「勉強はいつからでもできます」42歳から英語を始め、貿易業を経てIT職に転職。TOEICは550点から880点に

42歳での怪我をきっかけに本格的な英語学習を始め、2019年9月に1週間セブ校に留学したIさん。その後は My Brighture で週2レッスンのペースを継続しています。TOEICは最初の550点から880点に大きく向上。接客業から英語を生かして転職し、貿易事務を経て、今はIT企業で仕事をし、英語で議事録を取るまでになりました。どんなふうに学習に取り組まれているか聞きました。

Iさん/40代/女性/社会人

きっかけは42歳での怪我だった

まずは、なぜ英語の勉強を始めたのかを教えてください。

勉強を始めたのは42歳です。接客業でしたが、休日に大けがをして2、3ヶ月動けなくなりました。療養しながら「今後生きるのに必要な能力はなんだろう?」と考え始めたのですが、外資系でマネジャーをやっていた夫が英語の勉強を勧めてくれました。

最初はどんなふうに勉強されたのでしょうか。

もともと、仲間に外国人の友達がいたため、簡単な会話はできました。そこでまずは、オンライン英会話(DMM)でニュース記事を学習し始め、参考書でTOEICの勉強をしました。

貿易事務の後に「英語もITもできたほうがいい」と言われ、IT業界に転職

変化はありましたか。

初めて受けたTOEICは550点でしたが、その半年で680点になりました。「ここまで来たので、英語で働いちゃおう」と、貿易の勉強をし、貿易事務の仕事を始めました。

しかし、飛び込んでみると、その程度の英語では厳しかったのです。まず実務に即した使えるボキャブラリーが少なかったこと、シンガポールなど非英語圏とのやりとりが多く、発音も習ってきたのと違ったこと、レスポンスの速さを求められたことーーこのままだと仕事としても中途半端だし、ブラッシュアップしないと、と焦りました。

同時に、「貿易事務のほかにも武器を持たないと」と思い始めました。元々IT業界に興味があり、夫からは「英語もITもできたほうがいい」と言われて、44歳で、貿易からITに転職しました。

最初は英語と日本語のヘルプデスクです。当時の英語の使用頻度は3割で、顧客はアジア・アメリカが多かったです。同時にシスコのネットワーク系資格を勉強し、ネットワーク運用保守の仕事に移りました。その後運用管理に異動したのですが、少し期間があったので、「留学しよう」と。ブライチャーのセブ校に行くことにしました。

なぜブライチャーにしたのでしょうか。

元々Twitterで松井博さんをフォローしてて「英語学校の中では一番厳しそうだな」と思って。行くしかないと。

セブの1週間について教えてください。

Phonics and Pronunciation(PP)Business Writing(BW), Business Coaching(BC)を中心に受けました。

アットホームな学校で、先生とのコミュニケーションは柔らかかったですが、授業内容は厳しかったです。しかし想像してたのと少し違いました。

一番受けてよかったのが発音(PP)のクラスです。 恥ずかしながらリスニングは多少自信がありましたし、発音も褒められることが多かったのです。「聞いて真似すればいいんでしょ」と思ってたので、首から上の、使ったことのない筋肉を動かす訓練が衝撃でした。帰って顔が強張ってしまって、「こんな学習したことない」と。

Business Coaching(BC)も面白かったです。シチュエーションでどう話すか? ロールプレイをしました。今まで仕事をしていて、「どう答えたらいいんだろう?」てシチュエーションが多かったので、糧になるなと思いました。

1週間行って何か変わりましたか。

「たった1週間では変わることはできない、英語学習は一生やらないといけないのだ」と悟りました。自分は、全体に4技能的なもののレベルが低く、1日英語を使って過ごすためのスキルが劣っていると実感しました。

「話せない」の壁はライティングで突破した

その後はどう学習を続けたのか、教えてください。

帰国してから、スピーキングに特化した勉強を開始しました。My Brighture で、週2レッスンのペースで、最初は Listening and Speaking(LS)だけを取りました。

すぐに「話せない」壁にぶち当たりました。「即興の2分スピーチ」がほぼできなかったのです。2分間が全部、「あー、うー」のようなフィラーだけになってしまいます。「スピーキングだけじゃなく、実力が全体的に欠けている」とわかってきました。

伝えられない。なんでだろう? とずっと考えました。

会話のリズムや流れを身に付けたかったので、1ヶ月くらいしてSF(Speech Fluency)も始めました。ただ、これは早すぎたと思います。まだその段階ではなかったのです。 「あれ?」と思うようになり、自信喪失していました。

どうやってスランプから脱したのでしょうか。

1年半ほどLSを続けた後、「もしかすると、リーディングとライティングをやらないと、話せないのかな」と思い、科目をLSとRWに変えてみたところ、すごくよくなり、ふに落ちました。文章を頭で組み立てるのにも時間がかかってるのだから、書けないのに話せるわけがない。話すときにすぐ話せないのは当然だ、と。

文章で200−300文字の考えをまとめる訓練をすると、頭の中で短いセンテンスを作ることに慣れる。これはすごく役に立っていて、LSの考える時間で応用できるなと思いました。

「流し聞き」で雑念をのぞく

インプットはどのようにしていますか?

1年以上、在宅で仕事をしているため、家でBBCとかCNNをつけっぱなしで仕事してます。それから毎日NPRでニュースを読んでいます。

リスニングの力が上がってきたなと感じたのは、「一つひとつ聞くのではなくて、『流し聞き』するようになってからです。コロナの期間にジョギングと同時に、Podcast を聴き始めたのです。

今までは、一つひとつの単語に集中して、わからない言葉があると、そこで止まっていました。 走りながら聞くと流し聞きができ、変な雑念が取り除かれ、軽く聴ける。全体の大まかな意味を理解するようにシフトする。そこから単語を推測できるようになりました。

この夏は暑かったので、家でエクササイズできるステッパーをしながら、見たかったドラマを固めて見てます。「ながら」だと、細かい言い回しがスッと入ってくる。

あと、アプリの「Duolingo」が気分転換になります。私は日本語の「Duolingo」が嫌いで、英語版でスペイン語を気分転換としてやってますが、英訳したときに、単数・複数を間違えるのが気付きになるのです。

DMM英会話も続けているのですか?

DMMは気楽なアウトプットの場所としてずっとやっています。普段、ニュースをつけっぱなしにしてるので、「デイリーニュース」を選び、週に3、4回、そのニュースについてディスカッションする時間にしています。

ブライチャーとDMM英会話との違いはなんでしょうか?

かなり違います。DMMがアウトプットなら、ブライチャーはライザップ的。会社で英語を使うのは2割程度ですが、いきなり何か起きると突然ハードな仕事が振られます。そのときのためにブライチャーで厳しく鍛えています。

DMMとブライチャーの大きな違いは、ディスカッションの重さです。

DMMはニュースもほぼほぼフリーカンバセーションで、「うちの近所ではね」みたいな軽い会話です。ただ漫然と喋るだけでうまくなるのは難しいです。手持ちのコマでなんとかしようとするので、ボキャブラリーも会話の引き出しも増えない。それが嫌なので、あえて難しい単語も増やすように工夫しています。

一方、ブライチャーは構成を考えて2分のスピーチをしなくてはなりません。

1年続けて、何が変わりましたか。

英語での会議の進行を求められることもあるのですが、スピーキングの質が上がったと感じます。聞き返されることが圧倒的に減りました。

LSも、今は課題によってはフィラーを少なくできている。RWで議題をぼんと与えられて、自分の考えをまとめるのは楽しいです。ただ、書くのに最低1時間はかかるので、この時間を短くしたいです。

リスニングも楽になり、TOEIC880点になりました。

会議でのタイピングにLSが効いて「足を向けて寝られません」

今後の目標はありますか。

今年中にTOEFLかIELTSを受けたいです。2年でTOEIC880になりましたので、これをTOEIC900にするのが目標です。自分の今のレベルを把握しておきたいと思ってます。

今はスピーキングとライティングに焦点を置いています。

今の課題はなんでしょうか。

目標は、会話とリスニングの精度を上げることです。

今運用管理のメンバーですが、課題は米国の会社との会議です。会議で議事録をとるのですが、リアルタイムでタイピングします。言われてることをボヤッとではなく、確実に書けるかが試されます。この仕事はLSで鍛えた力をそのまま生かせます。LSにはほんとに足を向けて寝られません。

ここまで急に上達した原因はなんでしょうか?

仕事のプレッシャーがきいたと思います。私の場合、上達したいなら、上達しないと困る状況に自分を追い込むんです。「技能を取得したいから先に会社に飛び込んじゃえ」みたいな感じです。すると、なんとかしなきゃいけない。勉強って考えると嫌ですが、新しい知識を習得すると考えると楽しいです。

今後の学習計画を教えてください。

今のサイクルがうまく回ってると思いますので、引き続き、LSとRWで回したいです。スピーキングの精度が上がったら、発音のレッスン(PPとSF)のどちらかもう1つ入れて、さらにスピーキングを改善したいと思います。PPも甘くなってる意識があります。

それからハードウエア系の資格に加え、ソフトウエアの知識もつけていきたいです。

ブライチャーを目指す方に一言。

学習は何歳からでもできますよ、と言いたいです。ブライチャーは、自分に負荷をかけたい人にはぴったりの場所。ただ、基本的な会話も厳しい方には、初回から壁があるかもしれないとも思いますが、負荷を楽しめるのなら、これ以上ない場所です。思った通りに厳しくてよかった、と思います。

ありがとうございます。