平均的なフィリピン人講師の英語レベルが低すぎる。実例を公開します

ブライチャーの松井博です。

今日はフィリピン語学学校における講師陣の質についてお話したいと思います。フィリピン語学学校のウェブサイトは、必ずと言っていいほど「優秀な講師陣!」と謳っています。本当にどの学校もそんなに優秀な講師陣でいっぱいなのでしょうか?私はひどく違和感を覚えます。

今回は、私がブライチャーで実施している採用基準を紹介しつつ、他校で採用されている一般的なフィリピン人講師の実力を検証してみたいと思います。

数百名以上の面接を通して見えてきたフィリピン人講師の平均レベル

これまでにもう何百人も面接してきました。そしてその候補者の実力たるや、「優秀」からはかなり程遠いのです。発音、文法の理解、TOEIC のスコア、作文のレベル、教え方……。どれをとってもかなりお粗末な方が大半です。

なお、面接にやってくる候補者の大半は、もちろん講師経験者、あるいは現役の講師です。にもかかわらず、現在ブライチャーでの合格率はおよそ40人に1人、つまり2.5パーセントなのです。

英語力の高いフィリピン人を採用するために必要な5つのプロセス

まずはブライチャーの採用プロセスを紹介します。

  • 書類選考
  • 発音のチェックと簡単な面接
  • TOEIC模試と英作文
  • 模擬授業
  • 最終面接

本当に一定レベルの講師を採用したかったら、これより簡素化するのはほぼ不可能ではないかと思うものです。尚、採用プロセスの詳細と講師トレーニングは下記記事をご覧ください。

フィリピン人講師は質がいい?訛りがない?半分以上はウソです

ブライチャーの採用プロセスで落選した講師達。実例のご紹介

それでは具体的にどのような人が落ち、どのような人が採用にいたるのか順を追って説明しましょう。

実例①:レジュメの英語が間違っている「ベテラン講師」

レジュメの英語が間違ってたりします。以下、実際に頂いたレジュメからの抜粋です。


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履歴書の英文
Flexible in any grade level been assigned

あまりも間違っていて一体何が言いたいのかわからないのですが、おそらく「担当になったどの学年でも柔軟に教えられる」というようなことが言いたいのではないのかと思われます。たぶんもっと素直に:

正しい英文
Flexible in teaching any grade level

でいいのではないかと思われます。

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履歴書の英文
position as an Industrial Engineer in the organization…

Industrial Engineer? ブライチャーが募集しているのはEnglish Teacherであって、Industrial Engineer ではありません。

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履歴書の英文
Saving and filling the 201 files, Doing the initial Interview after the appellants have taken the IQ Test, Scheduling, Texting and calling the applicants for interview, Posting and making the job design.

直すところが多すぎて難しいです。まず、不必要な定冠詞(the) が多すぎです。the 201 files, the applicants, the IQ Test, The job design… いったいどの files、applicants、Job Designを指しているのか意味がわかりません。おそらくこんなことが言いたいのかな?と類推しつつ文章を直してみます。

正しい英文
Responsible for scheduling and conducting initial interviews with applicants. Also Responsible for filing their 201 files.

これらの候補者はこれまで一体どこで働いていたのだろう?と思うと、ほぼ全員がどこかの語学学校です。日系の有名な学校名もしばしば見かけます。この段階で半分くらい30〜40パーセントぐらい落ちてしまいます。

実例②:発音の間違いが多すぎる

無事に書類審査を突破すると、次には発音のチェックと簡単な面接を行っています。詩などを朗読してもらうほか、面接を通して日常会話の発音や、簡単な文法の理解力などをチェックします。

最近、たまたま候補者の発音を録音したので、ブライチャーで採用に至った候補者と、残念ながら落ちてしまった候補者の発音を聞き比べてもらいましょう。

落選した候補者

合格した候補者

なお、この落選者は、セブの有名校で Top Teacher Awardを何度ももらっているベテランです。この方、発音以外はわりとよかったのですが、この発音ではあまりにも難があるので、残念ながらお引き取り願いました。

ここまでのところで、候補者が3分の1程度まで絞り込まれてしまいます。

実例③:TOEIC700点台がザラにいる

TOEICで900点以下は普通です。以下に幾つかの実例をお見せします。 IMG_0463

なんと575点なんていう方もいますが、さすがにここまで低いのは珍しいです。700点台が普通な感じです。

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600、700点台の候補者はざらにいます。ブライチャーでは900点で足切りしています。仮にも英語の先生なんですから、いくらなんでもそれ以下はないですよね。TOEICでまた半分が落ちてしまい、残るのはもうほんの数名です。

実例④:英作文がミスだらけ

次に英作文を見てみましょう。文章構成、スペルや文法などをチェックします。さすがにTOEIC900点を超えている講師はここであまり落ちませんが、時折残念な作文も見受けられます。

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In general, if the government allowed marijuana what will happen to the people using marijuana especially the college students mostly used this.

何が言いたいのかよくわかりません。そもそも、最初の”In general”(「一般的に」)という書き出しと、そのあとの文章がまるで繋がっていません。そして、そのあとも文をして意味をなしていません。そのため、訳すこともままならないほどひどい文章です。この方も、TOEICまではよかったのですが……。

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Aside from the fact, that this is the only way we can learn specifically what we need to be specialize of, it is very necessary to have proper college education.

まず、”fact” と”that”の間のカンマが不要です。それから、this が何を指しているのかわかりません。それから specializeは d を最後に足して受け身にする必要があります。タイトルとみると、どうやらこの this は college education を指しているようなので、書き換えてみましょう。

Aside from the fact that a college education is the only way we can learn specifically what we need to be specialized of, it is very necessary to have proper college education

まだ意味が通じません。たぶん「大学教育は特定のスキルを身につける唯一の方法だ」というようなことが言いいたいと思われるので、もう一度書き直してみましょう。

it is essential to have proper college education, as it is the only way we can gain specific knowledge and skills necessary in various professional fields.

かなり意味が通じるようになりました。最初からこのくらい書いてくれればすぐに採用するのですが……。

ブライチャーの採用基準は決して厳しくないはず

ご覧頂いた通り、ブライチャーの採用基準は決して厳しいものではありません。しごくまっとうなものです。きちんとした語学学校を運営するための最低基準と言ってもいいでしょう。

しかし、他校の講師経験者の大半がこの「当たり前」の基準にパスしないということは、他の学校の採用基準が極めて緩いことを意味します。

現在フィリピン留学を検討している方は、ぜひ、どのような基準で講師を採用しているのか、経営者の方に直接問い合わせてみてください。モゴモゴと答えられないようなら、まっとうな採用基準はないと考えてよいでしょう。

こうした学校は、全力で避けることを強くお勧めします。

博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。