【英文法解説】過去形は「スナップショット」です

前回、前々回に記事では、現在形現在進行形についてお話しました。この記事では、「過去形」をどんな時に使うのか解説します。

過去形を使うのは、主に次の4つの場合です。

1. すでに完結した過去の話
2. 出来事がいくつも続いたとき
3. しばらく継続した過去の出来事
4. 過去の習慣
5. 現在と過去の対比

それでは順番に解説しましょう。

1.すでに完結した過去の話

過去形が最も頻繁に使われるのは、完結した「過去の出来事」を表現する場合です。違った言い方をすると、今と関係のない、すでに終わった出来事を表すときです。昔撮ったスナップショットのようなもの、と言ってもいいかもしれません。

“I saw the movie.” などのように、いつの出来事なのか明示しない場合も多々あります。そんな場合にはいつだったのかはあまり関係なのです。

I saw a movie yesterday.
昨晩映画を見た。

I didn’t see the ball game last night.
昨晩、野球の試合を見なかった。

Last year, I traveled to Japan.
昨年、日本日本に旅行した。

Did you have breakfast?
朝ごはん食べた?

I saw the movie.
その映画見た!

日本人学習者が割と戸惑うのが、過去形と現在完了形の違いです。これは、会話をしている「今」と繋がりがあれば完了形で表現しますし、そうでなければ過去形で話します。なお「朝ごはん食べた?」は “Have you eaten your breakfast?” のように現在完了形で聞くこともしばしばありますが、これはつまり「まだ食べてないなら一緒に食べよう」みたいな感じで、現在に関連づけたければ完了形になり、単にもう食べ終わったのか聞きたいなら過去形を使う感じです。いずれにせよ、別段大きな誤解を招くことはありませんので、それほど神経質になる必要はまったくありません。

例えば “I lost my keys.”と言うと「鍵を無くした」という事実だけが明確に伝わります。今はもう手元に戻ったのかもしれませんし、なくなったままかもしれません。これだけ聞いても判断できないわけです。

ところが “I’ve lost my keys” というと、「過去に鍵を無くししまい、今も鍵がなくなった状態が続いている」あるいは「その結果今も鍵を探してウロウロしている」など、現在との繋がりを匂わせることができます。例えば、

I lost my keys last night, so I went back to the office around 8:00 pm. I looked everywhere but the keys were nowhere to be found. As I was leaving the office, I’ve realized that I might have left it at the gym, so I rushed there. Sure enough, my keys were there. I was so relieved.

「昨晩鍵をなくちゃったんだよ。だから8時ごろにオフィスに戻ってきたんだ。あちこち探したんだけどどうしても見つからなくってさ。でも、オフィスを出るときにふと、ジムに忘れたかもしれない、と思いついて、慌ててジムに行ったんだよ。そしたらやっぱりジムにあったんだよ。ホッとしたよ」

赤字のところが過去形で、青字が完了形です。「忘れたかもしれないと思って」という次に繋がるところが完了形になっており、あとは過去形で言い表しています。この「次に繋がりがあるかどうか」が、過去形と現在完了形の一番大きな違いです。

過去形というのは「今日は何したの?」「宿題をした」「車を洗った」「映画を観た」「映画を見に行けなかった」などのような、「完結した過去の出来事」言い表すときに使われる表現だと考えてください。

2. 出来事がいくつも続いたとき

過去形を続けて使うことで「ヤレヤレ」な感じをだしたり、エキサイトしている感じを出したり、「忙しかった感」することもできます。「今日朝電車が激混みでさ、そしたら人身事故があって30分も電車が動かなくって、やっと駅に着いたと思ったら切符が見つからなくてさ。もう散々だったよ〜〜」みたいな感じです。

I finished work, walked to the beach, and found a nice place to swim.
僕は仕事を終わらせ、ビーチに歩いていき、泳ぐのに手頃な場所を見つけた。

He arrived at the airport at 8:00, checked into the hotel by 9:00, and met the others at 10:00. 彼は8時に空港に到着し、9時にホテルにチェックインし、10時には他の連中に会った。

We hiked for 2 hours, got to the top, took some pictures and came down.
僕らは2時間ハイキングし、山頂にたどり着き、何枚か写真を撮り、そして下山した。

日本語でもこんなふうに、過去の連続した出来事を並べて、連続感や、ヤレヤレ感を強調することがありますよね。それと同じような感覚です。

3. しばらく継続した過去のイベント

過去形を使うことで、過去の出来事が継続した「期間」をいい表すこともできます。こういった場合には、” for two years” , “for five minutes”, “all day”, “all year” となどのようにイベントの長さを示す表現が必ずついてきます。何をしたかよりも How long? が強調したい場合の表現と言ってもいいでしょう。

I lived in Brazil for two years.
ブラジルに2年間住んでいた。

Susan studied Japanese for five years.
スーザンは2年間日本語を勉強した。

They sat at the beach all day.
彼らは一日中ビーチに座っていた。

なお、同じような状況を言い表すのに過去完了形を使うことも多々あります。ですが、

1)出来事が継続した「長さ」を表現したい場合
2)出来事を切り取って表現したい場合

の場合には、過去形を使った方が自然です。

たとえば、“They sat at the beach all day. (彼らは一日中ビーチに座っていた。 )という表現には、まるで静止画のような「切り取った」感じがあります。“They were sitting at the beach all day.”はもっと継続性を感じさせますし、“They have sat at the beach all day.” だと、一日中ビーチに座り続けたことに、もっと目的や意思や今への繫がりを感じます。この辺りはまた完了形についてお話しする際に、詳しく解説しましょう。

4. 過去の習慣

現在形は、現在の習慣を表現するときに使うと別の記事でお話しましたが、過去形もまた、過去の習慣を言い表します。「過去の習慣」には、“used to” という表現も非常に頻繁に使われます。そして、 always, often, usually, never, when I was a child, when I was younger などといった、頻度や時期を示す言葉が足され、過去の習慣であったことが明示されることが多いのです。

I used to play baseball.
僕は野球をやってたことがあるんだ。

I studied French when I was a child.
僕は子供の頃、フランス語を勉強していた。

Did you play a musical instrument when you were a kid?
子供の頃、何か楽器をやっていた?

She worked for Panasonic till 2009.
彼女は2009年までパナソニックで働いていた。

5. 現在と過去の対比

また現在と過去を対比させて、「あいつも変わったよなあ〜」なんて言いたいときや、過去の事実を強調したいときにも、過去形はよく使われます。「あの子は子供の頃はひ弱ですぐメソメソする子だったのに、今じゃハキハキしてて快活でまるで別人だよ」なんて感じです。上の例と同様、ここでもまた “used to” がよく使われます。

She was shy as a child, but now she is very outgoing.
彼女は子供の頃はシャイだったけど、今では社交的だよ。

He didn’t like tomatoes before.
彼は昔はトマトがすきじゃなかった。

I used to smoke but I no longer do.
以前はタバコを吸ってたけど、もうやめたんだ。

この辺りの感覚は、あまり日本語の過去形と変わらないように思いますので、特に違和感はないのではないかと思います。

まとめ

過去形というのは冒頭で書いた通り、今と関係のない、すでに完結した出来事を表す表現です。今との繫がりや、継続性を表現したい場合には、また別の表現が使われます。ではまとめです。

– もう完結した、「過去の出来事」を表現する(I saw a movie yesterday.)

– 出来事がいくつも続いたときに、イライラ感や連続性や忙しい感じなどを表現するのに連続して使う。(I finished work, walked to the beach, and found a nice place to swim.)

– 過去の出来事の「長さ」を表現したいとき。(I studied English for 2 years.)

– 過去の習慣(I studied French when I was a child.)

– 現在と過去の対比(She was shy as a child, but now she is very outgoing.)

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博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。