「助動詞 + 完了形」を攻略しよう!

高校生になると、過去完了形や「助動詞 + 完了形」といった文型が出てきます。正直、私はこの頃の授業の記憶がほとんどありません。馴染みのない文法用語が並んだ説明がちんぷんかんぷんで、見事に脱落してしまいました。みなさんはいかがですか?

でも、「助動詞 + 完了形」を使えるようになると、絶妙なニュアンスを表現するときに大活躍します。

そこで今回は、この使い方を解説します。

「助動詞 + 完了形」で表現する2つのパターン

「助動詞 + 完了形」の使い方は、大まかに2パターンあります。
1つは、「could have / would have / should have」を使って、過去の出来事に対する自分の気持ち(後悔)を表す使い方です。このパターンは、この3つで、大体ことが足ります。少し前の記事で紹介しましたので、ぜひご覧ください。

「would / could / should」を使って、3パターンの「後悔」を表現しよう

もう一つのパターンは、「○○だったかもしれない」のように、過去に起きたことの可能性を表現するときに、「助動詞 + 完了形」を使って表現します。そして、使う助動詞で可能性の度合いを変えることができます。
例えば、「彼女は悲しかったかもしれない」「悲しかったに違いない」「悲しかったはず」「悲しかったはずがない」というような感じです。

助動詞で度合いを変える

「待って。その前にそもそも助動詞って何?」という方へ。簡単に説明すると、助動詞は動詞の働きを助ける言葉です。「I run. (私は走ります)」という文に、助動詞「may」 を足すと、「I may run.(私は走るかもしれません)」となります。動詞の形はそのままでも、助動詞を足すことで意味が変わりました。このように、動詞をサポートするのが助動詞です。

助動詞には、「may, might, could, must」などがあります。英語では、この助動詞を置き換えることで、可能性の度合いを表現します。例えば「must」だと「絶対(100%)」ですが、「can」を使うと「ほぼできる(80%)」のイメージです。
この度合いは完了形に限らず、現在形でも同じです。

    It must be true.
    それは真実に違いない

    It should be true.
    それは真実のはずだ。

    It can be true.
    それは真実の可能性がある

    It could be true.
    それは真実かもしれない

    It may be true.
    それは真実の可能性がややある

    It might be true.
    それは真実の可能性が少しある


※「should, could, might」のような助動詞の過去形には、「過去」の意味がないので注意してください。ややこしいですが、これは、過去の出来事ではなく、可能性の度合いを表す助動詞と考えるようにしてください

「助動詞 + 完了形」で、過去の可能性を表現する

「助動詞 + 完了形」の場合も、だいたい同じ形で、過去の可能性を表します。

    She must have been sad.
    彼女は悲しかったに違いない

    She should have been sad.
    彼女は悲しかったはずだ。

    She could have been sad.
    彼女は悲しんでいたかもしれない

    She may have been sad.
    彼女は悲しかった可能性がある

    She might have been sad.
    彼女は悲しかった可能性がややある


なんとなくイメージできたでしょうか? この中で、「should have」と「could have」は、後悔を表現するときに使うことが多いので、日本語に訳すときには少し注意が必要です。
ですが、どちらも一般的に使われるので、どちらか片方だけでなく、両方しっかり覚えることで、スムーズな会話を楽しめるようになります。

・「should have」の使い方

    A:後悔
    I should have taken the exam.
    僕は試験を受けるべきでした

    B:可能性
    He should have arrived at his destination.
    彼は目的地に到着したはずだ


・「could have」の使い方

    A:後悔
    I could have given him the ride to the airport.
    空港まで送ってあげられたのに

    B:可能性
    John could have been sad, but he probably was not.
    ジョンは悲しんでいたかもしれないが、おそらくそうではないだろう。


実際に文章を作ってみよう!

それでは実際に文章を作ってみましょう!
日本語の文章を英語に、英語の文章を日本語にしてみてください。なんとなくイメージがつかめていれば十分です。 あまり硬くならずにチャレンジしてみてください。

・日本語から英語にしてみましょう

1.彼は試験に受かったに違いない。(ほぼ100%受かると確信している)
2.ジョン(John)は飛行機の搭乗に間に合ったはずだ。
3.マイク(Mike)はそこにいたかもしれない。
4.キース(Keith)はその男を見た可能性がある。
5.もしかすると彼女はパーティーに行ったのかも知れない。

・英語から日本語にしてみましょう

6.Jenny must have arrived to her destination by now.
7.Mary should have known him.
8.Peter could not have known Mary then.
9.I may have left the key in the car.
10.Anna might have forgotten about the meeting.

いかがでしたか? それぞれ解説しますので、ご自身の答えと照らし合わせてください。

    1.彼は試験に受かったに違いない。
      He must have passed the exam.

    これはきっと簡単だったのではないでしょうか? こんな感じでよく使います。「must have」ときたら「〜に違いない(ほぼ100%確信している)」と思って大丈夫です。


    2.ジョンは飛行機の搭乗に間に合ったはずだ。
      John should have been able to board his flight.

    「飛行機の搭乗」を「to board his flight」としましたが、「to board his plane」でもいいですし、「make to his flight」でもいいかと思います。


    3.マイクはそこにいたかもしれない。
      Mike could have been there.

    これは、マイクが「そこにいた可能性」がかなり高いイメージです。


    4.キースはその男を見た可能性がある。
      Keith may have seen the man.

    こちらはキースがその男を見た可能性が50%ぐらいなイメージです。


    5.彼女は( もしかすると)パーティーに行ったのかも知れない。
      She might have gone to the party.

    これは、「もしかするとパーティーに行ったのかもしれない」という感じですので、可能性が30%ぐらいな感じです。


    6.Jenny must have arrived to her destination by now.
      ジェニーはもう目的地に到着しているに違いない。

    「Must have」ですので、迷わず「〜に違いない」で大丈夫です。


    7.Mary should have known him.
      メアリーは彼を知っていたはずです。

    こちらは「メアリーはほぼ確実に彼を知っていたはずだ」という感じです。可能性80%といったイメージでしょうか。


    8.Peter could not have known Mary then.
      ピーターはその時メアリーを知っていたはずはありません。

    今度は否定文にしてみましたが、同じことです。この場合は「ピーター」が メアリーを知っていた可能性はおそらく70%ぐらいだ」というようなイメージです。


    9.I may have left the key in the car.
      鍵を車の中に置き忘れたかもしれない。

    こちらは、英文も訳文もほぼ変わりません。大体同じようなニュアンスです。


    10.Anna might have forgotten about the meeting.
      アンナは待ち合わせを忘れてしまったかもしれない。

    この文も、英文と訳文のニュアンスがほぼ同じです。


どんどん使ってみよう!

今回紹介した「助動詞 + 完了形」は、本当によく使うので、モノにしないのはあまりにももったいないです! しかし、このような文法解説記事を読んでも、実際に使えるようになるわけではありません。特に、可能性の度合いには正確なパーセンテージはないので、感覚で覚えていくしかありません。日本語でも、大きさなどを表現するときに使う、「とっても、非常に、めちゃくちゃ」の度合いは、みなさん感覚で身につけて、日常生活で使っていると思います。それと同じようなイメージです。

英語で表現する度合いの違いも、肌感覚で身につけていくしかありません。そのためにまず、いろいろなテレビドラマや Podcast を視聴し、何度もこうした「助動詞 + 完了形」の文章に遭遇してみることをオススメします。そして、オンラインレッスンなどを利用して、実際にこうした文型を使うと、さらに効果的です。

Brightureのレッスンで実践練習をする場合は、DC(Daily Conversation)、LS(1 on 1 Listening and Speaking)、SC(Social Conversation)などのスピーキングのクラスがオススメです。
正しく使えていない場合・あやふやな場合は、レッスン内のフィードバックで訂正されるので、しっかり確認することができます!

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