【英文法解説】be going to とwill って何がどう違うの?

今回は未来形について解説します。未来形は比較的容易な文型ですから、ほとんどの人が混乱もなく学んだのではないでしょうか。未来形で一番わかりにくところは “be going to〜” と “will 〜” の違いです。ですので、今回はそこだけに絞って解説します。

英語に未来形はない?

学校では”主語+be going to” または ”主語+will + 動詞の原形”で未来形と習いますが、厳密に言えば英語に未来形は存在しません。

まず、”will” は can や must と同じような助動詞で、今現在での意思を伝えるのに使います。ですから、”I will pay tomorrow.” という文章は、”wil” という助動詞が入った現在形だと考えることもできるわけです。

I must pay the mortgage tomorrow.
私は明日、(家の)ローンを支払わなくてはならない。

I will pay the mortgage tomorrow.
私は明日、(家の)ローンを支払うつもりだ。

この二つの文型には、違いがありません。なので、will は未来形だと考える必要は特にないのです。

それでは次に、be going to の方について考えてみます。

これ、be動詞+動詞のing形ですから、要するに現在進行形ですよね。前の記事で「現在進行形は近未来の予定を言い表すときに使う」と説明しましたが、まさしくそういうことなのです。

関連記事:【英文法解説】現在進行形は「今やっていること」以外のことを言うときにも使います。

それでは次に、will と be going to の使い分けについて解説します。

「意思」を表す will

まずは will からです。どんなときにwill を用いるのかというと、意思を表したいときです。例えば誰かに何かを頼まれて、「ああ、それはオレがやっとくよ」なんて言う場合なんかに will はよく使われます。またプロポーズの台詞と言えば“Will you marry me?” が定番であって、“Are you going to marry me?“ とは言いません。 そして「やるつもりがないこと」を言い表したいときには “will not” や “won’t“ を使うという訳です。では例文を見てみましょう。

I will send you the information that you asked for.
あなたに頼まれた情報を送りますね。

I will translate the email to English so that Mr. Smith can understand it.
スミス氏が理解できるように、私がこの電子メールを英語に翻訳します。

Will you help me move this table?
このテーブルを動かすの、手伝ってくれる?

Will you marry me?
僕と結婚してくれる?

I will not do your homework.
あなたの宿題はやってあげないわ。

I won’t do all the housework by myself!
私だけですべての家事をはやらないわ。

I’ll make some sandwiches for you.
私がサンドイッチを作ってあげよう。

I‘ll get you some coffee.
私がコーヒーを淹れてあげよう。

I‘ll get it.
ああ、オレが出るよ。

そうそう、英語で意思のことを、“Will Power” と呼びます。それから遺言も will です。なんとなくwill という単語の持つ意味合いが見えてきたのではないでしょうか?

約束をする will

未来形で will を使うもうひとつの場合、それは約束をするときです。「誕生日にはプレゼントあげるよ」なんて約束する場合には、“I will give you a present on your birthday” などといった具合に伝えます。 will not なら「〜〜はしない」という約束になるわけです。“I will not tell anyone.” なら、「誰にも言わないよ」ですね。例文を見てみましょう。

I will call you when I get there.
向こうに着いたら電話するね。

If I am elected as the President of the United States, I will make sure everyone has access to affordable health care.
アメリカ合衆国の大統領に選出されたら、値ごろなヘルスケアに誰もがアクセスできるようにします。

I will not tell him about the surprise party.
サプライズ・パーティーについては彼には絶対に言わないね。

I won’t tell anyone your secret.
あなたの秘密は、誰にも喋らないわ。

予定を表す “be going to〜”

それでは “be going to〜” はどんなときに使うのでしょうか?  “be going to〜” は基本的に、「予定されていること」を言いたいときに使います。 例えば「夏休みは帰省する予定だ」とか、「週末には車を洗う予定だ」なんていう場合ですね。「今日は学校から帰ってきたら歯医者に行って、そのあとに塾に行く予定だ」なんて具合です。そんなふうに日々のルーチンワークを言い表したりするときなどに、よく使われます。また、日の出は朝6時だとか、最終電車が午前1時であるなど、起こることが確実と思われる予測などにも便利に使われます。

He is going to spend his vacation in Hawaii.
彼は休暇をハワイで過ごす予定だ。

She is not going to spend her vacation in Hawaii.
彼女は休暇をハワイでは過ごさないみたい。

We are going to meet the salesperson at 4 PM.
セールスマンに会うのは4時の予定です。

I‘m going to be an actor when I grow up.
大人になったら俳優になるんだ!

Michelle is going to begin medical school next year.
ミッシェルは来年から医学部に進学だ。

They are going to drive all the way to Alaska.
彼らはアラスカまで運転するんだって!

Who are you going to invite to the party?
パーティーには誰を招待するの?

Who is going to make John’s birthday cake?
誰がジョンの誕生日のケーキを焼くの?

It is going to rain this evening.
夕方から雨になるんだって。

過去の予定に言及する場合

Be going to のもう一つの便利な使い方は、過去の予定に言及する場合です。本当は昨日のうちに宿題を終わらせるつもりだった、なんて言いたい場合です。

I was going to play tennis, but it rained heavily. So I canceled it.
テニスをするつもりだったけど、雨がすごかったからキャンセルしたよ。

He was going to go to Paris, but his business trip was canceled due to the riot.
彼はパリに出張に行く予定だったけど、暴動のためキャンセルになった。

Susan was not going to go to the party, but her friends persuaded her to go.
スーザンはパーティに行くつもりがなかったが、友達たちに行くように説得された。

Will と “be going to〜” ってそんなに違うの?

では、will と “be going to〜” ってそんなに厳密に使い分けられているかというと、未来のことというのは、どうなるか分からない不確定なものですから、どちらを使うかは、つまるところその時の状況や気分次第です。「経済はよくなる/悪くなる」、「日本は沈没する/しない」、「次の大統領選もトランプが勝つ」などといった未来予測の類いは、別に will で言おうが、 “be going to〜” で言おうが大差ありません。ただ気分の問題として、「人類は(予言通り)滅亡する」なら “be going to〜” のほうが信憑性が増しますし、「人類の滅亡は、人々の努力と英知によって回避される」なら、will の方がしっくりきます。しかし、未来であることには変わりありませんから、どちらで言っても違和感が少ないケースもたくさんあります。例えば次の例文は、どちらでも別に何の違和感もないものです。

Global warming will cause human extinction. / Global warming is going to cause human extinction.
地球温暖化は人類の絶滅を引き起こすだろう。

Trump will be the President again. / Trump is going to be the President again.
トランプは再び次の大統領になるだろう。

The movie “Les Misérables” will win several Academy Awards. / The movie “Les Misérables” is going to win several Academy Awards.
レ・ミゼラブルはアカデミー賞をいくつも受賞するだろう。

占いや予言は will でも “be going to〜” でもどちらでもよし。そんなふうに憶えておいてもいいかもしれません。

まとめ

Will と “be going to〜” の違いなんて10行ぐらいしか書けないかと思ったら、さらさらと3000文字も書いてしまいました。さて、まとめです。

– Will は意思を表す(“I will marry you.” など)。

– 約束は Will でする(“I will never forget you.” など)。

– 予定は “be going to〜” で表現する(“I am going to be just a little late.” など)。

– was/were going to として、過去の予定に言及することができる(I was going to Paris. など)。

– 予言はWill でも “be going to〜” でも大差ない。

それでは最後にこの will と be going to を使った文章を書いてみましょう。

I was going to go to Paris with my friends. But we decided to cancel the trip due to the riot. We are now thinking about going to New York instead. I am going to book the flight before the end of the week. We will probably spend our Christmas in New York.

「私は友達とパリに行く予定だったの。でも、暴動が起きてるから取りやめることにしたわ。代わりにニューヨークに行こうかと考えてる。多分週末までにはフライトを予約するわ。多分、クリスマスはニューヨークで過ごすわ。」

Brightureでの取り組み

Brightureでは特に「文法のクラス」というのは用意していません。次の3つの授業で文法の理解を深めていきます。

Everyday Speech

英文法やイディオムの学習を目的とした初心者〜中級者向けの授業です。

クラス紹介:Everyday Speech

Writing Reviews

Writing Reviewsは、ブライチャーで英語力の基礎固めと位置付けられる重要なマンツーマン形式の授業です。課題図書をこなすことで自然な英文に大量に触れ、英作文をすることで文法のミスや不自然な言い回しを減らしていきます。

クラス紹介:Writing Review

Listening and Speaking

通常の英会話の授業では流れてしまいがちな文法のミスや不自然な言い回しを捕まえて、細かく修正を加えて来ます。

クラス紹介:Listening and Speaking

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博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。