アメリカの学校ではどんな文章の型を教えているのか?

先日、私(Brighture CEO: 松井博)のマシュマロに、文章の型についての質問をいただきました。なんでも、文章の型があることすら知らず、大人になってから苦労して身につけたとのことです。

    初めまして。いつも更新楽しみにしています。 東京で年長の子育てをしている母親です。 先日のnote演算化能力の記事にありました、「米国での論理立った文章を書く訓練」が気になったので質問させてください。

    日本人の演算化能力の低さについて「論理立った文章を書く訓練を、大学に入るまで始めないことに原因がある」と言及されてました。 この件、大変驚きました。 アメリカではその訓練を小学生の時から行っていることも知らない上に、 そもそもそんな「型」の存在すら知りませんでした。

    私自身、論理立てた文章を書くことに、だいぶ大人になってから苦労した経験があります。 30代で転職してまもなく、急にマーケティング視点に基づいた提案資料の作成や、議論、プレゼン、といった業務が必要になりました。 クリエイティブ職の為、それまで論理立った文章を書く経験がほぼ無く、 事実を簡潔に示したり、他者やクライアントを説得するような文章を書くことに四苦八苦しました。

    今では少しは上達したと思いますが、 やはり資料を上手に纏めたり、論理的に話せる人が、出世したり案件のリーダーとなっていきます。 こうした自身の経験から、子供には言葉の力を付けて欲しいと考えるようになりました。

    米国で訓練に使用する「型」について少し調べたところ、 「Four Square Writing Method」というものが出てきました。 子供どころか私の為になりそう!と思ったのですが、もしかしたら他にも色々あるのではないかと思いまして…、米国で習う型をご紹介頂けないでしょうか?

    また、親が出来る範囲の訓練はあるのか? 専門的に習った方が良いものはあるのか?(そもそも日本で習えるのか?)等もアドバイス頂けるとありがたいです! ちなみに未就学児の今は、 なるべく本が嫌いにならないように、絵本の読み聞かせだけ日々続けています。 どうぞよろしくお願い致します。


ご質問をまとめてみます。

  1. 僕が Note で、「日本人の演算能力の低さは、論理立った文章を書く訓練を、大学に入るまで始めないことに原因がある」と言及していた。
  2. 質問者さん自身、大人になってから苦労して、論理立てた文章を書く能力を身につけた。
  3. 子供には言葉の力を付けて欲しい。
  4. 米国で習う型をご紹介頂けないか?

お読みいただいた Note、きっとこちらですね。


それでは、順番にお答えさせて頂きます。

Four Square Writing Method

ご質問にある Four Square Writing Method ですが、これは米国の小学校1〜3年くらいで教えられるもので、多分、アメリカ人が一番最初に習う文章の書き方メソッドです。基本的には、これがベースになって広がっていきます。どんなものかイメージを掴みたい方は、こちらの小学校の授業の様子が参考になるかと思います。



ちなみに、ほぼ同じ内容がこちらの本でも学べます。これは大人向けの本ですが、中学校2年程度ならもう十分使えると思いますし、日本語で同じことをやるのならば、2〜3年生くらいで可能かと思います。

改訂版 ハーバード式5行エッセイ英語学習帳

大人が読んでも非常に役立つ本ですので、「そんなことはすでに知っているよ」などと考えず、一度手に取ってみることをオススメします。

米国で教えられる文章の型

  • Summary 〜要約
  • Descriptive 〜記述型
  • Expository (informational) 〜説明型
  • Persuasive 〜説得型
  • Narrative 〜語り型

この、Descriptive Essay(Expository, Persuasive, Narrative)の3つは、小〜中学校のうちに何度もやらされます。Summary の書き方も何度もやらされます。そしてこれらは、大人になってからのプレゼンやレポートの執筆に非常に役立ちます。

やがて高校〜大学へと進むと、次はこんな感じのエッセイも書かされます。

  • Comparative 〜比較型
  • Argumentative 〜議論型
  • Cause-and-Effect 〜原因・結果
  • Process Essay 〜プロセス記述エッセイ
  • Analytical Essay 〜 分析的エッセイ

これらはすべて、Descirptive Essay を土台に派生するバリエーションと考えていいかと思います。

それからもう一つ、Fictional Story(フィクション)も書かされます。これもまた、小学校の頃から何度もやらされます。これもそれなりに型があり、それに沿って書く練習を何度もしていきます。

こんなふうに分けて説明されると、なんだかずいぶん複雑に感じるかもしれませんが、基本は、Expository (informational)、Persuasive、Narrative の3つで、これさえ押さえておけば、あとはなんとかなる感じです。

日本はなぜか作文の型を教えてくれない

ところが日本では、こうした文章の型をほとんど教えてくれないのですね。いわゆる「起承転結」以外、何も教わった覚えがない人がほとんどではないでしょうか? 夏休みの思い出や読書感想文なども、何が何だかわからないままに原稿用紙のマスを埋めた方がほとんどのはずです。僕もそうでした。このため、この質問者さんのように社会人になってから苦労して覚える人が後を絶ちません。

本当に残念なことです。

型があると、実はかえって自由になれます。なぜなら、文章の骨格は型が支えてくれるため、内容に集中して書けるようになるからです。また、それほど文才がない人でも、型に沿って書いていれば、それなりの文章が書けるようになります。

以前、Note の「#お金について考えていること」というコンテストの審査員を務めさせていただいたことがありますが、せっかく題材はいいのに、文章のまとまりに欠けていて、残念なところで止まってしまってる作品がたくさんありました。この人たちも学校で文章の型を習っていたら、もっとずっと上手に書けたと思うのです。

文章力は生涯の財産になる

文章力は生涯の財産になります。ブログを書いてインフルエンサーになったり、Note 作家や Medium 作家になって、そんじょそこらの本職の作家よりも、ずっと多くのお金を稼ぐことも可能です。

会社でも、報告書、提案書、レポートなどといった文章を通じて、組織に影響を与えることだって可能です。僕が米国アップル本社で出世したのも、レポートがキッカケでした。

そして会社を辞めた今も、文章力がずっと役立っています。僕はそれほど才能に恵まれていませんが、若い頃にこうした文章の型を知ったことで、ずっと得をしてきました。

Brightureで学べること

そんなわけで、Brighture では英語の文章の型を学べる Reading & Writing というクラスを用意しています。このクラスは課題図書の読解と英作文を何度も繰り返すことで、文章力を高めることを目指しています。

読み書き : 【RW】Reading and Writing

実際、外資系企業などに勤めていて文章力の向上を迫られている人の受講が多いです。

というわけでみなさんも、文章力を向上させませんか?

その他のレッスン内容についてはこちらから。

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