「日本語を介した英語学習」と「英語を英語で覚える」では、どちらの方が有効か?

「英語を英語のまま覚えるにはどうしたらいいですか?」

と聞かれることがよくあります。

TOEIC900点ホルダーでも言葉が滑らかに出ない人がいます。ならばもっと効率の良い学習方法があるのではと考えるのはごく自然でしょう。そこでたどり着くのが、この「英語を英語のまま覚える」です。しかし、「日本語を介して英語学習をした方が早い」と主張する識者も少なくないため、その効果を懐疑的に思う人も多いのではないでしょうか? そこでこの記事では「日本語を交えた学習方法」と「英語を英語のまま学ぶ学習方法」のそれぞれのメリット・デメリット、そして、英語を英語のまま覚えるにはどうすればいいのかを解説します。

「日本語を介在させる方法のメリット・デメリット

最初に日本語を介した学習方法から考えてみます。この学習方法の最大のメリットは、文法のルールを日本語で正確に理解できることです。僕自身もこの恩恵に浴しました。一方最大のデメリットは日本語で考える癖がつき、いつになっても反射的に英語が出るようにならない点です。また、学習教材がどうしても教材然としたものに偏り、生きた英語に触れる機会が減るのもデメリットの一つです。

僕がこの「日本語介在方式」に賛同できないのは、反射的に言葉が出てくるようにならないというデメリットがあまりに大きいからです。中学・高校ででは合計840時間も日本語での英語学習をしますが、日本人は一向に話せるようになりません。840時間といえば、社会人が5ヶ月半ほど働くのと同じ時間数です。また、さらにこの840時間は授業時間のみですから、受験勉強などを入れれば、少なくとも1000〜1500時間は勉強しているはずです。それでもスムーズに話せるようにならない。これがすべてを雄弁に物語っています。

「いや、学校教育の話はしていない。もっと効率的な学習方法があるのだ!」という方もいるでしょう。では学校卒業後にTOEICなどの学習した方はどうかというと、やはり大半が話せるようになりません。彼らの勉強法を見てみると、たいてい定番の(日本語を介在させた)文法書や単語本や問題集を何周もこなしています。しかし、残念ながらTOEICで900点台を叩き出しても、いざとなるとほとんど言葉が出ないのが現実なのです。

ただ、一部にはこの学習方法で流暢に喋れるようになった方も現実に何人も知っているので、この学習方法を全否定するつもりはありません。ただ日本語を介在して覚える場合には、あとで日本語を抜く作業が発生することをぜひ覚えておいてください。そしてこれが、どうしてなかなか厄介なのです。

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注:中学校高校のそれぞれの英語の勉強時間についてはそれぞれこちらから

ただ英語環境に放り込むとどうなるか?

では逆に、「英語を英語で覚える」という学習方法はどうでしょうか? その究極の形が「英語環境に住む」というものです。この方法の最大のメリットは、必要に迫られるため、比較的短期間で簡単なことを喋れるようになる点です。そして最大のデメリットは、なかなか正しい文法に則って話したり書いたりできるようにならない点です。

また、実際に英語環境に住んでも、日々を英語だけで押し通すというのは実は容易ではありません。今時どこに住んでも必ず日本人がいますから、よほど意思が固くない限り、どうしても日本人同士でつるんでしまい、いつまでたっても英語が身につかないのです。にわかには信じがたいかもしれませんが、20年アメリカに住んでいても、話せるようにならない人はなりません。

漫然とワーホリなどに行ってもあまり英語が上達しない原因はここにあります。日本人との付き合いを極限まで減らすこと。また、同時並行で英語学習を進めるだけの強い意思がないと、せっかく語学留学などをしても大きな上達は望めません。

どのようなところ気をつけて勉強するべきか?

ではそれぞれの学習方法のメリット・デメリットを踏まえた上で、どこに気をつけて学習を進めるべきか考えてみましょう。

1)主体性を持って勉強する

英語オンリーにせよ、日本語を交えるにせよ、本人が主体性を持って勉強しないとうまくなりません。どんなに優れた学習方法でも、誰かにやらされているようでは正確に話せるところまでたどり着かないのです。

2)人目を気にしない

英語を上達させるには「実践」が欠かせませんが、そうするとある程度失敗して、恥をかくことは避けられません。そしてこれを避けていると、到底上手くなりません。上手くなってから使おう、と考えるのではなく、英語学習を始めた初期のうちから、とにかくどんどん使い倒しましょう。失敗をすればしただけ、フィードバックを得られるのが英語です。

3)関心のあることから勉強しよう

英語というのはコミュニケーションや情報収集のツールです。しかし、自分が関心のないことはどうしても入ってこないものです。それがドラマであれ、漫画であれ、音楽であれ、英語であればなんでもいい!というくらいの感じで、とにかく自分が関心がある題材を用いて勉強しましょう。結局それが継続に繋がり、英語の獲得に繋がるからです。

4)発音は専門家にみてもらう

正確な発音を独学で身に付けるのは、実はかなり難しいです。英語圏に住んでいても、周囲は徐々に外国人の発音に慣れてしまうため、割と悲惨な発音なまま何年も過ごしている方も少なくありません。英語学習にお金を使うのならば、発音は費用対効果が極めて高い分野です。特に成人してから英語を学習するのであれば、思い切って発音は習ってしまいましょう。

5)大量の英語に触れる

英語ができるようにならない方は、たいてい量がまったく足りていません。勉強にこだわらず、大量の英語に触れましょう。読む、聴くならば場所を選ばずにどこでもできます。教材を回すのもいいですが、それよりも生の英語に大量に触れることを強くお勧めします。

では次に、日本語を介在させて学ぶ場合と、英語を英語で学ぶ場合に分けてそれぞれ気をつける点をあげましょう。

日本語を介在させて学ぶ場合

日本語を介在させて英語を学ぶ最大の弱点は、日本語で考える癖が定着しがちなことです。そしてこれが、反応速度の足を引っ張ります。ある程度喋れるようにまではこの問題がどのくらい深刻なのか自覚することさえできませんが、実際にネイティブとガンガンやりあうような環境に直面して初めて気がつくのです。

ですので、日本語で勉強する場合には、とにかく脳内でいちいち翻訳しないよう気をつけましょう。意識的に日本語を頭から追い出すのです。例文などは英文だけを何度も暗唱し、英語だけが反射的に口をついて出るようになるまで反復練習を繰り返します。

また「主語+have+過去分詞」などといった構文を丸暗記してパズルのように埋める練習をしすぎるためか、冠詞を抜かしたり間違えたりする方が本当に多いです。さらに、可算名詞・不可算名詞も頻繁に間違えます。これは実際にたくさん書いて直してもらうのが早いので、英文添削サービスなどを利用して文法の間違いを減らしていきましょう。

また、実際にスカイプ英会話などで話す訓練をする場合には、2秒以内の返答を心がけ、頭の中で日本語で文章を繰り返す癖を意識的に抜いていきましょう。現実の会話では、5秒も10秒も待ってくれる人など誰もいないのです。

英語を英語で学ぶ場合

英語を英語で学ぶ場合に置いてきぼりになりがちなのは、正確な文法です。これは日本語で書かれた解説本などを読んだ方が早いです。「日本人の英語」「続・日本人の英語」「一億人の英文法」「表現英文法」などといった、優れた本が多数ありますから、ぜひ手元に1冊用意して、わからないところはその都度調べるようにしてみてください。なお、ある程度上級に達したら、このような本は一切必要ありません。文法的に曖昧な部分を英語でググれるようになるからです。英語教育を専門職にしているネイティブたちの議論や解説をふんだんに読めるようになるからです。僕はこの方法を推奨します。実にためになります。

また、発音はバッチリだと思っても、実は自分が上手くなったのではなく、周囲が自分の発音に慣れただけのことがよくあります。僕自身もホームスティをしてた頃、ホストファミリーには英語が通じるのに、その他の人には通じない、などということがありました。自覚しにくいので、発音については根拠のない自信を持たず、ネイティブにチェックしてもらうなどしましょう。

ブライチャーでできること

ブライチャーでは後者の「英語は英語で学ぶ」を強く推奨しています。英語はコミュニケーションの道具ですから、反応速度が命です。日本語を介在させた学習方法は、その点あまりに心許ないのです。初心者でも、ネイティブの子供向けに作られた教材を使うなどして、「英語は英語のまま」学ぶことが可能です。また、発音については徹底的に指導しています。結局どんなに文法が正しくても、発音が不味すぎるとそもそも通じないからです。

その一方、文法書は日本語で1冊用意しておくことを推奨しています。やがては必要なくなりますが、最初のうちは非常に役に立つからです。

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博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。