とりあえず行こうぜ! 実践で英語力を磨き、フィリピン留学で苦手のリーディングを習慣化ーーなわとびギネス世界記録保持者のYUさん

なわとびの世界大会で優勝、学生時代には海外でインターンをするなど、実践の場でコミュニケーションを積んできたYUさん。英語を話すのは好きだが、それだけではインプットが足りないと感じ、苦手のリーディングを克服するために4週間のフィリピン留学に臨みました。

YUさん/30代/研究開発職、なわとび選手(ギネス世界記録保持者)/4週間

なわとびのギネス世界記録を持っているそうですね。

なわとびは、大学時代に何か新しいことをしようと思って始めました。 インターネットを検索しているときに、たまたまなわとびの大会を見つけて、調べてみたら前回大会の参加者が6人だったんですね。 それなら最低でも日本で7位になれると思って参加することにしました。

始めてみたら、なわとびはマイナーな競技なので、すぐに世界のトップレベルの人と知り合うことができました。 たとえば、今、シルクドソレイユになわとびのパフォーマーが10人くらいいるんですけど、全員知り合いなんです。 なわとびを通じて、世界中の人と交流することで、自然と英語を話すようにもなりました。

英語はもともと得意だったのですか?

大学入学時は、得意でも不得意でもなかったのですが、アウトプットの重要性を教えてくれた教授がいて、英語で独り言を言う練習などを勧められ、実践していました。ほかにも外国人と交流できる集まりに参加するなど、意識的に話す機会を作っていました。

語学は使わなければ、上達しない

海外のインターンシッププログラムにも参加されていたそうですが?

大学を休学して、8カ月間ドイツでインターンシップをしました。 このとき、せっかくドイツにいるのだからドイツ語を勉強しようと思ったのですが、ドイツ人はみんな英語が話せるのであまり使う機会がなく、上達しませんでした。それが悔しかったので、機会があったら次は必ず現地の言葉をしっかり勉強しようと思いました。

その後、修士課程1年目が終わったタイミングで、今度はフランスでインターンシップをする機会に恵まれました。 最初に4カ月間、現地でフランス語を勉強して、8カ月間のインターンシップも全部フランス語で活動しました。 おかげで、フランス語は現地の学部に留学できるくらいのレベルまで上達しました。

私の他にも5人のインターンシップ生がいましたが、彼らは仕事でも日常生活でもあまりフランス語を使わなかったので、全然上達しなかったようです。これらの経験から、実際に使わなければ、その国に行っても語学力は決して上達しないと実感しました。

英語も実際に使うことで身につけてきたんですね。

生活の中で実際に使いながら身につけることを重視してきたので、勉強しているという感覚はあまりありません。

もともと話すことは好きなのですが、聴く練習と、読むことはストレスを感じるので避けてきました。でも、そのせいで、いつも同じ表現や言い回しばかり使って話していることに気がついたんです。上達するためには、たくさん聴いたり読んだりして、もっとインプットを増やすことが必要だと感じました。

ブライチャーに留学することにしたのは、強制的にたくさん読む環境に身を置くことで、読むことに慣れて、ストレスをなくしたいと考えたからです。

ブライチャーを知ったきっかけは?

あるときツイッターのタイムラインで、創業者の松井さんの投稿を見つけて、面白そうだからフォローしたんです。 それでブライチャーのことを知りました。投稿に共感し、英語を勉強するならこの学校に行こうと思っていました。

渋谷校での説明会に参加して、体験レッスンも受けていただきました。

3週間なり4週間なりの時間とお金をかけて留学するので、行ってみたらよくなかった、ということは避けたかったんです。

体験レッスンでは、PP(フォニックスと発音)のレッスンを受けたのですが、たとえば発音は、仮に正しい音や口の動きを言葉で説明されても、それだけではできるようにはならないじゃないですか。それよりも、どうやって練習したら正しい動きができるようになるのかを実際に見てもらって、体を使って指導してもらうことが重要だと思うんです。

実際に体験レッスンを受けて、そこまでちゃんと教えてくれるということがわかり、これなら大丈夫だと確信したので会社に休暇を申請しました。

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興味のあることだったら苦ではない

実際にブライチャーに留学してみた感想は?

疲れました!特にリーディングとライティングがしんどかったです。平均して読むのに1時間ちょっと、書くのに2、3時間かかりました。

リーディングは、好きな伝記から始めました。ネットのニュース記事やハーバードビジネスレビューなどを読みましたが、この4週間で読むことに慣れてきた実感はあります。以前は、面倒くさいからなかなか英文を読もうとは思いませんでしたが、今は興味のある分野の書籍や記事なら実際に読んでみようと思えることが収穫です。

結局、内容に興味があるということは大事だと思います。 たとえば、なわとびの国際組織のルール委員会のアジア代表になったときに世界標準のルールについて話し合ったのですが、その資料を読むのは全然苦ではありませんでした。

問題は、なわとびに関する読み物が世の中にそんなに多くあるわけではないこと。自分の興味のあるマテリアルを見つけるのが難しいかなと感じています。

リスニングはいかがでしたか?

以前は、たまに聞き取れないことがあるのは根本的に語彙力が足りないのが原因だと思っていたのですが、ブライチャーに来たことで、実はアメリカンイングリッシュのワードコネクション(音が繋がって変化すること)やリダクション(音が消えること)が苦手だということがわかりました。

まだまだこれからかなと思っていますが、TED Talk を聴くことには慣れてきたし、リーディングを継続して語彙が増えていったら、リスニングも向上するんじゃないかと思っています。

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他に印象的だった授業はありますか?

ブライチャーに来てよかったのは、苦手なことが明確になったということです。 たとえば発音だったら、今までは母音の発音は大体の感覚でやっていたんですけど、正しい発音と練習のやり方がわかったので、今はこのまま練習を続ければよくなると感じています。

他に、BC(ビジネスコーチング)は、プレッシャーもありましたけど、面白かったです。 色々な設定でロールプレイングをしましたが、中には自分が実際に体験したことのあるシチュエーションもあって、なるほどこういうときにはこう言ったらいいんだとわかりました。BCもBW(ビジネスライティング)も、フォーマルな場面ではどんな表現が適切か理解できたので、とても役に立ちました。

それと、準備は大変でしたが、毎週プレゼンテーションをできたのがよかったです。 スライドやホワイトボードを使ってみたり、聴衆に参加してもらって実験をしたり、スピーチスタイルで話してみたりと、毎回違う内容と形式のプレゼンテーションを試すことができ、とても勉強になりました。

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まず先に行くと決めてしまったほうがいい

今後の目標は?

いつか海外の研究開発拠点で仕事をしたいです。

それと、なわとびについては、今後は大会に出るのではなく、自分のパフォーマンスを表現したり発信していきたいと考えています。 たとえば、ダブルダッチ(ロープを2本使って行うなわとびのパフォーマンス形式)という分野では、日本のレベルはすごく高いんですけど、それを世界に広められる人がいないんです。

でも私にはそれができる。英語のレベルが私より上の人は日本にたくさんいますが、なわとびのことをちゃんとわかって英語で伝えられる人となるとほとんどいない。そこに私の存在価値があると考えています。

今後は、たとえば英語で ”How to start Double Dutch” という動画を作ってYouTubeに投稿するなど、もっと世界に向けて発信していきたいと考えています。

最後にメッセージをお願いします。

何かに挑戦するとき、多くの場合、ほとんどの人は、ある程度目標とするレベルに到達してから始めようとしますが、「とりあえず行こうぜ!」と言いたいです。これは自分自身にも当てはまりますが、たとえば、海外で働きたいと思っているとして、「○○をしたらやる」と言ってるうちは、大体やらないですよね。

最近、ある人と話をしているときにも、力を蓄えてから行こうと思っていると言っていたんですけど、そういうときは、まず先に行くと決めてしまったほうがいいと思います。そうすれば、あとはなんとかなるものです。

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