完了不定詞(to have+過去分詞)を会話の中で使おう!

みなさん、「完了不定詞」を覚えていますか? 大学受験の時にやった記憶がうっすらとある人、たくさんいるのではないかと思います。

完了不定詞は、不定詞と完了形が合体したもので、学校だとこういう文型を覚えさせられます。

to have+過去分詞

そして例文として、

She seems to have caught a bad cold.
彼女はひどい風邪をひいてしまったようだ。

I wanted to have finished my homework.
僕は宿題を終わらせていたかった。

なんていうのを習います。

でもこれ、いざ実践となると、相当上級者の方でも会話でほとんど使えません。TOEIC900点とか英検1級の持ち主ですら、会話の中でサラリと使える人は皆無と言ってもいいくらいです。

そこで今日は文法ルールではなく、いったいどんなときにこの文型を使うかを解説します。

まずは現在完了を理解する

完了不定詞を使う上でまず絶対に欠かせないこと、それは、現在完了形を普通に使えるようになることです。日本語に存在しないためやや難しく感じますが、現在完了で言い表せるのは、「今と繋がりのある過去の出来事」です。

こちらは現在完了形を解説した記事です。是非お読みください。

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学校で「現在完了形の継続・経験・完了・結果を表す」と説明され、その辺りから英語がわからなくなってしまった人も多いのではないのでしょうか? この記事では、現在完了形の具体的な使い方を詳しく説明します。

実際の使い方

友達ジョンに久しぶりに会ってみたら、なんかとても具合悪そうで、「あれ、もしかしてジョン、しばらく前から結構具合が悪い状態が続いてるんじゃないかな?」なんて思ったとします。

つまり、ジョンはあなたに会う以前からすでに具合が悪く、今なおその状態が続いたまま再会の日に至ったわけです。図にするとこんな感じです。

こんな時に便利なのが完了不定詞です。

John seems to have been really sick.
ジョンはしばらく前から具合が悪そうに見えた。

そして実際会って、「なんか具合悪そうだけどどうしたの?」と尋ねると

I have been really sick lately.
しばらく前から具合が悪くてさ。

なんて感じで現在完了形で答えが返ってきて、“John has been sick for a while.”(「ジョンはしばらく前から具合が悪かった」)ということが事実として確定します。

ほかにいくつかシナリオを考えてみましょう。

例えば、ゲームをしている時にお母さんに「あんた宿題やったの?」と訊かれて、本当はやってないんだけど、やったフリをして乗り切ったとします。

こんな場合には

I pretended to have done my homework.
僕は宿題が終わらせてあるフリをした。

なんていうふうにいうことができます。

そして尋ねたお母さんの方は、

He seemed to have done his homework.
彼は宿題をやったようだ。

と思うわけです。つまり、こんな感じです。

でももしかしたら、お母さん、「なんか嘘くさいな」と思って、

He seemed not to have done his homework.
彼は宿題をやってないように思える

とお父さんに言いつけるかも知れません。

それでお父さんに呼び出されて言い訳する段になり

I hoped to have finished my homework, but I could not. Because it was too difficult. 僕は宿題を終わらせたいと願っていたが、できなかった。なぜなら、難しすぎたからだ。

とかなんとか口から出まかせを言って誤魔化すというわけです。ここでも完了不定形が使えます。

よくあるパターンをご紹介

ちなみにこの完了不定詞、上の例文に使った、seem. hope, pretend の他に、claim, love, like, hate, expect, prefer などの動詞とよく使われます。別にこれ以外の動詞で使っても構いませんが、この9つの動詞がセットで使われるパターンが非多いので、例文を一つずつくらい挙げておきます。暗記しておいてもいいでしょう。

Claim 〜主張する

Claim ってクレームっていう日本語になってしまっていますが、「要求する」「言い張る」なんて感じで使われます。別にネガティブな単語でもなく、例えばこんな感じにも使われる単語です。

He filed a claim for damages to his car.
彼は車の損害賠償を請求をした。

完了不定詞だと、こんな感じに使うことがあります。

She claims to have met a number of famous people, but I find it hard to believe.
彼女は何人もの有名人に会ったと主張していますが、ちょっと信じられません。

He claimed to have never seen or met the killer, but they were actually very close friends.
彼は殺人犯を見たことも会ったこともないと主張していたが、実際にはとても親しい友人だった。

Love 〜好む、好ましく思う

Love っていうとなんとなく男女間の愛情のように思いがちですが、例えば食べ物の大好物とか、お気に入りの服とか、打ち込んでいる趣味や仕事なんかにも普通に使う単語です。

I would love to have kept the job.
僕はこの仕事を続けて行きたいと思っていました。

Another thing I’d love to have been, is a dancer.
もう一つ、私がなりたかったのは、ダンサーです。

Like 〜したい

Likeもいろいろな意味合いで使われる単語ですが、「〜だと好ましい」「〜したいと思っている」的なニュアンスでよく使われます。

We like to have the project completed by March.
3月までに完成させたいと思っています。

I’d like to have met him.
彼に会ってみたかったです。

Hate 〜残念に思う、いやだと思う

Hate は「嫌悪する」なんていう意味でもよく使いますが、「残念だなあ、嫌だなあ」みたいなニュアンスでもよく使われる単語です。

I hate not to have my project completed before the end of the month.
自分のプロジェクトが今月中に終わらないのが嫌なんです。

Poor David! I would hate to have been in his shoes.
デビッド可哀想だなあ!彼の立場だったら嫌だよなあ。

Expect 〜予期する

Expectは「当然のこととして期待する」みたいな意味合いの単語です。なので、「こうなるはずだったのに…….」なんて言いたいときに使い勝手のいい単語です。

I expected to have graduated from college by now, but I still have a year more to go.
そろそろ大学を卒業しているはずだったのですが、まだあと1年も残っています。

I expected everyone to have felt the earthquake last night, but apparently I was the only one who has felt it. 昨夜の地震は誰もが感じたと思っていましたが、どうやら感じたのは私だけだったようです。

Prefer 〜ほうを好む

preferというのは例えば2つの選択肢があったときに「こっちがいい」ということです。”I prefer the orange over the other orenge.” みたいな感じで使います。完了形の不定詞の文章だったら、こんな感じになります。

I would prefer to have stayed at a small, family-run hotel than a big fancy hotel.
大きくて素敵なホテルよりも、家族経営のこじんまりとしたホテルに泊まった方が良かったです。

I would prefer to have traveled by train.
電車で移動した方が良かったです。

なお、この完了不定詞、使用頻度が高い上に、まだまだ書きたいことがたくさんありますので、ごく近い将来に続編を書く予定です。

この手の解説の活かし方

さて、この手の文法解説の類いを英語学習に活かすには、普段からたくさんの英語に触れている必要があります。そうすると、「あれ、これと同じようなフレーズ、ついこの間聴いた/読んだな」なんて具合に引っかかってきます。そしたら今度はそれをメモっておいて、真似をして自分も使ってみればいいのです。

ところが、ほとんどの英語学習者のみなん、とにかく生の英文に触れる機会があまりに少なすぎるのです。なので、実際のところ、どんな場面でどんなふうに使うのか、いつになってもピンとこないままです。

普段から大量の生の英語に触れること。これは語学の上達に絶対に欠かせない条件です。そして、耳に馴染んできたらすぐさま何度も使って、すぐに定着させます。

また使うと言っても、別に喋るときだけではなく、書くのもすごく効果があります。書くという行為は好きなだけ時間をかけられますから、辞書や文法書を紐解きながら、よく考えて文章を練ることができる利点があります。また、いきなり喋るには難しすぎる話題にもチャレンジできます。

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博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。