26 4月 TOEIC500点でも乗り切れる人、900点でも話せない人
皆さんはなんのために英語を勉強していますか?
もしも皆さんのゴールがTOEICで900点以上を取ることなら、この記事を読む必要はありません。でももしも、皆さんのゴールが実際に英語を使って仕事をしたり、友達を作ったり、将来のチャンスを増やしたりすることなら、この記事はきっと読む価値があります。
TOEIC900点にはどのくらいの価値があるか?
実際のところ、TOEIC900点にはどのくらいの価値があるのでしょうか?
TOEICの最大の価値は、高得点をとると日本企業内の競争で優位に立てることにあります。もしも日本企業への就職や社内での昇進が目的なら非常に価値があります。管理職はTOEIC何点以上!などと足切りする会社もあるので、社内での出世にもかなり有利ではないかと思います。
しかし、あなたの目的が海外で英語を使うことだったり、外国人の友達を作ることだったり、インバウンドの外国人を相手にビジネスをすることだったら、TOEICの点数とか本当にどうでもいいです。取引先の人はTOEICで何点持ってるかなんて誰も聞きません。そんなことよりもっと大事なのは、「実際にコミュニケーションが成立するか?」です。
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TOEICの点数より英語面接
僕はアップルに16年勤めていましたが、面接でTOEICの点数を聞かれたことも、こちらから聞いたこともありません。それよりも5分間英語で面接した方がその人の英語力がわかるからです。僕と同じように外資系、あるいは現地企業に就職した人で、TOEICの点数で足切りされたと言う話はあまり聞いたことがありません。
私自身、アップル本社ではもちろん、アップルジャパンに在籍していたときにも英語面接を実施していました。別にそんなに大したことを聞くわけではありません。本当にスタンダードな面接用の質問をしていただけです。それでもしどろもどろになってしまう人は基本的にお断りしていました。
別にそんなに素晴らしい発音じゃなくてもいいし、文法が間違っていてもいいんです。でもあまりにも返答が間延びして聞くに耐えない人はやはり無理があります。どう考えても電話会議とかできそうもないからです。
なお、こんなふうに感じるのは僕だけでありません。シリコンバレーで起業している古賀洋吉さんもこんなことをつぶやいていました。
TOEICとか英検とかより、その言語での就職面接合格力一級とかのほうがいいな。
— 古賀 洋吉 / Yo Koga (@yokichi) April 22, 2018
おそらくこれは、実際にビジネスの第一線で日常的に英語を使っている人に共通する感覚ではないでしょうか?
TOEIC500点でどうにかなる人もいる
以前Brightureに来た方で、TOEICの点数がやっと500点程度の人がいました。語彙も限られていますし、文法もかなり壊れています。ところがこの方、かなり著名な外資系企業でディレクターをやっていました。まっすぐ相手の目を見て、質問に即答できるんです。また別の一部上場企業の代表取締役の方も同じでした。簡単な単語をうまく駆使して自信満々に即答する。そんな姿が印象的でした。実は、「英語が使える」ってこう言うことです。そしてこうした人が、英語面接も受かるんです。
無論お二人とも英語力に大きな不足を感じていたからこそブライチャーに来たわけで、実に真摯に勉強していました。両名とも日常的に「英語を使っている」ため、自分らの課題がどの辺りにあるのかよく見えていました。TOEIC対策なんて全く興味を示さず、どうすれば会議でもっと的確に発言できるか、メールで自分の意図を明確に伝えられるかという、コミュニケーションの内容そのものに重きを置いている姿が印象的でした。
そう、英語はコミュニケーションの道具なのです。この発音で通じるのか? この文章力で伝わるのか? 実際に会話が成立するのか? 英語学習者はそこにポイントを置いて勉強すべきなのです。TOEICの点数はいわばその副産物のようなもので、英語の力が増せば確実に高得点が取れるようになります。
ではどうすればいいのか?
巷にたくさんの英語学習方法が溢れていますが、英語学習にマジックなんてありません。たくさん読み、たくさん聞き、実際に書いて喋る。これだけです。再び古賀さんの言葉。
英語の上達方法なんてわかりきっている。ひたすら読み書きして話せ、それだけ。シャドーイングがどうとかいうテクニック論もあるけど、作業論よりも、どう楽しく英語を使い続ける環境をつくるかのほうがコツがいるよね。あるいは、強制的に英語の環境に身を置くか。
— 古賀 洋吉 / Yo Koga (@yokichi) April 22, 2018
まったくその通りです。そうこうしているうちに脳内に英語を英語のまま処理できる新しい言語野が形成されていくのです。これにかかる時間がだいたいトータルで3000時間です。そのくらい突っ込めば仕事で使えるレベルになります。日本人は中学、高校でおよそ1500時間をすでに英語学習に費やしています。受験勉強をみっちりやった人ならすでに2000時間を突破しているでしょう。すると、残すところはわずか1000時間なのです。
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ではこの1000時間をどう使うべきか? ポイントは3つだけです。
1. 「通じる発音」を学ぶ
せっかく文法知識があっても、単語をたくさん知っていても、発音が通じなかったらそこから先にいけません。しかし残念ながら、大半の日本人は発音を習ったことがありません。ですからまず最初に発音を押さえましょう。するとシャドーイングなども正しい発音でできるようになるからです。間違った発音でシャドーイングを繰り返すと、誤った癖が強化され、あとでそれを取り除くのに一苦労します。ついでにフォニックスを学習しましょう。これで初見の単語もかなり正確に発音できるようになるからです。個人差は大きいですが、20〜50時間くらいで見違えるようになります。
2. 生の英語をたくさんインプットする
教材用に作られたものではなく、生の英語をたくさん読み、たくさん聞きましょう。教材用に作られたコンテンツは、文法ルールや言い回しを特定の順序で覚えてもらうために設計されたものなので、どうにも「生きて」いません。だから教材ばかりだとどうしても頭打ちになってしまうのです。TOEICのリスニングテストもそうですが、あんなに綺麗な発音で丁寧に話してくれる人なんて現実にはいません。今やニュースサイトでもブログでもYoutubeでもPodcast でもなんでもありますから、ゴリゴリ読んで聴きまくりましょう。すると、英語を英語のまま処理する能力が徐々に育っていくのです。必要な語彙や言い回しも「英語のまま」少しずつ増えていきます。流した汗は嘘をつきません。
3. 実際にアウトプットする
「TOEICで900点取れてから…」なんて考えずに実際にドンドン使ってみましょう。すると自分に何が足りないのかわかるからです。テストの点数なんかより、よっぽど正直に自分の実力が身にしみます。使う場はミートアップでもよし、オンライン英会話もよし、あるいはフィリピン留学も良いでしょう。交換留学生をホストするなんていう手もあります。あるいはFacebookに英語で投稿するのもいいでしょう。書くのだってアウトプットです。そして、ビジネスで重要なのはむしろ書く能力だったりするのです。
別に1と2が終わっていなくてもいいんです。中学英語に穴があるな、と思ったらそれを埋めればいいんです。定期的に使って自分の足りないところを発見し続けるのがポイントです。
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「インプット」と「アウトプット」をバランスよく
よく「たくさんおしゃべりしてれば上手くなる」なんていう学校もあるようですが、漫然とおしゃべりだけしていても表現に幅や深さが出てきません。ずっとお天気や趣味の話をするだけで満足ならばそれでもよいのですが、もっと深い会話をしたいのなら、それを支えるだけのインプットが欠かせません。会話に深さを与えてくれるのはおしゃべりの繰り返しではないのです。
読んだり聞いたりというインプットと、実際に書いたり喋ったりと言うアウトプットはバランスよくやりましょう。最初のうちは会話偏重でもいいですが、簡単なことを喋るのに困らなくなってきたら、どんどんインプットの比重を上げていきましょう。結局読んだり聞いたりできないことは話せないし書けないからです。自分のアウトプットに幅や深さを与えてくれるのは、インプットの量なんです。
Brightureでできること
Brightureでは上3つのポイントに重きを置いています。だから発音をガッツリやります。読む課題を出します。聴く課題を出す事も多いです。また書いてもらっています。その上でスピーキングに取り組んで頂いています。また、プレゼンもやってもらっています。近道なんてないからです。
ブライチャーに来た多くの受講生が「勉強の仕方がわかった」と言って帰国していきます。また、同じゴールを共有する仲間たちができます。これがたとえ短期でも、ブライチャーで勉強する価値です。勉強を継続していくための刺激と、適切な学習方法が得られるのです。皆さんもブライチャーで集中的に学習してみませんか? 自分の弱点が見え、勉強への足がかりを得られることを保証します。