かそうと思うのですが、よろしいでしょうか?

この “if you will excuse me” は決まり文句で非常に頻繁に使われますので、レパートリーに加えておきましょう。

現在形、未来形のパターンと何が違うのか?

多分この辺りで、この「 if will, then will」のパターンと,「 if 現在形、then will 」のパターンは何が違うのだろう?という疑問が湧いてきたと思うのですね。

ここは非常に言語化しにくいのですが、強いていうならば、話者の主観や捉え方によって、ニュアンスが変わってきます。例えば

If it will rain tomorrow, I will watch Netflix at home.
明日、雨が降ったら、家でNetflixを見ます。

という文章は、文法的には正しいですが、ほとんど耳にしませんし、何か不自然な感じがします。なんというか、ドラマチックすぎるのです。

If it shall rain tomorrow, I will watch Netflix at home.

上のように言ってもまったく同じ意味ですが、なんかこれもドラマがかっていて、奇妙な印象ですし、日常で遭遇することもありません。この場合は、やっぱり

If it rains tomorrow, I will watch Netflx at home.

が一番自然です。

では何がおかしいのかというと、一つは確率の違いです。

例えば、「天気予報によると、雨が降るとは限らないが、もしも雨だったら、ネットフリックスを見て時間を潰そう」というニュアンスならば、

If it rains tomorrow, I will watch Netflix at home.

が適切です。しかし、「明日はおそらく十中八九雨だから、それならばネットフリックスを見て時間を潰そう」感じで言いたいのなら、

If it is going to rain tomorrow, then I will watch Netflix at home.
明日雨ならば、家でNetflixを見ることにします。

のように両方を未来形で表現する方がむしろ適切です。

もうひとつの例を見てみましょう。

If you are going to drive to LA tomorrow, I will go with you.
明日、車でLAに行くのであれば、私も一緒に行きます。

これを次のように言うと、これはこれで妙な感じがします。

If you drive to LA tomorrow, I will go with you.

何に起因するのでしょうか?

実は、コンテキストによるのですね。例えばもしも友達にドライブすることをお願いするのであれば、IF文が現在形はアリです。例えば、

If you drive to LA tomorrow, I will pay for the gas.
明日、LAに車で行ってくれたら、僕がガソリン代を払うよ。

なんて感じなら、IF文を未来形にするよりも、こちらのほうがむしろ自然です。

練習しよう!

では最後に、練習してみます。

次の日本語は、どのように表現できるでしょうか?
直訳したり、翻訳ソフトに使ったりせずに、「自分ならこういう場合には、どんなふうに言うだろうか?」と考えてみてください。

1. 100パーセント実現する if

1. 自分に合わないと思ったら、やらなければいいさ。

2. 創造的な仕事をして欲しいなら、彼らを充分に遊ばせた方がいい。

3. 朝8時のバスに乗り遅れると、仕事に遅刻してしまいます。

2. 確実な未来を言い表す if

4. この映画で役をもらえば、僕は有名になれるだろう。

5. やってみなければ、自分の本当の実力を知ることはできません。

6. 電車で行けば、もっと安くいけるよ。

3. 過去の習慣を言い表す if

7.
A:雨が降ったときは、普段何をしていたんですが?
B:家にいることが多いです。

8. ジェリーは気が向くと宿題を手伝ってくれました。

9. 彼はお金があれば飲みに行き、一晩中帰ってこないのが普通だった。

4. 未来の条件が、未来の結果を生むとき

10. 協力してくれないと、僕らの計画が台無しになってしまいます。

11. 本当に使うのなら、持っていていいよ。

12. 失礼して、会議の準備をさせていただきます。

解答

では解答です。一つの解答例と考えて、参考にしてください。絶対の正解というわけでもなく、他にも言い方が色々とあり得ます。なので、これに囚われないようにしてください。

1. 自分に合わないと思ったら、やらなければいいさ。
If it doesn’t feel right to you, then don’t do it.

この手の格言の類い は、条件も結果も現在形で書くことが多いです。次の問題も同様の問題です。

2. 創造的な仕事がしてほしいなら、彼らを充分に遊ばせた方がいい。
If you want creative work done, give them enough time to play.

直訳すると”If you want them to work creatively, you better let them play enough.” という感じです。これでもまあ通じますが、いかにも直訳なので、不要な単語を思い切って削り、命令文にしてみました。英作文では日本語を英訳するのはなく、最初から英語で、なるべく端的に表現することにチャレンジしてみてください。

3. 朝8時のバスに乗り遅れると、仕事に遅刻してしまいます。
If I miss the 8 AM bus, I am late for work.

これはまあそのまんまですね。”If I miss the 8AM bus, I will be late to work.” でも別におかしくありませんが、 このバスに乗り遅れると100%遅刻するのであれば、結果も現在形にした方が端的に伝わります。

4. この映画で役をもらえば、僕は有名になれるだろう。
If I get a role in this film, I will be famous.

例えば有名な監督がプロデュースする映画に出演できたとします。100%とは限りませんが、かなりの高確率で有名になれるとします。そんな場合には、こんなふうにwill で表現するのが適切です。

5. やってみなければ、自分の本当の実力を知ることはできません。
If you never try, you will never know what you are really capable of.

人生訓の類いですが、こんなふうに結果を未来形で言うこともあります。「挑戦しても自分の本当の実力はわからないかも知れないが、挑戦しない限り、絶対に知り得ることはない…」という感じですね。

6. 電車で行けば、もっと安くいけるよ。
If they go by train, it will be cheaper.

電車で行った方が絶対に安いのであれば、“It is cheaper if they go by train.”でも一向に構いません。また実際のところ、どちらの言い方でも、大差ありません。両方とも普通によく耳にします。

7.
A:雨が降ったときは、普段何をしていたんですが?
B:家にいることが多かったです。

A: What did you usually do when it rained?
B: I usually stayed at home.

これは過去の体験です。例えば以前どこか外国の街に住んでいた人に、そこでの暮らしぶりを聞いているとします。そんな場合には、質問者のIF文も、回答者の結論も、両方とも過去形になります。

なお、when とif のどちらを使うかですが、100パーセントしていたことを言うときは、when を使います。逆に、たまにしていた程度ならば、ifの方が適切です。例えば、
“I usually waited for my husband at the train station. But if he had some errand, I went home by myself and prepared supper for the night.” 「私はいつも駅で夫を待っていました。でも、夫に用事がある場合には、一人で家に帰り、その日の夕食の準備をしました」などです。

8. ジェリーは気が向くと宿題を手伝ってくれました。
Jerry helped me with my homework if he felt like it.

これはまさしく、「もしもジェリーの気が向いたら」という状況です。この場合、Ifの方が適しています。

9. 彼はお金があれば、飲みに行って一晩中帰ってこないのが普通だった。
If he had money at all, he usually went out on drinking and did not come back all night.

「たまにお金があると飲みに行ってしまい…」でと言いたいのなら、When よりもifの方がやや向いています。ただし、「お金があるといつも必ず飲みに行ってしまった」というニュアンスであれば、wheneverを使ってこのようにした方が感じが出ます。

Whenever he had any money at all, he usually went out on drinking and did not come back all night.

また、 “went out on drinking” の部分は “Went out drinking” でも構いません。ただ口語だと、went out on…. という言い方を頻繁にします。なお、学校英語ではat all はnot とセットで否定文で使うと習いますが、疑問文でも肯定文でも、あるいはこのようなif文でも普通に使います。

If文で使う場合には、「仮にそういうことがあったなら…」みたいなニュアンスで使われることが多く、一種の強調です。この場合だと、「ほんの少しでもお金があれば、飲みに行ってしまった」というニュアンスになります。

10. 協力してくれないと、僕らの計画が台無しになってしまいます。
If you are not going to help us, all our plans will be ruined.

これは条件も結果も未来形の、典型的な使い方です。「何日までに部品が着かないと、出荷日が遅れてしまう」などの場合にも割とよく使います。

11. 本当に使うのなら、持っていていいよ。
If you are really going to use it, then you can have it.

この言い方、すごくよくします。結論の部分が未来形でないと感じるかも知れませんが、会話の時点ではまだその欲しいものを手にしていないわけですから、現在の出来事というわけでもありません。「本当に必要なら」「本当に使うのなら」などは “if you are really going to need(use) it…” のように未来形にすることが多々あります。決まり文句だっと思って、覚えてしまってもいいくらいです。

12. 失礼して、会議の準備をさせていただきます。
If you will excuse me, I will ready myself for the meeting.

これは未来形にして丁寧にへりくだる場合の使い方です。 “If you could excuse me” とか “If you would allow me” などと言ったりもしますが、その仲間だと思ってください。

生きた英語にたくさん触れよう!

今回は仮定法の現実的な話をするパターンを紹介しました。

ただ、この記事を読んだり、ちょっと問題集を回すくらいでは、実際の会話のシーンで、仮定法を淀みなく使えるようにはなりません。実際の会話では、「if の後にwould + 現在完了が来たから、これは過去のたらればの話だな」などと考えていると、あっという間に取り残されてしまうからです。

聴いた英語がそれがそのまま即座に理解できるようになるには、まず大量の英語を読んだり聴いたりして、これらの文型に何度も遭遇し、文型や語感の違いを感覚的に捉えていく必要があります。また、この際に触れる英語は教科書や問題集の例文ではなく、podcastやYouTube ビデオや洋書など、あくまでネイティブ向けに作られたコンテンツを意識してください。これ、本当に重要です。

「問題集の反復」と「多読多聴」、実際の会話に役立つのはどっち ?

騙されたと思って、ぜひ地道に大量の英文に触れ続けてください。

Brightureでできること

Brightureでは特に「文法のクラス」というのは用意していません。次の3つの授業で文法の理解を深めていきます。

Everyday Speech

英文法やイディオムの学習を目的とした初心者〜中級者向けの授業です。

レッスン内容:Everyday Speech

Reading and Writing

Reading and Writingは、ブライチャーで英語力の基礎固めと位置付けられる重要なマンツーマン形式の授業です。課題図書をこなすことで自然な英文に大量に触れ、英作文をすることで文法のミスや不自然な言い回しを減らしていきます。

レッスン内容:Reading and Writing

Daily Conversation

日常会話でよく使う言い回しを学ぶクラスです。こうした初歩的な言い回しも丁寧に指摘してくれます。

レッスン内容:Daily Conversation

Tags:
Brighture
info+1@brighture.jp