07 1月 43歳で初めての留学。発音を学んで「ここに日本の英語教育に欠けているものが全部ある」と思いました
長年空港で仕事をされており、外国人旅行者にインタビューをしたり、英語を使う機会が多いというKさんは、2019年にブライチャーのセブ校に留学、帰国してからはほぼ毎日英語の勉強を続けています。 My Brighture で発音のレッスンを受けているKさんに、勉強が続いている秘訣を聞きました。
Kさん/40代/男性/会社員
最初にブライチャーのセブ島に留学されています。どんな経緯だったのでしょうか。
英語を勉強したいと漠然と思ってたのですが、特に強い動機はありませんでした。受験勉強以来、社会に出てからは散発的に思いついたら勉強していましたが、なかなか続かなかったのです。 当時、あえて言えば3つの動機がありました。
一つ目は、空港で働いていて、外国人と日常的に接していることです。普段から、英語を使おうと思えば使える環境にいて、海外とやりとりする部署に異動も希望できる。漠然とそういうところに行けたらいいな、と。そう思いつつ、踏み出せなかったんですね。
もう一つは、退職後、オプションとして海外で生活できたらいいな、と思っていたことです。英語ができないとかなり可能性が閉ざされるな、と。
でも一番のきっかけは、2018年に、思いつきでアムステルダムに2週間旅行して、ゲストハウスに泊まったことです。そこで仲良くなったアメリカ人とベジタリアンのレストランに行ったのですが、会話が続かない。最初は好意的でしたが、もういいよ、という感じで諦められてしまい、英語は必要だな、と思いました。
それまでも勉強はしていましたか?
受験勉強の経験から、「日本の英語教育はダメだな」と思っていました。大学卒業時の英語力は感覚的に英検2級に届くか届かないかくらい。2002年にTOEICを受けて、650点でした。
空港の仕事では英語を使いますが、ブロークンで、子供の英語みたいでした。何より文章が全然書けなかった。
そして、アムステルダムの旅行をきっかけに、2019年の初めにオンライン英会話を始めました。
しかし2、3ヶ月やって、ダメだなと感じた。普通の会話だけで終わってしまう。仲の良い先生ができて、英会話に慣れるという意味ではいいんですが、必ずしも語学力には結びつかないんです。中には、ずっと一方的に喋る先生もいました。
そのころに、Twitterで松井博さんの発信でブライチャーのことを知りました。「たくさん読んで、たくさん聞く」ことと、発音が重要だと言っていて。当時は「日本人なら日本人英語でいい」みたいな意見が多かったので、そういう発想はあまりなかったんですね。
いいなと思って、当時渋谷にあったブライチャーの渋谷校に行きました。カウンセリングを受けて、留学の相談に乗ってもらいました。
フィリピン人の先生がいて、Listening and Speaking(LS)の体験レッスンをやってもらったのですが、全然できない。できなかったが、喋ってる英語をその場で直してもらって、アセスメントを受けて、「やってみよう」と思ったんです。当時はいいのかどうかよくわからないままに2週間申し込みました。
「英語できるじゃないか」とタクシーの運転手に言われたが深い話ができなかった
セブ島での経験を教えてください。
43歳で初めての留学です。どうなるのかな?と思いました。初日に、タクシーの運転手と英語で話し「英語を学びにきた」と言ったら、「英語できるじゃないか」と言われた。確かに、当時はTOEICで700点くらいで、職場には外国人も来る。しかし簡単な会話はできるけれども、深い話ができないんですね。
学校教育は基本的にはスピーキングとリスニングはほとんどやらない。働いているとやはりスピーキングとリスニングが重要です。ここを伸ばそうと思い、最初は発音だけたくさんやりたいとリクエストしたんですが、先生から「ライティングを含めて全体的にやることが重要」と言われて、他のクラスもとりました。
実際の授業はどうでしたか?
全部面白かったですが、やはり目的だった Phonics and Pronunciation(PP)のクラスがすごくよかったです。
ここには、日本の英語教育に欠けているものが全部あると思います。
例えば、僕の名前は「KEN」と発音するのですが、日本語で「KEM」と発音していることに気づいた。「Sing a song」をつなげて発音すると、「a」が別の音のように聞こえるとかね。こういう違いは、学校教育で聞いたことがなかった。
発音に関しては、松井さんの本を読んで「別に、簡単でしょ、できるでしょ」と思ったんですが、舐めてましたね。そもそも、日本語と英語って音が出てくる体の場所が違うんです。喉を使うとかね。
それから意外に難しかったのが Reading and Writing(RW)です。以前から、オンラインで英語の添削はやっていて、文章を読んで感想を2、3行書くみたいな感じで、それでもいいかなと思ったのです。しかし、こんなに真剣にやるのか、レベルが高い、全然違うな、と驚きました。
どう違ったのでしょうか?
まず書く分量が違います。「英文ライティングって、最初に結論持ってきて、理由を順番に書くのかな?」と思っていたら、全然違っていた。
そもそも文章を書く目的に応じてライティングのスタイルに種類があるということも、文と文のつなぎで使うべき言葉があることも知らなかった。
大変ではなかったですか?
いえ。スパルタを希望していたのですが、思ったほどスパルタじゃないなと。しかし当時いたクラスメイトに聞くと、「この学校は自分の実力よりちょっと上」を要求してくるので、何ヶ月いても全然楽にならない」と言われました。
個人的には、もっとハードでも良かった。僕がいた当時は、事前に出される宿題がそんなに多くなかったんです。現地での宿題は多かったですが、やれないほどではなかった。
帰国した直後から毎日3時間を目標に勉強を開始
2週間が終わってどうでしたか?
このやり方を続ければ絶対できるようになると確信し、また来年も来ようと思いました。
2019年9月29日に帰国。翌日の30日、10月1日は疲れたので休んだのですが、2日から今日まで毎日、1日3時間を目標に、平均1,2時間勉強しています。スタディプラスを使って、内容を記録しながらやっています。
どんな勉強をしていたのでしょうか。
ブライチャーで勧められたとおり多聴・多読をやりました。
多読は興味があること、例えば、メディテーションとか、ウォーレン・バフェットの人生などについて、ネットで読んでいます。最近ピューリッツァー賞をとった台湾人の移民の本も読みました。
Podcastは当初、簡単なもの(VOAとか、5minutes Englishとかからスタートして、今はSpotifyで興味があるもの(BBC World of Secret)や、カイルマクラクランの「Varnamtown」というPodcastを、スクリプトを見たりしながら何回も聞いています。
それから、TOEICの勉強も始めて880点を目指しました。こちらはその後、達成しました。
その後留学は行かれたのですか?
2020年に行きたかったのですが、コロナで行けなかったのです。その後、ブライチャーが留学の規模を縮小したので、2023年にフィリピンの違う英語学校に2週間行ってみました。
オーナーが韓国人、基本的にアジアから生徒がいっぱいきていて、台湾人、ベトナム人、オマールの人、多国籍の人がおり、日本人は多くない環境でした。
しかし良かったのは多国籍の人がいたことだけで、授業はブライチャーのほうが良かったです。
その後どうしましたか?
ブライチャーのオンラインクラスをやってみようと思いました。元々やりたかったが、値段が安くないので、どうしようかなと思っていて。けれど、今だったら、値段的にもブライチャーが一番いいかなと思ったんですね。
フリートークが短い。長くても10分。普段は3、4分で終わるし、そのほうが自分にとってはいいなと思って。
そこで、会社の補助をもらい、6ヶ月120ポイントのコースを買いました。週1、2回くらいで Speech Fluency(SF)を始めました。
オンラインでのSFはどうですか?
SFは難しいですね。PPは個々の発音を学び、リンキングを意識して読む。SFは感情を乗せるみたいなところがあると思うんです。一番難しいのは感情を乗せるところで、ニュアンスを伝えるのが難しいですね。
しかし、途中で PPも終わってないことを先生から指摘されて、Rコントロールの音と子音をやっていなかったので、その後はPPに切り替え、4月から半年やっています。
僕はしつこく直してくれる人がいいので、一人のベテランの先生に決めて、「進まなくていいので厳しくしてほしい」と言っています。
変化はありましたか?
目標は「相手の言ってることを100%理解し、自分の言いたいことを100%言いたい」です。そこからすると、まだ50%くらいかな。
職場で外国人からの電話をとるのですが、だいぶ聞き取りはできるようにはなっているものの、正直、まだ難しいなと思います。即効性は期待してなくて、長い目で見ています。
日本人の弱点を理解している
ブライチャーをお勧めしますか?
全員にお勧めしますし、実際に、家族にも勧めています。プロフェッショナリズムを感じる。
合う、合わないはあると思いますが、日本人ならやるべきだと思います。日本人の弱点を理解して、直すのが主眼の学校です。他の学校行った時に、日本人向けならブライチャーがいいと思いました。
最後に、これから始める方に、伝えたいことはありますか?
やりたいなら早く始めたほうがいい。特に発音は早く覚えたほうが絶対にいいと思います。先入観、経験がない状態から始めたほうが素直に習得できると思います。
何よりもブライチャーでの学習は楽しく充実感があるんですね。毎回、「勉強した」という気がする。つまり、やってることが、ちゃんと積み重なるようなやり方でやっている、上達に向かっている実感があるのです。
フリートーキングだと流れていってしまい、長期的にみたときに上達しているのかがわからない。楽しんでいるので、これをもうちょっと自分のレベルを上げるようにできればなーと思います。
英語を学ぶと、日本人にはない価値観を学ぶこともできます。もっと気楽に生きていいんだ、みたいな価値観に触れられるのも、勉強する原動力になっています。
ありがとうございました。