28 8月 【英語学習法】簡単なことを大量にやることが最短ルート
先日、このようなツイートが流れてきました。

語学上達のコツは「量」。とにかく簡単なことを大量にやる。すでに受かった検定試験の級の問題を復習、やさしい外国語をたくさん読んだり聞いたりする。使う参考書も簡単なもの。簡単なことができるようになったら少しずつ段階を上げていく。一見回り道のようだけど、スキルアップではこれが最も早道
これは僕の実感とも一致しますし、第二言語習得(SLA)の研究でも広く支持されている考え方です。というわけで、今日はこの「簡単なことを大量にやる」についてです。
インプット仮説とは? 効果と限界をわかりやすく解説
第二言語習得の古典的な理論に、「インプット仮説」という理論があります。
第二言語学習者が言語を習得する過程において、「理解可能なインプット」を大量に浴びることが最も重要であるとする考え方です。
言語学者スティーヴン・クラッシェン氏が提唱した説で、現在の自身の言語レベル(i)よりも少しだけ高いレベルのインプット(i+1)を取り込むことで、言語は無意識的に習得されると主張したんですね。
近年になって「インプットだけでは不十分であり、明示的な知識(例えば文法や語彙の学習)やアウトプットの練習も欠かせない」という反論もなされていますが、とは言え、理解可能なインプットを大量に浴びるのが最も重要という部分は、ほとんどの学者からコンセンサスを得ているんですね。要するに、多読多聴は効果があるということです。
僕自身が英語を覚えたときにはこの仮説の存在すら知りませんでしたが、やはり大量の英語を浴びているうちに話せるようになりました。ただ、漫然と英語を浴びているだけだとなかなか正確性が高まらないし、語彙が増えるのも遅いです。また、正確な発音を身につけるのにも時間がかかります。さらに、実際にアウトプットもしないと、いつになっても話せるようにならないという現実もあります。
なので、大量の英語を浴びるのを前提としつつも、並行して発音、語彙、文法の勉強もした方がいいですし、アウトプットの練習も欠かせません。でも、とにかく大量にインプットしないと、絶対に上達しません……。それが全てと言ってもいいくらい大量のインプットは重要です。
英語学習を効率化する3つの柱:知識 × インプット × アウトプットのバランス
さて、具体的な学習方法ですが、次の3本柱をバランスよく回していくのが重要です。
- 発音、文法、語彙といった「明示的知識」の習得
- 理解可能なインプット(i+1)の大量摂取
- 習得した知識を使って話す・書くというアウトプット
当たり前に思われるかもしれませんが、多くの人が「やった感」が得やすい問題集の反復にとらわれがちなんですね。なので、そこはなるべく短期間で済ませて、とにかく大量のインプットです。
TOEIC 500点未満の人はここから! 中学英語から始める学習ロードマップ
日本で英語学習といえば定期的な TOEIC 受験が定番ですが、もしも TOEIC が500点未満でしたら、基礎的な文法や語彙に大きな穴がありますので、まずは中学英語の復習からスタートします。中学英語の復習用の問題集が各社から出ていますので、こうしたものを1冊買って、中学時代に取りこぼした穴を埋めることをお勧めします。
教科書や参考書から学習するのが苦手な方は、Duolingo などのアプリを1日30分程度やってもいいでしょう。地道に毎日続ければ、1〜2年で基礎的な文法や語彙は身につきます。
英語の発音は最初が肝心:レッスンの活用で効率よく身につける
発音を最初に間違って身につけると後々苦労しますし、リスニングもなかなか上達しません。なので、多少お金はかかりますが、騙されたと思って発音のレッスンを受けてみてください。基礎的な発音を身につけるだけで、その後の英語学習が驚くほどスムーズになりますし、リスニングも発話もぐっとハードルが下がります。こちらから無料体験レッスンが受けられますので、ぜひ試してみてください。
英語の大量インプットはこうやる:i+1で効率よく伸ばす方法
さて、中学英語の基礎が終わったらすぐにでも始めたいのが、理解可能なインプット(i+1)の大量摂取です。
このインプットですが、リーディングとリスニングに分けられますので、別々に解説します。
英語リスニングの基本:大量に聴くことがスピーキング力につながる理由
実際に英語を話せるようになった人たちの学習歴を見ても「多聴」が不可欠であることは明らかです。ぶっちゃけ「多聴を抜きにして話せるようになった人」は存在しないと言ってもいいほどです。
ちなみにこれは、学術的にも実証されているんですね。
例えば、ブロック大学 Farrell 教授とナンヤン工科大学の Renandya 教授も、多聴が語彙力・音声認識・文法的直感の発達に寄与するという教育現場での事例を共同論文にて報告しています。
‘Teacher, the tape is too fast!’ Extensive listening in ELT
さらに、Chang & Millett (2014) の研究では、60人の台湾人英語学習者を対象にした12週間の介入実験で、多聴グループが精聴グループに比べて有意にリスニング力を向上させたと報告されています。
英語リスニングは何を聴くべき? 英語学習者におすすめの教材
では、具体的には何を聴けばいいのでしょうか?
英語学習は「興味を持てるもの」から始めると継続しやすい
ポイントは「楽しめるもの」「興味があるもの」を聴くことです。どんなにためになるコンテンツでも、面白くないものや興味がないものは続かないからです。
特に初心者にとっては、楽しめることが何よりも大切なので、内容に囚われる必要もありません。とにかく楽しめるものを選んでください。
英語学習者も楽しめるシットコム5選
僕が最初におすすめしたいのは、英語のシットコム(シチュエーション・コメディ)です。映像があることで、セリフの意味がわかりやすくなりますし、登場人物の感情や状況も視覚的に把握できるからです。また、会話が中心なので、実際の英会話で使える表現が豊富に含まれており、内容がさほど難しくないものがほとんどです。
下記は定番中の定番の5選ですが、どれもお勧めです。
Friends
リスニングの定番中の定番。アメリカ英語の代表格です。会話スピードはやや速いですが、日常会話に慣れるのに最適な素材。
The Big Bang Theory
理系ネタも多く難しめ。ただ、繰り返し見ることで段々と理解できるようになるし、Friends が刺さらない層は試す価値ありです。
Parks and Recreation
地方行政の部署を舞台にした職場系コメディ。明快な会話表現が多く、政治・仕事・人間関係に関する語彙を楽しみながら学べます。個人的にはこれが一番好きです。
Modern Family
各世代のキャラが出てくるので、さまざまな話し方に触れられます。
Silicon Valley
ITベンチャー企業を舞台にしたコメディ。起業・テクノロジー・競争・資金調達など、スタートアップ系語彙が豊富。やや難易度は高めだが、実用性も高い。
リスニング力を伸ばす具体的な視聴方法
最初は英語字幕を付けて視聴します。聞き取れない部分は巻き戻して繰り返してもいいでしょう。大量に視聴するうちに、語彙、発音、イントネーション、会話パターンなどが「身体に染み込む」ようになってきます。
もちろん、シットコムにこだわる必要はありません。ゲーム実況だけを聴きまくったり、リアリティショーを観まくったりして英語が聴けるようになった人もいるので、素材はなんでも構いません。自分にとって楽しく、興味が持てるものをとにかく大量に視聴してください。
いちいち画面の前に座ってられない人は、Podcast を聴いてもいいでしょう。僕は初心者の頃はシットコムを見ていましたが、ある程度のレベルに達してからは、ラジオや Podcast でリスニングを鍛えました。
なお、Brighture でも Podcast をやっています。
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大量に読んで語彙と構文力を伸ばす! 多読でスピード感も鍛えられる
多聴と並んで重要なのが多読です。やさしい素材を大量に読むというアプローチは、語彙や構文パターンを「辞書なしで処理する力」を育て、スムーズな理解につながります。
こちらも研究論文が多数あります。
たとえば、Day & Bamford (1998) によれば、多読は語彙定着、読解速度、内容理解において顕著な効果があるとしています。
また、Beglar et al. (2012) の研究では、日本人大学生を対象に16週間の多読プログラムを実施したところ、語彙力・読解力・流暢性がすべて有意に向上したことが示されています。
The effect of pleasure reading on Japanese university EFL learners’ reading rates.
英語多読は「95%理解できる素材」から:効率よく伸ばすポイント
多読のポイントは、「内容がわかるもの(語彙の95%以上既知)」を選ぶことです。難しすぎる素材を読んでも、語彙も構文も定着しないからです。
初心者には Graded Readers(レベル別読本)や、Oxford Bookworms、Penguin Readers などがおすすめです。中級以上になれば、児童文学やヤングアダルト向けの小説に進むとよいでしょう。
また、読み方としては、頻繁に辞書を引かずにとにかく先へ進むのが基本です。辞書を引きながら読んでいるとスピードが落ち、読むのが嫌になっていくからです。ただ、Kindle のような電子書籍を使うと単語をタップするだけで意味が拾えますので、こうしたテクノロジーの力を借りるのもポイントです。
自分にあった本の選び方ですが、こちらもまた、「面白いもの」「興味を持てるもの」から読んでいくことをオススメします。こちらは Brighture で用意している自習コンテンツのガイドです。レベル別になっていますので、ぜひお試しください。
なお、Brighture のサイトではレベル別に分けたさまざまなニュース記事も用意していますので、日課にして記事を読んでみたい方はこちらをお試しください。
英語のアウトプットが「定着と処理の自動化」を促す理由
さて、こうしてたくさんの英語を浴び始めたら、今度はいよいよ使ってみる番です。なぜなら、実際に「アウトプット」をすることによって、初めて自分の文法や語彙の穴に気づくからです。
最初は話せなくて当然:アウトプットで伸びるメカニズム
最初は話せなくて当然です。でも、「話せないから話さない」では、いつまでも話せるようになりません。
アウトプットは、これまでインプットで得た知識を能動的に引き出す訓練です。最初はできなくても、無理やり書いたり話したりするうちに、知識を蓄えるだけでは身につかない「知識の内在化」や「処理の自動化」が進んでいくからです。最初はうまく出てきませんが、気長に取り組んでみてください。
英語アウトプットの始め方:まずは「書く」から始めよう
最初のうちは「話す」より「書く」方が敷居が低いです。時間をかけて構文や語彙を調べながら文を作れるからです。自力で書いた英文を講師や AI などに添削してもらうことで、細かく修正をかけていきます。僕は大学時代に大量の論文を書かされましたが、これで飛躍的に会話能力も伸びました。
次のステップは会話の練習です。会話とは要するに「瞬時に脳内で文を組み立てて話す」練習です。これには独り言でスピーチするのも有効ですし、オンライン英会話も非常に有効です。
最初のうちは簡単なことしか言えませんが、何度も繰り返すうちにだんだん滑らかになっていきますし、話せる内容も増えていきます。そして、多読多聴で蓄えた言葉が、ボロボロと口からこぼれてくるようになります。
こちらは実際の Brighture の生徒さんの会話ですが、発音も滑らかですし、語彙も多く、文法の間違いもほとんどありません。これで海外に住んだことないとはにわかには信じられないほどうまいですが、この記事で紹介したステップを踏んでいくことで、こんなふうに上達することも可能なのです。
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発音や会話の強化・練習は Brighture のレッスンで!
以上、「簡単なことを大量にやる」ことの大切さについて解説しました。
多読多聴と聞くとなんだか敷居が高いですが、僕らが日本語を身につける過程で、自然にやってきたことです。ですので、ぜひ日常生活に多読多聴を取り入れ、「簡単なことを大量に」やってみてください。
そして、多読多聴では補えない発音の練習や会話の練習は、Brighture のレッスンで強化してみませんか? 多くの方が Brighture で学び、海外進学や外資系就職を果たしました。みなさんもチャレンジしてみませんか?
お待ちしております。