05 10月 フィリピン留学で発音矯正することは本当に可能なのか?
「フィリピン英語は訛っていませんか?」
「フィリピンに留学すると、現地の訛りが移りませんか?」
「フィリピン留学で、本当に英語の発音を向上させられるんでしょうか?」
こんな質問をよくいただきます。
結論から言うと、
1)フィリピン人の英語は確かに訛っています。
2)しかし、現地の訛りが移ることはありません。
3)フィリピン留学で発音を向上させることは可能です。
この記事ではこの3点について順に説明しましょう。
フィリピン英語は訛っているか?
フィリピン人の英語はかなり訛っています。これは疑う余地もありません。その辺の売店の売り子さんも、タクシーの運転手さんも、みな基本的に訛っています。またフィリピンの公用語はタガログ語で、必ずしもすべての人が英語を話すわけではありません。
しかし、大半の人はかなり流暢な英語を話します。これは、小学校から国語、歴史以外の授業をすべて英語で行なっているからです。また英語ができるとコールセンターなどといった給与の高い仕事につけるため、英語学習に対する意欲も非常に高いのです。
ただ、そのレベルは出身地や通った学校のレベルによってかなり左右されます。裕福な家庭で育ち、小さい頃から都会の私立学校に通ったフィリピン人は、電話口ではアメリカ人と区別がつかないほど流暢な英語を話しますが、地方の公立学校に通った人などはかなり訛っています。また、なんと30%もの児童が貧困が原因で小学校をドロップアウトしてしまうため、ほとんど英語を話すことができません。高校もドロップアウトが50パーセントに及びます。大卒は基本的にどの人も流暢な英語を話しますが、大学進学率はわずか10%に留まっています。
なのでフィリピン留学をする際には、どのような人材を採用している学校に行くかで、留学期間中に触れる英語のレベルは大きく異なってきます。訛りが少なく、文法的にも正しい英語話す講師に授業を受けたいのであれば、厳格な基準を用いて講師を採用する学校を選びましょう。ただ、高いレベルの講師で固めようとすると、それ相応の給与を払わざるを得ません。料金が極端に安い学校というのはどこかで何かを削っています。それが人件費である可能性は、少なくありません。
フィリピン留学すると訛りは移るか?
では次に、フィリピン留学すると訛りが移るかについて考えてみましょう。結論から言うと、訛りは移りません。なぜかと言うと僕たちにはすでにガチガチの日本語訛りがついており、フィリピン訛りが移るどころではないからです。考えても見れば当たり前の話ですが、日本に20年以上住んだ人がもっとも影響されているのは日本語で、これを何かで上書きするのは容易ではありません。私はここ4年ほど頻繁にフィリピンを行き来していますが、フィリピン訛りの英語を喋る日本人にあったことがありません。
また正直いって、一定の教育を受けた人たちの英語は、日本人が訛りを気にするレベルにありません。アメリカやイギリス向けのコールセンターはフィリピンに集中していますが、これは単純にフィリピン人が英語が堪能だからです。
フィリピン訛りの特徴
なお、フィリピン訛りの具体的な特徴は、およそ次の4点にまとめられます。
1)/s/ と/z/が混同している
例)Exciting が「エキサイティング」ではなく、「エキザイティング」と聞こえます。
2)/p/と/f/が混同している
trafficが「トラフィック」ではなく、「トラピック」と聞こえます。
3)/v/と/b/が混同している
Victoryが「ヴィクトリ」ではなく「ビクトリ」に聞こえ、videoが「ヴィデオ」ではなく「ビデオ」に聞こえます。
4)/th/が/d/、あるいは/t/と混同している
There 「デア」のように聞こえ、breathが「ブリーツ」に聞こえます。
また、タガログ語では he と she の区別する人称がないため、英語を話している時にこの二つの人称代名詞を混同させる人がかなりいます。
こちらは訛りを強調した面白いビデオです。フィリピンに滞在したことがある人にとっては「あ〜確かにあるあるw」という感じです。
こちらは町の人々に英語でインタビューしている様子です。みんなかなり流暢な英語を話すことがわかります。一定以上の教育を受けた人は、どの人もこのくらいのレベルでは話します。
フィリピン留学で発音矯正することは本当に可能なのか?
ではフィリピンで英語の発音を学ぶことができるでしょうか? 結論から言えばこれもイエスですが、どの学校を選ぶかに大きく左右されます。カリキュラムがないのも同然の学校も多く、当然のことながら、それらの学校に行くと発音の大きな向上は望めません。また、すぐに “Good Job!”などと褒めてくれる学校も避けましょう。発音矯正というのはとにかく時間がかかるものです。例えば “no”や “go” といった基本的な単語ですら、日本語訛りに引きずられずに正しく発音できる日本人はあまりいません。こういうところまでキチンと指摘してくれるかどうかが肝心なのです。お試しレッスンなどがあれば、受けてみることをオススメします。
また、英語の発音というと/l/や/r/や/th/といった子音の音にばかりこだわる人が多いのですが、英語と日本語での差は大きいのはむしろ母音なのです。また発音のみならず、アクセントやイントネーションも非常に重要です。そしてそれらを総合的に指導できるカリキュラムが存在するかどうかも、大きなポイントです。
なお、こちらの音源はBrightureで採用テストの際に録音した候補者の発音です。両方とも他校で英語の先生を何年もやっていた方たちです。オンラインレッスンを並行して提供している学校でしたら最初にそちらを受けてみて、発音を確認してもよいのではないかと思います、
落選した候補者
合格した候補者
まとめ
さて、まとめです。フィリピンの英語は確かに訛っています。しかし、訛りが移る心配はありません。また、フィリピン留学で発音矯正をしたい方は、次の条件が整っている学校をぜひ探して見てください。
1. 講師の英語のレベルが高いところ
2. 講師の英語が極端に訛っていないところ
3. 発音に特化したカリキュラムが存在するところ
4. お試しレッスン、またはオンライン・レッスンを受けられるところ
Brightureでの取り組み
Brightureでは発音に特にこだわって指導しています。せっかく言葉はポンポン出るのに、発音が悪くて通じずに苦労している方が非常に多いからです。また、独自に発音やシャドーイングの練習を繰り返し、奇妙な自己流の癖をつけてくる方も少なくありません。どんなに難しい単語を知っていても、言葉がポンポン出てきても、通じなければその場で撃沈です。カタカナ英語で大丈夫なんて大ウソですから、信じないようにしてください。
関連記事:フィリピン留学で集中的に「通じる発音」を身につけよう!
現在では PP(Phonics and Pronunciation)というクラスと、SF(Speech Fluency)という2種類のクラスを設けて発音の向上に勤めています。PPの方は単体の音素にフォーカスし、SFの方は実際に会話の中などでも個々の音素の発音を崩さないままに、正しいアクセントやイントネーションを用いて滑らかに練習をします。
(なおこのSFというクラスはまだ出来たばかりなので、現在のカタログなどには反映されていません。ご了承ください。)。
PPとSFの詳細についてはこちらをご覧ください。
カリキュラム紹介:PP(Phonics and Pronunciation)
カリキュラム紹介:SF(Speech Fluency)
こちらはSpeech Fluencyのクラスの様子です。
自分一人ではなかなか身につけにくいのが発音です。ぜひBrightureに留学して発音をガッツリと向上させませんか?