スピーキングが伸びない人は、「インプット」が足りない

外資系企業に勤務するNさんは、シンガポール国立大学でMBAを取得。「英語がほとんどできなかった」状態から、「3年前の自分が聞いても絶対信じないであろう経験を積んで、生活ができています」と言います。MBA時代からブライチャーの「One on One Listening and Speaking(以下LS1)」を「留学やビジネスに必要なものが詰まっている」と受講し続けています。なぜこのクラスを重視するのか、どんなふうに勉強してきたのかを聞きました。

Nさん/30代/男性/コンサルティング業界

英語学習を始めた経緯から教えてください。

大学生の頃から漠然と、「世界で通用するビジネスパーソンになりたい」とMBA留学に憧れていました。日系の会社でシステムエンジニアとして7年間働いたのち、2018年に思い切って退職。アジアの時代を意識し、シンガポール留学を決めました。留学経験がなかったので、受験対策用に英語を学び、シンガポール国立大学に2018年8月~2019年12月留学しました。

シンガポール国立大学は難関ですが、英語はどのように勉強されたのでしょうか。

約1年かけ、試験の過去問を解いたり、MBA試験対策予備校やオンライン英会話で勉強しました。入学の要件に必要な英語の試験(IELTS, GMAT)やインタビューはクリアし、英語はできたつもりでいたのです。

予想以上に難しかったMBAでの授業参加

MBAの授業を受けてみて、英語はどうでしたか。

しかし入学してみたら、テストでの英語とはまったく別物だと実感しました。当初は教授やクラスメートの言っていることがほとんど理解できず、危機感を感じました。

経営学全般は独学しており内容は理解できましたが、チームメートとのディスカッションやコールドコール(教授から突然指名されて発言を求められる)で、聞き取れなかったり、言いたいことが伝わらなかったりと、何度も悔しい思いをしました。

何度も聞き直してもわからず諦めて、自分抜きで話が進んでいってしまったり、みんなの前で聞き直せなかったり。 これが最初の3ヶ月間続きました。英語力の向上が急務であると感じ、1学期が終わった冬休みに、ブライチャーに2週間、短期留学しました。

なぜシンガポールではなくてフィリピンに? シンガポールにも英語学校はあったのでは?

以前ブライチャーに留学していた同級生に勧められました。また、シンガポールの英語学校は日本より費用が高く、フィリピンを考えたのです。

最初のブライチャーへの留学はどうでしたか。

とても合理的なカリキュラムだなと感じました。特にLS1(リスニング&スピーキング)の授業が効果的でした。2週間という短い期間で、劇的な変化は感じませんでしたが、留学後外国の同級生に、「長いセンテンスで自信をもって話せるようになった」と言われました。また、会話中、単位時間あたりに伝えられる情報量が増えたのは自分でも実感しました。

留学後のMBAの授業に変化はありましたか。

2学期から慣れてきて、授業が聞き取れ、ディスカッションでも発言できるようになりました。最後のほうは、英語での苦労がなくなったわけではありませんが、入学当初と比べ大きな成長を感じました。

MBA中に再就職も決まり、卒業してから入社まで3ヶ月あったので、再度ブライチャーに行くことにしました。その時は、会社から受験を求められていたスピーキングテストをクリアするため、スピーキングを徹底して磨こうと決意しました。

MBAでは苦労しなくなったのに、さらに英語力をあげようと思ったのですか?

英語力の向上には終わりがなく、学習は永久についてまわります。それにMBAはあくまで英語を使って学ぶ場ですが、仕事は英語を使って価値を生み出さなければなりません。そこで、今度は実際のビジネスの場で困らないレベルまで英語力を引き上げようと思いました。

スピーキングにこだわって一日16時間学習。淀みなく英語が出てくるように

2回目の留学はどうでしたか。

このときは「スピーキング力向上」という明確な目的がありました。LS1(One on One Listening and Speaking)や LS2(Group Listening and Speaking)、SC(Scial Conversation)など、スピーキングに特化したカリキュラムを組み、「2週間で目に見える形でレベルアップする」って決めました。

留学期間中は一切飲みに行ったりはせず、昼休みも含め、ひたすら16時間くらい勉強です。単語やフレーズは、授業と同じ時間を使ってインプットし、授業で使うようにしました。長時間勉強することには、MBAで慣れており、集中して取り組めました。

結果はどうでしたか?

2週間終わってみたら、淀みなく英語がぽんぽん出てくるようになりました。今回は、自分の英語が流暢になったことを、外国人との会話などで実感しました。

帰国して、入社前に求められる英語レベルチェックも、無事基準をクリアしました。

外資系で働きだすと、プロジェクトによっては会議、メール、資料作成も全部英語です。前職の「英語ができれば褒められる世界」から、「英語はできて当たり前の世界」になりました。今はリモートワーク中なので、会議中に一部の話が聞き取れず、聞き直したり、細部を再確認したりといった場面が出てきます。また、自分の考えが簡潔かつロジカルに伝えられないこともあり、LS1の重要さを改めて感じました。

そこを補うため、オンラインでLS1の受講を習慣化することにしたのです。

オンラインとオフラインに差はありましたか。

LS1に限って言えば、まったく感じないです。1月に留学し、帰ってすぐにブライチャーのオンラインクラスでLS1とPPをやりました。当初、LS1は毎日、PPは週に2、3回やっていました。

LS1にはビジネスで必要な要素が詰まっている

LS1はなぜ合理的なんでしょうか?

LS1には、ビジネスを行う上で身につけるべき要素が詰まっています。

留学生活や英語を日常的に使う仕事では、リスニングとスピーキングが何よりも重要です。

リーディングとライティングは自分のペースでできますが、リスニングは自分の理解はお構いなしに進みます。スピーキングは、ある程度はコントロールできるものの、スピード感は必要です。それに聞ける力がないとインプットが曖昧になり、正確なアウトプットができないのです。

リスニングについては、基本的に過大評価をしがちです。よく、音声教材やYoutube、日常会話では「なんとなく全体で言ってることは分かった」となるのです。しかし、実際は細部まで聞けておらず、あとから内容を深く質問されると答えられない。

ところが、ビジネスの場では、数字などの細部を聞き取れてないと問題になるのです。

LS1では、音声を聞いて、5問程度の質問に答えますが、「完璧に聞き取れていないと答えられない質問」が多い。100回近く受講している今でも、一回聞いただけで、すべての質問に答えられることは極めて稀なんです。

細部まで聞き取るトレーニングとして、適度な緊張感をもって取り組めるのがいい。実際にビジネスの場で細部を聞き取れる量が増えたと実感しています。

スピーキングの向上についてはどうでしょうか。

LS1の後半部分も、実際に大変仕事に役立っています。

これは1分の思考時間ののち、2分で即席スピーチする訓練で、発言の「型」を身に着けられます。英語では「主張、主張を裏付ける根拠、結論」という型はコミュニケーションの基本です。繰り返すことで、この型が自然に身に付き、ビジネスの場でも役立っています。

始めた頃は、思考時間が1分では足りず、途中で詰まっていましたが、繰り返すうちに準備時間が短くなってきました。

実際のコミュニケーションでは、1分も発言内容を考える時間はありません。なので、最近では準備時間をあえて設けず、すぐに主張と根拠を考えて、考えながら話す訓練をしています。

トピックによっては、詰まったり、単語が適切じゃないこともあるのですが、後から自分の声の録音を聞き、修正していくと、ミスが鮮明に記憶されて、次のスピーチに使えます。修正された内容やより適切なフレーズを次のスピーチで使うことで、自分の血肉になっています。咄嗟に自分の意見を構造立てて話せるようになりました。

今の学習スタイルを教えてください。

仕事も忙しく毎日は受けられないのですが、LS1を週に1、2回受けています。もし50分の授業なら、その3倍の時間をインプットに当てています。

このほか、他の学校でも、ビジネス英語、ディスカッションクラスを受けていますが、ブライチャーのLS1が最も得るものが多いです。本当によくできたカリキュラムです。

オンライン英会話が伸びない人は、「インプット」が足りない

予習や復習はどのようにやりますか?

オンライン英会話をやっても伸びないのは、インプットが足りないのが原因ではないかと思います。英語は言語なので、「集中してインプットする時間」と、実際にアウトプットする時間の両方が必要です。LS1だけ受けても疲れて満足感はあるのですが、もしそこで終わると上達は限定的でしょう。

LS1の受講までに、スピーキングで使用を予定している英語構文やフレーズ(接続詞など)のインプットを、 約2時間主に暗記と独り言で練習します。 受講中は、今日は必ずこのトランジション・フレーズや構文を使う、と意識する。

受講後には、授業中には思いつかなかった、あるいは新たに学んだ語彙やフレーズをエクセルにリストアップし、リスニング教材の再聴などで1時間弱を使っています。

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エクセルで単語をまとめているのですか。

エクセルで覚えるべき単語やフレーズをまとめて、そこからピックアップして実践の場で使います。いつも新しいものをネットで調べて、追加してます。さらにCNNのyoutubeみたり、Podcast聞いたりしてます。

LS1を100回ほど受けて、何か変化はありましたか。

まず、教材が変わりました。最初は発音の綺麗なスピーカーがトピックを説明するものでしたが、最近は雑音も入ったスピードの速い日常会話です。かつ結構スラングやネイティブ独特の言い回しも出てくるのでより実践的になりました。

スピーキングでは、先も言いましたが、考える時間が減りました。自分の詳しいトピックなら、「今からすぐスピーチ」も可能です。一方、考える必要があるときでも30秒で済むようになり、1分フルフルで準備時間を使うことは稀になりました。

繰り返すと瞬発力が上がると感じます。「主張はこうしよう、根拠は二つ」みたいな型に沿って話すパターンができますし、話せる量も増え、よりわかりやすく伝えられます。これはトレーニングでしか身につかないです。

語彙に関しては、単語帳を覚えるの苦手なので、つまって出てこない単語など、フィードバックの際に、2、3個類義語教えてもらって、まとめて暗記しています。

発音の授業(PP)はどうでしょうか?

発音の重要性は、今まで意識してなかったのです。しかし実際に受け、自信を持ったコミュニケーションには大事だなと思うようになりました。

そもそもオンライン授業で、フォニックスを体系的に学べる学校は非常に少ないですし、発音は独学では到底学べないです。ブライチャーは、先生たちが日本人の癖をしっかり理解し、ときに厳しく、弱点を徹底して矯正してくれる。授業の質の高さにはいつも驚かされています。

バシバシと間違いを指摘するスタイルで、このスタイルじゃないと発音の矯正は難しいなと感じました。

よく、「発音はネイティブから学ぶべき」と聞きますが、少なくとも今の自分にとっては、ブライチャーのPPが最適な選択だと信じています。

今後はどのように授業を組み合わせていく予定ですか。

しばらくLS1とその前後のインプットを継続しながら、PPクラスの受講を増やしていきたいと考えています。

なぜか。今後、リモートでの会議の習慣は継続していくと考えているからです。

特に、リモートで海外の初対面の人、とくに日本人に慣れていない人と話す際には、やはり発音が重要になってきます。会社で話す相手は、インド、シンガポール、アメリカと、国や地域が特定の場所に決まっていません。発音を整えることで、より自信をもって英語でコミュニケーションが取れるようになると思うので、どんな場面でも通じる発音も並行して身に着けていきたいです。

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先生はどうやって選んでいますか。

LS1では、特に特定の先生の固定はしていませんが、いままで受けたことのある先生から常時、4、5人の先生をお願いしています。

選ぶ基準ですが、できたら厳し目な先生、本当に理解してるのかをしつこく確認してくれたり、怪しいところを「自分の言葉でまとめてくれ」って質問してくれる人とか、スピーチ内容を事細かくフィードバックしてくれる先生とかが良いですね。

また、発音のクラスは、自分の癖をよく理解してくれてる先生一人に決めています。

他の人にブライチャーをオススメできますか?

勧めます。実際に自分でも、知り合いや、オンライン英会話でいまいち効果が出ない人に、LS1を勧めています。「ただおしゃべりするだけ」で終わる英会話クラスだと、ある程度のレベルに達すると効果を感じなくなるのです。

初級の方には、いきなりのスピーチは、メンタル的なブロックもあり、ハードルが高いかもしれませんが、初心者向けに調整してくれると思います(注)。

(注)One on One Listening and Speaking には、時間制限を設けずに、トピックについて質疑応答を行う初級者向けのレッスンもあります。リスニングの素材も実力に合わせて調整するので、安心して受講いただくことができます。

英語ができるようになって文字通り人生が変わりました

Nさんの学習のポイントを教えてください。

オンライン英会話を長年続けているけれど、なかなか上達しない人の大半は、予習復習といったインプットの時間が足りていないケースがほとんどと思います。かつての自分もそうでした。

最初のうちは緊張感をもって受講するものの、次第に慣れてきます。何も準備せずに知っている単語とフレーズのみで、毎回おしゃべりをして終わり、習った単語やフレーズもその場限り、だと活用できるようにならないんです。

海外にいても、漫然と英語に触れるだけでは、英語は上達しません。結局、どれだけ集中して時間を割いたか、に帰結するんです。

そうならないためには、ブライチャーの授業をペースメーカーとして、またはインプットした内容のアウトプットやフィードバックを受ける場として使い、インプットは都度自分で必ず行う必要があります。英語の学習習慣が無い方は、まずはオンラインの授業の受講を習慣化し、準備や復習といったインプットの時間を増やしていくのがよいのでは。YoutubeやNetflixなど、今はインプットできる仕組みがあります。

これから英語を学ぶ人に伝えたいことはありますか。

英語学習は最もリターンの大きい自己投資の一つだと考えますので、目標を設定して、学習を習慣化してほしいと思います。

英語ができるようになって、文字通り人生が大きく変わりました。 よく「英語ができるようになればなるほど、得られるものが増える」と言われますが、これを肌で実感しています。英語がほとんどできなかった3年前の自分が聞いても絶対信じないであろう経験を積んで、生活ができています。

世界中で友達ができ、あらゆる国で生活を楽しみ、外資系の会社で働けるなどビジネスでのチャンスも各段に広がりました。コミュニケーションをとる相手の幅が広がったことで、色々な考え方や価値観を学び、小さなことで悩まなくなったり、色々な考えを受け入れられるようになるといった、人生を豊かにする手段としても役に立っています。

ありがとうございました。