21 1月 「受験テクニック」より「基礎ライティング力」を徹底強化:帰国子女受験で役立ったブライチャーの個別指導
「インターナショナルスクールに通っていれば、子どもの英語力は自然に伸びる」と思われがちですが、実際には “頭打ち” を感じているケースは少なくありません。
Aさんは、ベトナムのインターナショナルスクールを経て、日本の中学校の編入試験に合格。塾選びに迷い、試行錯誤しながら「ブライチャーで基礎を徹底的に鍛える」という選択にたどりつきました。受験テクニックよりも、本当に必要なものは何だったのか。お母さんのYさんにもお話を伺いました。
Aさん/10代/女性/学生
まずはバックグラウンドを教えてください。
Yさん(お母さん)
夫の仕事の都合で、日本で出産した後、0歳から4歳まで台湾に住んでいました。現地では中国語の幼稚園に通っていて、当時は中国語をかなり流暢に話していました。英語については、DVDを見せたり、日本の通信教育を少しやる程度でした。
その後、ベトナムのホーチミンに移動し、5歳からインターナショナルスクール(インター)の幼稚園に入れました。そこは、英語が第二外国語の子ども向けにアルファベットやフォニックスを教えてくれる園で、「ここを経てからインターに入ると楽になる」と聞いたため、1年間通わせました。
中国語も続けてほしかったのですが、インターの先生から「3言語は難しいので、どれかは諦めてほしい」と言われ、中国語はやめて英語に集中することにしました。自宅では日本語を維持しています。
夫は英語で仕事をしており、私は中国語が話せるため、娘自身も幼い頃から「第二言語がある」という感覚は持っていたと思います。
1年ほどで環境にも慣れ、楽しそうに過ごしていましたが、驚いたのは、幼稚園の段階で環境問題などを扱っていたことです。壁に掲示されている内容を見て、「うちの子だけ内容が分かっていないのでは」と不安になり、ブライチャーに相談したことがありました。
その時はインターの先生から「もう少し様子を見ましょう」と言われたのですが、「アカデミック英語は少し厳しいかもしれない。ちゃんとついていけるのだろうか」と、他の子と比べてしまったのです。
小学校低学年でのブライチャーはあまり楽しくなかった
なぜブライチャーに打診されたのですか?
Yさん(お母さん)
もともと私自身がブライチャーで発音を学んでいました。それに、他に頼めそうなところを思いつかなかったのです。
しかし、相談してみると、「レッスン自体はすべて英語で、小さな子ども向けのプログラムは提供していない」と言われ、その時は諦めました。
その後、ホーチミンのインターナショナルスクールに通わせると、友達とも楽しそうに遊び、先生ともよく会話していたので、ひとまず安心しました。国際バカロレア(IB)の小学校で、漫画や小説も読んでいましたし、ノートを見ても大きな問題はなさそうでした。
当時のクラスメートで多かったのはベトナム人と韓国人。他に多国籍の子達がいました。
先生からは、「1年生、2年生は英語が多少遅れていても、問題視しない。今はできなくてもリカバーできる」と言われました。
しかし、私のほうがまた「アカデミックの英語に追いつけないのでは」と不安になってしまいまして。そこで、またまたブライチャーにお願いをして発音のレッスンをやってもらうことにしました。
実際にやってみたら、娘はスピーキングと発音のレッスンを「楽しくない」と感じてしまいました。
当時通っていたIB校は、遊びと学びが一体化していて、「勉強している」と意識させない学校でした。机に向かって勉強するのは、日本語の補習校くらい。一方で、ブライチャーは日本の社会人向けに作られているため、机に向かう「お勉強」に慣れていない娘には合わず、結局やめることになりました。
その後はどうなりましたか?
Yさん
コロナ禍の最中に転勤があり、ハノイのアメリカ式インターナショナルスクールに転校しました。
先生方が非常にウェルカムな雰囲気で、英語を第二言語として学ぶESLにも入れてもらい、先生がしっかりバックアップしてくれる、とても良い環境でした。テストやプレゼン、普段の授業の様子を見た結果、最終的にはESLも修了できました。
中学2年までその学校で過ごし、今年の6月、「日本に帰国してやりたいことがある」という娘の希望で、日本人学校に編入しました。そこで、日本での帰国子女受験を意識し、再びブライチャーを検討するようになったのです。
Aさん
志望していた中高一貫校は2校あり、どちらも編入試験に英語のエッセイがありました。
日本人学校ではエッセイを書く機会がほとんどなく、「このままでは確実に落ちる」と思い、いくつか日本の塾を試しましたが、どれもあまりしっくりきませんでした。
関西の帰国子女専門塾では、エッセイを添削してもらっても、「違う」「意味がわからない」と言われるだけで、「どこをどう直せばいいのか」が分かりません。「流れを変えて」と言われても、「流れって何?」という状態で、指導がぼやけていると感じました。
「受験のテクニック」は存在しないかも?と思い始める
Yさん(お母さん)
帰国子女に対する試験には、日本語ベースと英語ベースが2パターンあるんです。日本語ベースだと、受験科目は国数英。英語ベースだと英数で、娘は後者でしたから、周りはほぼインターの卒業生となります。全員が海外で教育を受けてきているので、英語がちょっとできるだけではダメです。
関西の塾には「志望校受験の傾向やテクニック」を期待していましたが、5〜6回通っても、そうした話は一切ありませんでした。
よく考えたら、英語のエッセイの公開されている過去問は1回分。そもそも解答例は公表されていないのだから、どういうふうに答えたら受かるかは誰にもわからない。もしかしたら、塾側もテクニックなんてわかっていないのでは、と思いました。
よく、YouTubeで受験のテクニックなどと言ってる人がいるけど、日本の学校の帰国子女受験も、テクニックは存在せず、実は「これを書けば受かる」はないのでは、と薄々思い始めました。
さらに授業後、娘が終わった後にブスッとしてて、イマイチだというのです。「抽象的なことしか言われない」と。先生は現役の大学生で、娘のほうが英語ができていたようです。
ダメ出しをされた時に、「お母さん、何がダメだったか聞いて」と言われて問い合わせしたことがあるんです。そしたら授業のメモが送られてきたのですが、「具体的に」「抽象的すぎ」といった言葉が4つ書かれているだけ。何をどう改善すればいいのか分からず、ここは違うと判断しました。
東京の帰国子女塾にも行きましたが、関西の中高一貫校対策はしていないと言われ、こちらも断念しました。
唯一良かったのは、ホーチミンにある外国人講師のオンラインチューターでしたが、1回1万円以上と高額でした。
そこで、「基礎を徹底的に高める」方向に切り替え、厳しく指導してくれるブライチャーのライティングクラス(Reading and Writing)のみを受講することにしました。
以前、私が発音の授業を受けた時に、Aの発音がなかなかできなくて、できるまで絶対に先に行かせてくれないことを知っていました。それで過去に挫折した経験があるのですが、娘に再度勧め、ライティングクラスのみを受けることにしました。
ブライチャーにあった「具体的なめったうち」
Aさんは、以前はブライチャーがあまり楽しくなかったと聞きましたが、今回はなぜやる気になったのですか?
Aさん
前回は自分からやろうという感じではなかったし、先生の英語が分かってなかったんです。今回は、受験もあるし、自分でなんとかしようという気持ちが強かったと思います。
ブライチャーは帰国子女向けというより社会人向けですが、何か工夫をされたのですか?
Aさん
志望校は過去問を公開していました。「社会的なエッセイを読んで自分の考えを述べなさい」、とか、「3つの言葉を入れて物語を作りなさい」とか。
母が事務局にその過去問を見せて、「この内容でお願いします」と伝えたところ、引き受けてもらいました。
久々にやってみてどうでしたか?
Aさん
二人の先生に習ったのですが、相性も良く、教え方がうまくわかりやすい。特に Ms. Alma が好きでした。
もともと、インターナショナルスクールで英語のエッセイを書いていたので、簡単な文法や、エッセイの型(「Introduction」とか「 Conclusion」など)は知っていました。ただ、受験するのは帰国子女ばかりで、英語が強い子ばかりだから、プラスアルファがないと、と思いました。
文章を送ると、手ひどいことは言われないのですが、「あなたは語彙が足りない」と、具体的な内容がある「めったうち」にしてくれるんです。共有した文章で、先生が間違えている部分をハイライトし、こうすれば良かった、と教えてくれるので、わかりやすく共感できる。
「ああ、確かに」となり、だから、何をやればいいのかがわかるんです。Googleドキュメントを使うので、復習でも見返すことができ、話が頭に残るのもよかった。
最初から試験の対策をしたのですか?
Aさん
ライティングは半年ほど、基本となる Expository Writing や、Argumentative Writing、Narrative Writing などの課題を週1回行いました。
「ニュースを読んで書く」スタイルで、受験で想定される受験と似ていました。受験の2ヶ月くらい前に、志望校の過去問を始めました。
ブライチャーで学び始めてから何か変わりましたか?
Aさん
語彙や文法のバラエティが増えました。セミコロンの使い方、コンマの使い方、文法的なことなど、学校より細かく教わりました。
例えば、「Such as」の後にセミコロンを入れて文章をつなげるとか、接続語も 「Nevertheless」や「Undoubtedly」とか、それまで使わなかったアカデミックな表現が使えるようになってきました。
途中から志望校に英語の面接があることを知り、慌ててスピーキングを週1でいれました。
スピーキングのレッスンはどんなことをやったのですか?
Aさん
二人の先生にお願いしたのですが、一人の先生にはブライチャーのスタンダードの授業で、LS(Listening and Speaking)をやりました。
もう一人の先生には、予備面接をお願いしました。LSは苦戦しましたが、予備面接は、すごく役に立ったと思います。
この時も、事務局にお願いして、Googleドキュメントで受験の背景や、面接で聞かれそうなことをあらかじめ伝えました。
具体的には、過去問を参考に、まずは書いた質問に対して答えを書くことから始めました。次に、できた志望動機を声に出して読み、指摘を受けながら練習しました。
最初はイントネーションを間違えてるとか、強調すべき言葉を大きめの声で言うとか教わりながら5回練習し、最後のほうは暗記して模擬面接をやってもらいました。
本番はどうでしたか。
Aさん
志望校のライティングの試験では、ブライチャーで教わったハイレベルな文法とか語彙を活用できました。志望動機も抑揚をつけて話せたと思います。一方、もう1校は物語が壮大になりすぎ、書き切れず失敗しました。
ブライチャーはハイレベルな会話を学べる場として、良い選択肢になる
受験を振り返ってどうでしたか。
Yさん(お母さん)
娘はインターナショナルスクールで散々エッセイを書いて土台ができていたため、ブラッシュアップという意味でブライチャーと相性が良かったのだと思いました。私が同じ年代で同じようにやったら無理かもしれません。
これからの帰国子女受験をされる方にアドバイスをお願いします。
Yさん
ブライチャーは、授業がすべて英語で行われます。そのため、英語で授業内容を理解できないと、正直かなり厳しいかもしれません。
日本の学校に通っている場合でも、時間に余裕があれば、まずはスピーキングや発音から始めるのは良いと思います。受験が始まるとどうしても必死になりますが、中学1年生から取り組めば、インターナショナルスクールの生徒に並ぶことも十分可能だと思います。
テクニックを教えてくれる塾と併用するのも一案です。そうすれば、合格の可能性が上がるかもしれませんし、「クオリティ」で勝負することもできます。ただ、私の場合は、傾向も対策もほとんど得られなかったというのが正直なところです。
帰国子女であっても、アメリカやイギリスなど、英語が第一言語の国で生活していれば、日常的に英語を使うため語彙は自然と広がると思います。しかし、ベトナムのインターナショナルスクールでは、英語は第二外国語であるため、クラスメート同士の英語がどうしても簡単なものになりがちです。先生も全員に伝える必要があるため、難しい語彙を意識的に避けるようになります。
さらに、学年が上がるにつれて民族ごとに固まる傾向が強くなり、アカデミックな英語に触れられる場が先生とのやり取りに限られてしまいます。結果として、英語力を高め合う機会が少なくなってしまうのです。そのため、ベトナムでも裕福な家庭では、セカンダリー(中等教育)から欧米に移るケースが見られます。
このように、インターナショナルスクールに通ってはいるものの、英語力が頭打ちになっている人にとっては、ブライチャーはハイレベルな会話を学べる場として、良い選択肢になるのではないでしょうか。
また、早め、早めにやっておくのがいいと思います。面接の練習はなんとか5回やりましたが、今思うともうちょっと先に調べておけば良かったと思います。回数を重ねておけば緊張が取れていきます。
Aさん
ブライチャーはハイレベルなため、日本人学校から来た場合、今すぐにいきなりブライチャーだけで学ぶのは難しいと思います。もし受験でブライチャーを活用するのであれば、1〜2年ほど時間をかけて、じっくり取り組むほうが良いでしょう。
最初の段階では、日本語を併用して説明してくれるような、比較的わかりやすい他の塾と並行して進めると、学習にメリハリがついて良いのではないかと思います。ブライチャーはすべて英語で行われるため、負荷も高いからです。
ただし、最終的にはすべて英語の環境にしたほうが、英語には確実に慣れます。日本語が使える環境だと、どうしても「日本語が分かればそれでいい」となってしまいがちです。すべて英語だからこそ、必死に理解しようとする姿勢が生まれます。
今後の予定を教えてください。
Aさん
入学してからも、ひと段落したら英語力を落とさないために続けたいと思います。続けないと実力が落ちるのは、中国語でわかったので。高校では国際バカロレアに進みたいと思っていますので、学校でも英語を指導してくれると思いますがブライチャーのライティングやスピーキングも続けたいと思います。
ありがとうございました。
