英語での診察は、カンニング帳で乗り切ろう!

日本で生活していて、具合が悪くなって病院で医師の診察を受けるという経験は、みなさん少なからずあると思います。その時には、こちらから症状や経過を伝えたり、医師から説明を受けたりします。わからないことや、気になることを質問することもあるでしょう。場合によっては、専門用語が出てくることもありますが、日本語だとほとんど問題なくやりとりができるはずです。

しかし、これが言葉が通じない異国の地だったらどうでしょう? 日本語だとすんなり言える「喉が痛い」という簡単な一言も、咄嗟に出てこなかったりします。どうにか症状を伝えられても、医師からの説明がちんぷんかんぷんだったりして、ただでさえ体調悪くて弱っているのに、言葉の壁でメンタルもやられてしまいます。

幸い私は、セブ島で医者にかかった経験はありませんが、生徒さんの付き添いで救急に行ったことがあります。Brightureのインターンになったばかりで、それこそケータイ片手に、病院のスタッフとやりとりをしました。「体調の悪い生徒さんを不安にさせてはいけない……」と思いつつ、だいぶオタオタしてしまい、診察と点滴を終えて病院を出る頃には私の方がぐったりしていました。

ですので、どういう状況でも落ち着いて対応できるように、病院で使えるフレーズと例文をご紹介することにしました。

自分で症状を伝えられるのがイチバン!

今回の記事では、基本的なやりとりである、「症状や期間の伝え方」から始めたいと思います。これをしっかり伝えられないと、その後の診察に影響してしまいますし、適切な処置を受けることもできません。ですので、まず押さえておきたい基本のフレーズです。

とはいえ、健康なときは、病院にかかることを想定しにくいのも確かです。また、病院によっては、日本語を話せるスタッフが在籍しているところもあります。「あの病院は日本語が通じるから大丈夫!」と安心しちゃう気持ちもわかります。

でも、そのスタッフが休んでいて不在の日があるかもしれません。自分自身の体調不良であれば、少し我慢して通訳スタッフがいるときに受診してもいいと思います。でもお子さんが突然具合を悪くしてしまうと、そんな余裕はありません。いざというときのために、「痛みとその期間」を、ご自身で医師に説明できるのが一番です。

痛みを伝える

痛みを表す代表的な二つの単語

まず、痛みを表す言葉について考えてみます。たくさんありますが、すぐに思い浮かぶものは「pain」と「ache」でしょうか? でも、違いがよくわからなかったので、Brightureの講師に聞いてみたところ、こんな回答をもらいました。

An “ache” is a persistent discomfort. It is typically dull, so you can try to ignore it, but sometimes it is all-encompassing. But it is not sharp enough to describe as “pain”.

For example, you may get a headache, but you would not call it a head pain.

Because a pain is something more localized, usually short-lived, and it is sharp. It is something that you would be less able to ignore.

Another example. When you receive a vaccine injection, there is pain as the needle goes in. During the following days, the surrounding area will ache.

Your legs would ache after a long run, but you would not describe this as pain. You can ignore it for the most part. On the other hand, if you cut your finger, You would feel pain. It is localized to your finger only, but it is so sharp that you would not be able to ignore. That’s “pain” As the wound heals, you will experience an ache. It is more persistent, but you would be able to ignore for the most part.


“ache” は、持続的な不快感です。一般的には鈍く、無視しようと思えばできますが、時には、不快感に包み込まれることもあります。でも、”pain” と表現するほど鋭くはありません。

例えば、頭痛がすることがありますが、これを「head pain」とは言いません。

なぜなら、”Pain” とは、もっと局所的で、大抵は短時間で終り、鋭いものだからです。そして、無視することができません。

もう一例挙げるとすると、ワクチンの注射をするとき、針が刺さるときに “pain” があります。その後、数日間は、その周辺が “ache” します。

長時間走った後に足が痛くなることがありますが、これを “pain” とは表現しません。ほとんどの場合、無視することができるからです。一方、指を切った場合は、”pain” を感じます。指だけに限定されていますが、無視できないほど鋭い痛みです。それが “pain” であり、傷が治るにつれ、”ache” を感じるようになります。より持続的なものですが、ほとんどの場合、無視することができます。


なるほど! 局所的で短期的で無視できないほど鋭いものが “pain”。そして、全体的で長期的である程度は無視できる痛みが “ache”ということです。スッキリしました。


痛みの度合い

一口に「痛み」と言っても、度合いはさまざまです。ですから、次に痛みの度合いの伝え方を抑えましょう。

  • mild/minor pain – 軽度の痛み(日常生活は問題なく送れる)
  • moderate pain – 中等度の痛み(日常生活に支障をきたす場合がある)
  • severe pain – 激しい痛み(生活に支障をきたすレベル)


I feel minor/mild · moderate/severe pain.
軽度/中度/激しい 痛みがあります」

I am having mild pain in my back.
「背中がちょっと痛みます」

My child is having severe pain in his stomach.
「子供がお腹に激しい痛みを感じています」

なお、ache の方を使う場合には、ちょっと言い方が変わります。

  • mild/minor/moderate ache – 軽度の痛み(日常生活は問題なく送れる)
  • (特に形容詞なし)ache – 中等度の痛み(日常生活は送れるが、不快感が高い)
  • serous/nasty ache – 激しい痛み(生活に支障をきたすレベル)

She has a mild headache. / She has a mild ache in her head.
「彼女は軽い頭痛を訴えています」


痛みの種類 = painで表現する =

先程の説明のように、painは、鋭い、局所的な痛みです。怪我をしたときや、食べ物にあたったときなど、すぐに医師の診察を受けたい場合がほとんどだと思います。そんなとき瞬時に痛みの種類をうまく説明するのは、本当に難しいです。

ですので、緊急を要するときのフレーズややりとりは、あらかじめググってカンニング帳を用意しておくと、いざというとき役に立ちます。スマホのメモ帳などを活用してもいいと思います。

  • dull pain – 鈍痛
  • acute pain – 急性の鋭い痛み
  • sharp pain – 鋭痛、キリキリ痛い
  • sthrobbing pain – ズキズキ痛い
  • shooting pain – 電撃は走るような痛み


I got a sharp pain in my stomach.
「お腹がキリキリ痛みます」

I smashed my head on a door. I am having a dull pain in my head.
「ドアに頭をぶつけちゃって、鈍痛がします」

?○○ pain に該当する痛みを入れ、in の後ろに部位を入れます

I am having a throbbing pain here because I got stung by a bee.
「蜂に刺されて、ここがズキズキ痛んでいます」


痛みの種類 = acheで表現する =

ache は、痛むという動詞です。部位によって、三単現の”s”が必要になります。これを間違えることなく使えるようになるには練習あるのみです。三単現の”s”が必要(または不要)な部位を事前に確認したら、これもカンニング帳に入れていきましょう!

ちなみに、形容詞だと”achy”ですが、ほとんど使うことはないので、「そうなんだー」と、軽く覚えておくだけで大丈夫です。

*pain との違いは、上の説明を参考にしてください。

(動詞の例文)
My back aches.
「背中が痛む」

(形容詞の例文)
I have an achy back.
「背中が痛い」

また、acheの前に’head’など、体の部位をつけると名詞になります。この場合、headとacheの間にスペースは不要です。
?muscle ache – 筋肉痛 のように、スペースが入る場合もあります

  • headache – 頭痛
  • stomachache – 腹痛
  • backache – 腰痛
  • toothache – 歯痛


I have had a headache since last night.
「昨夜から頭が痛いです」

症状を伝える

次に、痛み以外の症状を伝える表現です。胃もたれしたときなどに表現する「ムカムカ」など、ちょっとした一言ほど、出てこないものです。生活する中で、体に違和感を感じることがあれば、カンニング帳にどんどん追加していってください。

・discomfort – 不快感
I have been having stomach discomfort since I ate tofu that smelled funny.
「変な匂いがする豆腐を食べてから胃のあたりがムカムカします」

・sore – 筋肉痛や肩こりなどの痛み、喉の痛み
I got a sore throat. It is hard even to swallow.
「喉が痛くて、飲み込むのも大変です」

・prickly – チクチク痛い
I have a prickly pain here.
「ここがチクチク痛みます」

・burning sensation – ヒリヒリ・ジンジン、焼けつくような感覚
I have a burning sensation in my throat.
「喉が焼けるように痛い」

・tingling sensation – ヒリヒリ・ビリビリ感じる
I have a tingling sensation in my elbow.
「肘がビリビリ痛みます」

期間・頻度を伝える

痛みや症状以外に必ず聞かれることが、症状が出ている「期間」や「頻度」です。適切な診断・治療が受けられるよう、ここもしっかり伝えられるようにしておくといいです。

*「I have a headache.(頭が痛い) 」という例文を使って、期間・頻度を表現します。

・ago – 症状が出た日
He had diarrhea two days ago.
「2日前に下痢をしました」

・have 過去分詞 + since/for – 〜から/〜日(週間)くらい ずっと
I have had a toothache since last week.
「先週からずっと歯が痛い」

I have had a headache for about two weeks.
「2週間くらいずっと頭が痛い」

・sometimes / occasional – たまに
?文末に使う場合は、形容詞(occasional)を副詞(occasionally)にします。

I sometimes have a stomachache.
「たまにお腹が痛いです」

I have a headache occasionally.
「時々、頭痛がする」

・every ○ hour(s) – ○時間おきに
I have a headache every two hours.
「2時間おきに頭が痛くなる」

備えておきましょう!

体調が悪くなることはなかなか予測できません。その時に焦らずしっかり受け答えができるように、備えておくことが大切です。

「病院に行くほどではないな」という場合には、もし病院に行くなら……と仮定して、その症状を英語でしっかり伝えられるよう練習しておくといいと思います。そうすると、いざというときに落ち着いて対応できます。

練習したフレーズや例文は、どんどんカンニング帳に加えていきましょう。また、実際病院に行った際に、わからなかった説明などを医師に追加してもらうのもいいと思います。オリジナルの病院対応が出来上がると、行く前の不安が解消されて、QOLが上がると思います。

もちろん、病院にかからない健康な体作りも大切なので、日頃の軽い運動も忘れずに!

ちなみに、病気や怪我でセブの病院にお世話になったことはない私ですが、歯医者には何度か行っていて、その度に言いたいことをスマホのメモ帳に追加しています。次回は、歯医者でよく使うフレーズと例文をご紹介します。

Brighture
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