【英文法解説】「both / either / neither」の違いと使い分け

本記事は2021年2月11日に公開され、2025年5月21日に内容を更新しました。

「both」「either」「neither」の違いが曖昧なまま、なんとなく使っていませんか?
これらは中学校で習う基本文法ですが、実際に使うとなると動詞の形や主語との一致でつまずきやすいのが特徴です。

例えば、

  • 「Either A or B」の主語に続く動詞は単数形? それとも複数形?
  • 「Neither A nor B」のとき、be動詞は何になる?

このような細かいポイントで文法ミスをする中上級者も少なくありません。

本記事では、間違えやすい「both / either / neither」の文法ルールと使い分けのコツを、例文とともにわかりやすく解説します。間違えやすいポイントを整理し、自然な使い方ができるようになることを目指します。

まずは種類を知っておこう

「both」「either」「neither」は、英語で「両方」「どちらか一方」「どちらも〜ない」といった関係を表すときに使われる表現です。中学校で習う基本文法ですが、実際の会話やライティングでは意外と混乱しやすいポイントでもあります。

この3つを表にまとめると、このような感じになります。


これらは「相関接続詞」と呼ばれる文法項目に分類されますが、名称を覚える必要はありません。重要なのは、それぞれがどんな意味を持ち、どんな文型で使われるかをしっかり理解しておくことです。

とくに「Neither A nor B」は、動詞の形や語順で間違いやすい表現です。この記事では、こうした文法上の注意点や間違えやすい使い分けを詳しく見ていきます。

「Both… and…」「either… or…」 の動詞の形に注意

「both」「either」「neither」の使い方で特に注意が必要なのが、動詞の形(単数/複数)です。

Both A and B
主語は複数扱い → 動詞も複数形
例:Both Mom and Dad are going to be out of town this weekend.

Either A or B
主語は基本的に単数扱い → 動詞も単数形
例:Either Mom or Dad is going to be out of town this weekend.

ただし、主語が複数形を含む場合は、動詞は「より近い主語」に合わせるというルールがあります。
例:Either Dad or the children are in the house.
※children に合わせて複数形の are

このように、「Either」の構文は一見単数扱いに見えても、文型によって動詞が変化することがあります。特に、動詞を主語に近い語に一致させるという点は、多くの中上級者が見落としがちな落とし穴です。

また、三人称単数現在の s の付け忘れにも注意が必要です。
例:Either John or Mike uses an iPhone.

「名詞がふたつ並んでいる=複数形」と思い込まず、主語全体の構造を見て動詞の一致を判断することが大切です。

混乱しやすい「either A or B」の質問にどう答える?

「either A or B」を使った質問は、一見シンプルですが、答え方を間違えると意図が正しく伝わらないことがあります。

例えば次のような質問

    Do you want to go to lunch at either noon or 3 pm?
    (ランチは正午と午後3時のどちらかで行きたいですか?)


このような質問に対して

  • 「Yes」= どちらでもいい、OK
  • 「No」= どちらも無理(=ランチに行かない)

という解釈になります。

回答の例はこのようになります。

    Yes, either noon or 3 pm is fine.
    (はい、どちらでも構いません)

    No, I’m packed with meetings all day.
    (いいえ、一日中予定が詰まっています)


ですので、「either A or B」で質問された場合には、「Yes / No」だけでなく、理由や希望の時間帯を添えて答えることで誤解を防ぐことができます。
また、このように応用することもできます。

    Either Saturday or Sunday works. Let me know which is better for you.
    (土曜日でも日曜日でも構いません。どちらが良いか教えてください。)

    Either is fine by me. Just let me know the details.
    (どちらでも構いません。詳細を教えてください。)


このような表現を押さえておくと、選択肢を与えられたときに自然な返答ができるようになります。

「両方とも〜していない」と言いたいとき

「両方とも〜していない」と英語で言いたいとき、「Both A and B are not…」と、否定形で表現しようとする方が多く見られます。

たとえば「Both John and I are not going to lunch.」などです。
これはこれで意味は通じますし、間違っているわけではないのですが、やや不自然です。

このような場合、より自然なのは「neither」を使った否定構文です。

    Neither John nor I am going to lunch.
    (ジョンも私もランチには行きません。)

    Neither of us is going to lunch.
    (二人ともランチには行きません。)


「neither」は単数扱いになる点にも注意が必要です。つまり、be動詞は通常「is」を使いますが、「I」 や「we」が含まれる場合は、それに合わせて変化します。

    Neither John nor Mike is coming today.
    (John も Mike も今日は来ません)

    Neither John nor I am coming today.
    (John も私も今日は来ません)


また、「neither… nor」の構文でも、動詞は「より近い主語」に一致させる必要があります。

英語で否定を表現するときには、つい「both」を使ってしまいがちですが、「両方〜でない」と言いたいときは、「neither」を使うことがポイントです。

「both / either / neither」の使い分けまとめ

ここまでに紹介した「both / either / neither」の文法ルールと使い方を、あらためて整理しましょう。

使い分けと動詞の一致ルール

「Both A and B」

  • 複数扱い
  • 動詞は複数形(例:are, have)

「Either A or B」「Neither A nor B」

  • 基本は単数扱い。ただし、動詞は主語に近い名詞に一致させる。

例文で再確認

    Both John and Mike are coming.
    (ジョンもマイクも来る。)

    Either John or Mike is coming.
    (ジョンかマイクのどちらかが来る。)

    Neither John nor Mike is coming.
    (ジョンもマイクも来ない。)

    Neither John nor I am coming.
    (ジョンも私も来ない。)

よくあるミスと注意点

  • 複数名詞が並んでいても、構文によっては単数扱いになることを忘れずに
  • 「両方〜していない」は neither を使う方が自然
  • 動詞の一致(主語に近い語に合わせる)は必ずチェック

英文法はルールを理解するだけでなく、実際に口に出して練習することが定着への近道です。
映画やドラマのセリフに注意を向けたり、自分で英文を作って音読したりして、使える英語として身につけていきましょう。

    Mike: Hey, both John and I are planning on going to Mt Fuji this weekend. Do you want to come along?

    Andy: Sure. Which day are you going to go there?

    Mike: It really doesn’t matter. We can go either Saturday or Sunday. Which day would you like to go?

    Andy: Hmm. It has to be Saturday as I am visiting my Mom on Sunday. Hey, do you mind if I bring my wife along? The only problem is that neither I nor my wife can drive. Would that be a problem?

    Mike: Nah. Either John or I can drive. You guys can pay for the gas. How’s that sound?

    Andy: Sounds good to me. What time shall we leave?

    Mike: Let’s leave early. Either 5 or 6 am?

    Andy: Either is fine by us.

    Mike: OK. We will leave at 5 then.


    マイク:ねえ、ジョンと僕は今週末に富士山に行く予定なんだ。一緒に行く?

    アンディ:もちろんだよ。どっちの日に行くの?

    マイク:まあどうでもいいよ。土曜日か日曜日のどっちでも。どちらの日に行きたい?

    アンディ:うーん。 日曜日に俺のお袋のところに行くので、土曜日だな。ねぇ、嫁さんを連れて行ってもいい? 問題は、俺も嫁さんもどちらも運転できないんだよ。それでもいい?

    マイク:いや。ジョンか俺が運転するからいいよ。お前らはガソリン代を払えよ。それでいい?

    アンディ:おお、いいよ。何時に出る?

    マイク:早めに出よう。5時か6時?

    アンディ:どっちでもいいよ。

    マイク:OK。じゃあ5時に出発しよう。

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博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。