起業体験を通じて英語を学ぶ――ブライチャーならではの新コース――船木美和さん

今回は、TOEIC845点を持ち、ニューヨークでインターンを予定している船木美和さんにお話を聞きました。船木さんは以前、TOEICに特化した語学学校に4ヶ月間通って高得点を取得したのち、ビジネスでの実践力をつけるためにブライチャーにやって来ました。

船木美和さん | 20代 / 人材派遣会社営業 / 4週間

留学までの経歴を教えてください

人材派遣会社で5年営業として働いてきました。現在は1年間の休職期間中です。ブライチャー卒業後は、ニューヨークで9ヶ月インターンをする予定です。

しかしブライチャー入学の段階でTOEIC845(取材時2017年4月)。今まで相当英語を勉強されてきたのではないですか。

中学・高校生のときはコツコツやっていたんですが、大学入学以降はまったく……。休職前に受けたTOEICのスコアは440点でした。TOEIC対策に定評のあるA校に4ヶ月通った結果、スコアがここまで伸びました。

なぜA校を選んだのですか?

仕事のチャンスを得るために英語力を証明しようと、まずTOEICの勉強に集中しました。TOEICは文法理解や語彙量を測るのに便利なので、基礎固めが目標だった当時の私にとっては合理的でした。

A校では英語力は伸ばせましたか。

語彙力と文法力はかなり伸ばせました。自習中心のカリキュラムで授業時間は少なかったですが、指定された自習方法に沿って量をこなすことで効率的に勉強できました。また日本語禁止のルールも徹底されており、喋れる量も増えました。

とても素晴らしい学校だったんですね。ではなぜ今回はA校を選ばなかったのですか?

次の目標は、ビジネスのレベルまで英語力を伸ばすこと。だからライティングやスピーキングなどアウトプットにもっと力を入れて勉強すべきだと思ったんです。

A校では基礎固めはできましたが、スピーキングやライティングの質を高めるには、多くのフィードバックが得られる環境に身を置きたいと思いました。

A校でのブライチャーの評判が決め手だった

ブライチャーを選んだ理由を教えてください。

実はA校の生徒の間でブライチャーは有名なんです。A校を卒業した後ブライチャーに入学した人がたくさんいるので、生徒同士のネットワークを通じて良い評判をたくさん聞きました。

特に、ビジネスクラスについての噂に興味を惹かれました。松井さんがアメリカのアップル本社で経験したことをもとにデザインされているので、超実践的だと。職場での悔しさが英語学習のバネだった私にとって魅力的でした。

そこでブライチャーに申し込んだところ、松井さんとのスカイプカウンセリングで「ビジネスインキュベーションコース」を紹介されたんです。「まだ設計途中のクラスで、未だに受講した人が3名しかいないのだが、もしよかったらチャレンジしてみないか」とのお話でした。

ブライチャーには4週間通ったのですが、まず最初の2週間は通常のビジネスクラスで、後半2週間がこのビジネス・インキュベーションコースという構成でした。こうして最初の2週間はA校の卒業生の間でも評判だったビジネス・ライティングビジネス・コーチングで、メールの書き方や職場でのやりとりを教えて頂きました。ただ、最初の2週間で扱う課題図書は他の方と違い、起業に関するものでした。

本物の弁護士・会計士・ビジネスマンとの打ち合わせで英語力を磨くプログラム

ビジネス・インキュベーションコースってどんなクラスだったのですか?

フィリピン人の先生とパートナーになり、2週間かけてフィリピンで起業するためのプランを作り上げるんです。フィールドワークに出かけて市場調査したりして、毎日パートナーの先生やファシリテータの他の先生を入れて議論を繰り返し、ビジネスプランを書いていきました。

ものすごく大変そうですね……。実際はどうでした?

はい。大変でした(笑)。それまでは「英語を学ぶ」だけだったのに、突然英語を実際に使い始めたので。初めて電話でアポ取りをした時には緊張で声が震えました。フィールドワークに出かけて不動産物件を見学したり、タクシーの運転手さんたちにインタビューしたりもしたのですが、数をこなしていくうちにどんどん抵抗感が消えて行きました。お陰さまで今では英語でもガンガンクレームを入れられるようになりました(笑)。

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フィールドワークもあったんですね。

はい。担当の先生とビジネスパートナーという設定で、実際にアポを取って2人で賃貸物件を見て回ったり、弁護士や会計士に会って相談したり、銀行やインターネットプロバイダーを回ってサービス内容を比較しました。

例えば、賃貸物件を見学するときには、礼金敷金、共益費などといった単語も知りませんでしたから、質問をするのさえ四苦八苦でした。そして実際に見にいくと、今度はシステムが日本とまるで違っているので、フィリピンの「当たり前」を把握するのにまた時間がかかりました。想定外のことが多く、日本がどのくらい整った国なのか、しみじみと実感させられました。見学に行った物件のトイレに便座が付いていないこともしばしばあり、これもチェックリストに入れて確認して回りました。

実際に受けられてみて、印象に残った点を教えてください。

まず、「英語ができないとまともに相手にされない」という事実に気付いたことがとても大きかったです。私がお客さんの立場なら、たとえ拙い英語でも相手はニコニコと対応してくれますが、交渉相手となれば、そんな「お客さんモード」では対応してもらえないんです。英語が流暢に話せて、初めて「まともな交渉相手」となることを肌で実感しました。

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また、生活の場としてのフィリピンを知ったことも大きかったです。すでに4ヶ月半もいるので、フィリピンの日常の風景や物価、インフラの整備状況などなど、一通りのことはわかっているつもりでいました。ところがその見慣れているはずの風景が、「現実の生活の場」として、私の前に突然立ち上がってきたのです。

当たり前のことですが、フィリピンにはフィリピンの暮らしがあり、廃れつつあるビジネスもあれば、流行りのトレンドもあります。フィールドワークの一環として街に出て、実際に街角でインタビューを繰り返したことで、今まで見えてはいたのにまったく気がついていなかった、生活の場、ビジネスの場としてのフィリピンが急に見えてきたんです。

練りあげたビジネスプランは、投資家役の講師を相手にプレゼン

そのほかにはどのようなことをするのですか?

フィールドワークの結果を持ち帰っては、パートナーやファシリテータの先生と議論を繰り返し、少しずつビジネスプランを作っていくんです。事業内容、オフィスの場所、従業員の数や給与、マーケティングの方法などなど、実際にビジネスを立ち上げる時のように実際に数字を出して具体的なプランを作っていきました。そしてそれをプレゼンテーションとしてまとめ、最終日に発表したんです。

考えてみれば、日本語でもやったことがないことを英語でやるわけですから、四苦八苦しました。発表の時には中西さんと松井さんも同席し、プレッシャーで緊張しました。また答えに窮する難しい質問もたくさん出て、ペアの先生と二人で冷や汗をかきながら必死になって答えました。

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最後にこの4週間を振り返って一言いただけますか?

この4週間の滞在を通じて「教えてちゃん」から「自力で学ぶさん」へと、一気に意識を変えられたように思います。これが最大の収穫でした。6月からニューヨークでのインターンが控えているのですが、その下地が、ブライチャーで作れたように思います。

ありがとうございました。