ブライチャーと福岡工業大学で共同プログラムを実施しました!

ブライチャーは福岡工業大学と連携し、8月20日から9月2日の2週間に渡って8名の学生を受け入れました。今回の共同プログラムは、福岡工業大学が将来世界で活躍する人の育成を目指して創設したグローバル人材育成プログラム、「Global Academy of Technological English (GATE) Program」の一環として実施されたものです。

福岡工業大の記事はこちら:Brighture English Academy (フィリピン・セブ島)で GATE Programを実施

ブライチャーが同大学から初めてコンタクトを頂いたのは2016年の11月のことでした。それから何度も打ち合わせを重ね、当校ではこの GATE Program の趣旨に沿った短期集中コースを新たに開発しました。

カリキュラム設計のチャレンジ

カリキュラムを設計するには当たっていくつかのチャレンジがありましたが、最大の難関は、わずか2週間という限られた時間の中で、いかに1)参加者のやる気に火をつけ、2)英語力を向上させ、なおかつ3)世界観を広げるかーーでした。この3つは、どれも妥協したくありません。頭を悩ませつつもたたき台を作り上げ、プログラムを作成していきました。

当初、2週間はあまりにも短すぎるように感じたのですが、逆にこの限られた時間の中だからこそ達成できることを考えることで、質の高いプログラムを作れたと自負しています。

一体どんなプログラムなのか?

では実際のプログラムがいったいどんなものなのか紹介しましょう。一言で言えば、「体験を通じた学習」に尽きます。問題集を繰り返すのなら日本でもできますし、ただ英語でおしゃべりするのなら、わざわざフィリピン留学しなくても、オンライン英会話で十分です。ですから、漠然としたおしゃべりのクラスは排除し、フィリピンでしかできないことに内容を絞ったのです。その上でリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能を満遍なく鍛え、また英語の発音を向上できるよう、丁寧に設計していきました。

バディ・システム

具体的にはまず、特定の先生と2週間ペアになるバディ・システムの導入です。2週間の間、気軽に学習について相談できるよう、生徒一人ひとりを特定の先生と組ませたのです。それぞれのペアがこれからも海を超えた友達として友情を育んでくれたらと考え、生徒さんたちと年齢が近い、比較的若い講師陣を選抜して臨みました。

街角インタビュー

そしてまずは自分の弱点を把握し、またやる気に火をつけるための起爆剤として、初日のアクティビティに街角インタビューを盛り込みました。生徒の安全に配慮して講師を同伴させた上で、全員に街角でインタビューに挑んでもらったのです。インタビュー後に感想を聞いてみると「発音が全然通じなかった」「そもそも声が小さすぎて、相手に聞き取ってもらえない」「何をどう聞けばいいのかわからない」など、めいめいが自分なりの課題を掴んでくれたのです。

これらはどれも普段から講師たちが生徒に指摘していることですが、なかなか実感が伴わず、課題と認識してもらうまでに時間がかかっていました。しかし、街角の人々は英語学校の講師と違って日本人の発音に慣れていませんし、情け容赦もありませんから、発音を間違えたり声が小さかったりすると、見事なくらい通じなかったです。そしてこの体験は、彼らの学習意欲の起爆剤となってくれました。

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フィリピン、セブ島の暮らしについて学んでいく

そしてこの日からの最初の5日間は、英語でフィリピン、そしてセブ島について学ぶことに集中しました。一般的な家族構成や教育レベル、職業、通勤手段や通勤手段、人気のある職業などなど、毎日の対話を通じて学んでいきます。そして学んだことは英文レポートにしてまとめ、次の日にはその内容を講師が精査し、文法から言い回しの選択に至るまで細かく直していきます。そして午後になると、今度は自分がまとめた内容を4人1組の小グループで発表していきます。こうして異文化学習と英語学習を組み合わせていったのです。

また、社会科見学に行く日も設け、貧民街から近代的なモールに至るまでと、フィリピンの上から下までを自分自身で感じてとってもらいました。そして5日目には講師、生徒全員の前でプレゼンテーションを実施。人生初の英語プレゼンテーションをみんな堂々と乗り切ってくれました。

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カリキュラム紹介:Phonics and Pronunciation

日本について学ぶ

2週目にはまた最初の週と同様、街角インタビューを実施しました。みなさん、わずか1週間ですら語学力の上達を実感し、さらにモチベーションが上がったようです。

2週目の課題は「日本について学ぶ」です。講師たちからたくさんの質問を受けながら、自分たちが日本についてあまりよく知らないことに気がついて行く1週間でもあります。

「日本は少子化が進んでいる」
「ホワイ?」
「教育コストが高いから、子供を作りたがらない」
「なぜ、政府は手を打たないの?」
「……」

「日本では、働きすぎて死んでしまう人もいる」
「ホワイ?」
「みんながそうやって働いているし、周囲から浮きたくないから、働くのかな」
「で、でも死ぬまでって変じゃない?」
「そうだねえ……」

たどたどしいながら必死に質問に答えるうちに、これまで考えたこともなかったこと、あるいは、考えても一言ではとても説明できない、日本という国の今の在り方に対して、新しい好奇心が芽生えていきます。そしてこの週もまた、日々学んだことをエッセイやレポートにまとめ、チェックしてもらう毎日です。

カリキュラム紹介:Group Listening and Speaking

最終プレゼンテーション

そして迎えた最終日、それぞれのメンバーが胸を張ってプレゼンテーションを実施しました。そして卒業記念写真を撮るころには、どの生徒さんの顔にも「やりきった」満足感が見て取れたのです。

こうして、福岡工業大学、「GATE Program」のメンバーの2週間のチャレンジが幕を閉じました。どの参加者も感心するほどよく勉強していました。

「これからも英語学習を継続します」
「日本を外から見れてよかったです!」
「日本という国に生まれたことがどれほど恵まれているか初めて実感しました」

そんな言葉を残して行って帰路につく、一回り成長した学生さんたちの背中を見ながら、彼らのことを誇らしく感じた2週間でした。

みなさんのこれからの成長を大いに期待しています!

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カリキュラム紹介:Presentation

企業研修や生徒派遣について

ブライチャーではこのほかにも企業向けのカリキュラム開発や、研修の実施などを行なっています。質問等ありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。