フィリピン留学で目指すべき到達点とやるべきことがはっきり見えたーー海外での起業を目指す白石健人さん

ブライチャーに来る前はTOEICの問題の説明もわからないほどの超ビギナーだったという白石健人さん。大量のリーディングとライティングで実際に使えるボキャブラリーを身につけ、ビギナーだったとは思えないほど、堂々とプレゼンテーションをしていました。

白石健人さん /20代/金融業界/8週間

お仕事について教えてください。

前職ではプライベートバンキング業務に携わっていたのですが、あるときベンチャーキャピタルというビジネスモデルがあることを知って、将来は自分で会社を設立して国内外でビジネスをしたいと思うようになりました。

それで、実際に自分が海外で働けるかを確かめるために、ゴールデンウィークにシンガポールに行ってきたんです。想像どおり、英語の勉強が必要だと実感しました。

最初、日本で仕事をしながら勉強することも考えましたが、それではステップアップするのに時間がかかりすぎると感じて、退職する決意をしました。

もともと海外志向はあったのですか?

ありませんでした。ずっとプロのサッカー選手を目指していたので、大学三回生の頃までは就職も考えていませんでした。英語も勉強してこなかったので、超ビギナーでした。

ブライチャーに来る前にTOEICを受けたんですけれど、問題の説明文がわからなかった。説明は日本語だと思っていたので、何をしなければいけないのかわからなくて、最初から固まってしまいました。

ブライチャーを選んだ理由は?

ブライチャーのことはフィリピンの別の学校に留学していた友人に教えてもらったのですが、すごくいい学校みたいだけれどレベルが高く、初心者には向かないかもしれないと言われました。

少し悩んだけど、まずは「高いレベル」がどの程度かを知らないと、目指すべき到達点がわからないので、ブライチャーに行こうと決めました。

七月に渋谷校に体験レッスンを受けに行ったときも、レッスンの内容は全然わからなかったのですが、勉強のやり方がいいなと思いました。グーグルドキュメントを講師と共有して、それを更新しながら授業をする。ネット環境があれば、後からいつでもどこででもドキュメントを見ることができる。ノートを使ってカリカリやるのかなと思っていたので、どんなふうに勉強するのかイメージが掴めました。

先生の質もめちゃくちゃ高いと思いました。ビギナーの僕でもわかるように簡単な言葉を使って、オーディオが聴き取れないときは、一回一回止めて丁寧に説明してくれた。

レッスンの後は、松井さんからいろいろ勉強方法を教わり、「Who Was シリーズ」を読んでボキャブラリーを増やすといいと薦めてもらいました。すぐに購入して読んでみたのですが、いちいち単語を調べないと意味もニュアンスもわからなくて、全然読めなかった。

だから、まずは簡単な本を読めるようになりたいと思いました。インプットができれば、アウトプットは自分次第だと思うので、インプットの仕方を学びたいなと。

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間違ったニュアンスで伝わってしまったら仕事にならない

セブではどんな勉強をしましたか?

リーディングは「Frog and Toad」という絵本から始めて、「Who Was シリーズ」、「I SURVIVED シリーズ」、今はニュース記事を読んでいます。個人的には「Frog and Toad」が面白かった。

もともと読書が好きなわけではないし、わからない単語が次から次に出てくるので、最初はストレスを感じました。でも今は面白いトピックであればニュースも見るようになったし、慣れてきた実感があります。特に自分が好きなものなら全然苦にはならないです。

また、読むこと以上に、ライティングがボキャブラリーを増やすのに役に立ったと感じています。読んで、エッセイを書くときに自分で調べて、授業で先生からいろいろな書き方を提案してもらって。それを翌日に LSE(Listening and Speaking Enhancement:ライティングのクラスで書いた英作文をベースに、口頭で自分の意見を表明する練習をするクラス)の授業でアウトプットするプロセスは、知識を蓄えるのにすごくよかった。読んだこと、書いたことについて話すので、実際に使えるボキャブラリーがすごく増えたと思います。

リーディングとライティングの宿題以外に取り組んでいたことはありますか?

ボキャブラリーを増やしたかったので、毎日5つずつ新しく覚えた単語を使ってセンテンスを作って、それを添削してもらっていました。

単語帳を使うやり方もありますが、なかなか覚えられないし、使い方がわからない。見たことはあっても、どうやって使うのかわからないから口から出てこない。だから、センテンスを自分で作って覚えるのは大事だと思いました。

添削してもらうとき、よく ”Grammatically correct, but not commonly used” と言われるんですけど、たぶんニュアンスが違うんだろうなと。そういうのって、日本にいるときは全然わからなかった。指摘してもらわないと間違っていることに気づけないんですよね。

最悪、伝わればいいのかもしれないけど、たとえばそれがビジネスで、間違ったニュアンスで伝わってしまったら仕事にならない。日本語に訳すと同じ意味だけど、使う場面が全然違う言葉がある。英語を日本語に訳して覚えてしまうからよくないんでしょうね。

だから、日本語の辞書ではなくて英語の辞書を使うようになりました。どうしてもわからないときは日本語に頼ることもあるけど、基本的には英語で調べるようにしています。例文も読んで、ニュアンスを汲み取って、わからなければ日本語で調べる。めちゃくちゃ手間がかかるので面倒臭いんですけど、できるだけやるようにしています。

他に、日記も添削してもらいました。日記はプチエッセイみたいな感じで、量はノートの見開き1ページ程度。書くのに一時間くらいかかっていたので、忙しい時期は負荷を感じましたが、なんとか最後まで毎日続けることができました。

まだまだリスニングも弱いのですが、原因はボキャブラリーにあると思っています。だいたい聞き取れないのは知らない単語なので。勉強を続けてボキャブラリーを増やせば変わってくるだろうと感じています。

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レベルの高い学校を選んだら周りの人からも多くのことを学べた

プレゼンテーションもほぼ毎週参加していましたね?

プレゼンテーションは、やってよかったです。みんなの前で喋るので、ちょっとでも覚えようと思うし、先生もいろいろ新しい言葉を教えてくれるので、ボキャブラリーも増えた。同じ時期に留学していた他の生徒も毎週やっていたので、良い意味で刺激を受けました。

最初はしんどかったですけど、楽しむようにしていました。今週はきついなというときは、少し短めにしたり、時間的に覚えられなかったときは、スクリプトを見ながらでもいいかなと。準備をする過程や、あそこに立つことが大事だと。そうするとちょっと気持ちも楽になって、続けることができました。

プレゼンテーションを拝見して、正直ビギナーだったとは信じられませんでした。

実は今までの仕事でもプレゼンはやったことがなかったので、英語だけではなく、プレゼンのやり方も学ぼうと思って、他の人のプレゼンを見ていました。スライドの作り方とか、構成とか、どういうときにどういう言葉を使っているかとか。

僕の最初のプレゼンはただ紹介しているだけで、つまらなかったと思います。他の方が、おそらくビギナーだったと思いますが、すごく面白いプレゼンをしていた。なんでかなと思って観察していたら、質問したり、クイズを出したり、うまくオーディエンスを巻き込んでいた。

松井さんのプレゼンも面白かったですし、普段仕事で頻繁にプレゼンをされてる方もいるので、いつもメモをとって、毎回、何か一つ新しいことをやろうと心がけていました。いろいろ工夫したら、先生たちも楽しそうに参加してくれて、自分もより話しやすくなりました。

だからプレゼンのやり方自体も最初の頃と比べたら変わっていると思います。先生も僕が表現したいニュアンスをうまく汲み取って、こういう言葉を使ったらいいとか、いろいろ提案してくれました。

恵まれていたのは、周りにプレゼンが上手い人が多かったこと。自分のレベルに合った学校に行っていたら、もしかしたら学べることは少なかったかもしれないけど、敢えてレベルが高いと感じる学校を選んで来たら、学べる材料が自分の周りにたくさんある。ちょっとしたことでもいろいろ勉強になりました。

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何をどれくらいやらないといけないのかクリアになった

8週間の留学を振り返った感想は?

まだまだという気持ちが強いけど、来て本当によかったです。

留学が終わる頃には思うように喋れるようになっている状態をイメージしていたので、理想と現実のギャップは正直あるんですけど、それを感じられたのはよかった。

ただ、発音やリーディングは間違いなくよくなっているし、ボキャブラリーも増えた。続けていけば伸びていくと信じられるようになりました。

特に、正しい音と間違っている音の違いがわかるようになった。以前は、英語を話してさえいれば、その人は英語がうまいと思っていたけど、そうじゃないんだなと。英語が上手い人と、あまり上手くはない人の違いはすごく感じるようになりました。

こっちにきてから実感したことがあって、たとえば発音にしても、最初から正しいインプットすることはとても大事だと思います。幸い僕はもともと取り入れていたものがなくて、捨てるものがなかったので、すんなり入っていけた。

でも、ベースのところで間違って勉強してしまうと、その間違いを捨てる作業が必要になる。だから目的に合わせて正しい勉強をすることは重要だと感じました。

今後の目標は?

ネイティブと仕事ができるようになりたい。今は旅行者レベルくらいですかね。でも、一人で旅行できるようになった。あと必要なのは時間。

来る前は、目標はあったけど、そこに至る道筋や方法がわからなくて、ずっと同じ場所をぐるぐる回っていた。今は何をどれくらいやらないといけないのかがクリアになって、具体的にイメージできるようになりました。

洋書をたくさん読んで語彙を増やしたり、会話とかライティングの添削とか、オンラインでできることもある。

これをやれば明日から喋れるようになるとか、そんな方法は無い。ここからがスタートで、どれだけ続けられるかが大事だと思っています。

来月から1ヶ月ほどアメリカに行ってきます。アメリカはスタートアップの会社が多いし、将来的にはアメリカで働きたい気持ちもあるので、行ってどんなところなのか見てきます。

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