「初心者がフィリピン留学をしても意味がない」って本当ですか?

「右も左もわからない初心者は留学すべきでない」

「フィリピン留学する前に、せめて中学の復習をしていこう」

こう言った記事をネットでよく見かけます。

初心者が留学するのは、本当に無意味なのでしょうか?

この記事は初心者が留学するのは本当に無意味なのか? また、初心者でも留学を成功させるタイプと、そうでないタイプがどのような人なのか考えてみます。

「初心者が留学しても意味がない」は本当なのだろうか?

Brightureはたくさんの初心者が押し寄せる学校ではありませんが、それでも一定数の初心者の方がやってきます。中にはYes/No 以外ほとんど何も言えないなどといった、超ド級の初心者の方も混じっています。TOEIC 170点といった方さえいました。

ではそういう方たちがどうなるかというと、3ヶ月もすれば簡単なことならば十二分に話せるようになるのです。言葉がポンポン出るという意味では、日本で問題集の反復をしっかりしてきて、TOEIC 700点以上を取って来た人たちよりもスムーズに出るくらいです。

また、僕自身も高校生の時に留学していますが、留学前の英語の成績は10段階で2でした。テストはいつもクラスで最低点だったのです。しかし、留学をしたその年の暮れには、ショボいながらも少しばかり話せるようになっていました。そして2年後にはアメリカの大学に進学しを果たしました。語学留学ではなく、正規の4年生の学部への留学です。

こうした自分の経験を踏まえても、また実際に3ヶ月足らずで話せるようになる生徒さんたちをみても、初心者が留学することには十二分に意味があると思います。しかしその一方で、留学がまるで無駄になってしまう方も確かに存在します。一体その差はどこから生まれるのでしょうか?

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1)人と交わるのが好きな人、教科書に固執する人

まず、初心者だろうが中級者だろうが、人と交わるのが好きな人は、圧倒的に成長が早いです。実際に使ってみてフィードバックを得るという学習方法は、語学のみならず、あらゆる学問やスポーツにも当てはまる有効な方法です。

この夏に、奇しくも全く同じ日にやってきて、同じ期間滞在した初心者の方二人がいましたが、一人は休み時間も休日も積極的に先生たちやホテルスタッフと関わって話す機会をひたすら増やしていました。もう一人は休日も昼休みも文法書や単語帳を紐解いて黙々と勉強に励んでいたのです。

1ヶ月ほど経ったところで、すでに2人の違いは顕著に現れていました。両名とも簡単なことならばさして困らずに話せるようになっていましたが、よく話していたほうの方は本当に淀みなくスルスルと言葉が口から出るようになっていたのです。まだ1ヶ月目とはとても思えないくらいでした。

では文法書や問題集主体で学んでいた方がどうなったかというと、ついつい英語の正しさにこだわってしまい、どうしても滑らかに喋れないのです。その上、実際に話したときの実際の正確さはどうかというと、おしゃべり主体で学んでいた方のほうが文法の間違いが少ないのです。結局、実際に使って体で覚えているので、実際の会話の流れの中でもあまりミスをせずに出てくるのです。

そこでこの方にももっともっと喋る機会を設けるようにアドバイスしたところ、うまく切り替えて残り2ヶ月を過ごしてくれました。すぐとやはり、言葉が徐々に滑らかに出てくるようになったのです。まずは実際に使い、間違いはあとで見直す。これがいちばん早い上達方法です。

2)勉強する人、しない人

上だけ読むと、問題集や単語帳を使った勉強など要らないように感じるかもしれませんが、そうではありません。伸びる人は、とにかくよく勉強をします。

英語の伸ばす上で肝心なこと、それは、「『文法』と『会話』を分けて考えず、実際に使いながら文法を体に定着させる」ことです。多くの学習者が文法学習、発音、単語の暗記などをバラバラに学習して、実際に使うシーンを想定せずに個別に勉強しているため、いつになっても定着しないのです。

ですから、実際に使ってみたら、その直後に自分に足りないところや理解が不足していることを勉強し直して整理すると、またすぐに会話に生かすことができるのです。この部分をすっ飛ばしておしゃべりだけ繰り返しても、到底上手くなりません。

3)観光や遊びが目的な人、そうでない人

さて、言わずもがなと思う人もいるかもしれませんが、観光や遊びがメインの人はどうしても上達しません。フィリピンにはクラブなども多く、夜遊びの場には事欠きません。また日本人は金があると思われているため、そうしたところに行けば、女の子が寄ってきます。別に本人がモテている訳ではなく、お財布がモテているだけなのですが、区別がつかずに夜遊びに夢中になってしまう人、少なくありません。

また、来た時には勉強する気満々でも、周りに勉強する人がほとんどいない学校だと、どうしても勉強しなくなってしまいます。人間は環境に流されやすい動物ですから、ある意味致し方ありません。「楽しく学べます!」などと謳っている学校の多くはこうした学校であることが多いので、学校選びの時点で注意してください。

なお、観光や遊びが絶対的に悪い訳ではありません。せっかく海外に来ているのですから見聞を広める絶好の機会ですし、勉強からの息抜きにもなります。ウィークディはキッチリと勉強し、週末のどちらか1日は娯楽に当てるのは実に有効な時間の使い方です。

それでも留学は無駄じゃない

さて、せっかく海外留学したのに、さっぱり英語が上達しなかったとします。その留学は無駄だったのでしょうか? 私はそうは思いません。行き先がカナダにせよアメリカにせよフィリピンにせよ、日本以外の国々にたくさんの人々が暮らしており、日本の常識は別に海外では常識でもなんでもない、ということを肌で感じられることには、大きな意義があります。また、新たに友人ができることもプラスでしょう。海外へのハードルが一気に下がる人もたくさんいるのではないかと思います。

その一つ一つが、大きな財産です。留学の目的を語学獲得だけに限定してしまうのは、勿体無い話なのです。僕自身、最初の1年間のホームスティがキッカケになり、初めて将来のことを真面目に考えるようになりました。そして数年後にはアメリカの大学に進学し、そこからほんと数年後にはアップルコンピュータで働き始めていました。もしも最初の留学がなかったら、相当違った人生を歩んでいただろうと思います。

Brightureの卒業生の中にも、インドで起業した人が1名、フィリピンで起業した方が2名、そして、海外就職を果たした方が5名ほど、そして海外進学に至っては10数名います。その中には本当にゼロからスタートした初心者も含まれています。フィリピンで起業した一人の方は、Brightrure に来たときには中2レベルでした。アメリカの大学に進学2名に至っては、中1の前半レベルだったのです。

初心者の方の留学は、決して無意味ではありません。あなたもチャレンジしてみませんか?

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Brightureってどんな学校なの?

Brighture ではFocus on Formという手法をメインに、カリキュラムを設計しています。これは、まさしくform(文法を含む形式)を会話練習にミックスさせる手法です。

日本ではまだあまり知られていない方法ですが、世界の言語教育の世界では、10年以上前から積極的に取り入れられている手法で、日本でも先進的な学校などでは、すでに実践されています。

体験してみたい方はぜひどうぞ! 中1でわからなくなってしまった人が、3ヶ月後には喋っています。

博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。